「バイス、よく見たらお前の刀は古びているな」
「まぁ、そうですね?ややこしいですけど僕は異世界で未来人やってましたから?」
首を傾げつつインサニアに応えるバイス。
間に時間城を挟んでいるので時空の動きが余計ややこしい。
「ふーん」
インサニアは無断でバイスの刀を手にし鞘から刃を出して確認すると納刀する。
「こっちをやろう。綺麗だし」
インサニアの刀をバイスに押し付ける。
「え!?どうしてですか!?どっちも同じお母さまの刀なので古さしか変わらないですし!お母様が綺麗な方を持っていた方がいいのでは!?」
「この刀はお前の母親のものだからこっちのほうが良いのか?
お前はもう私たちのモノだろう?」
「ふぇっ…」
バイスは困惑し顔を赤くする。
確かに母の形見である刀だ。
しかし目の前にいる母も母であり…生きている。
別に形見を捨てるわけではない、全く同じものと交換するだけだ。
そもそもが勝手に持ち出して勝手に形見にしているだけなのだ…。
ぎゅう、とインサニアの刀を抱きしめる。
「ありがとう、ございます…」
「ん」
バイスの頭を撫で捏ねるインサニア。
黒髪の癖にちょっとマークの髪質に似ているなと思ってわしゃわしゃしてしまうのは本能だ。
「バイスの刀と私の刀を交換してやった。
別の世界のお前の血を吸っている刀だぞ」
笑いながらマークに言うインサニア。
嬉しそうな笑顔だ。
「俺の血を吸ってるのなんか変な気分になるけどインサニアが嬉しいんならいいよ。
それにバイスくんに重たいもの背負わせたくないしね」
「そこまで考えてなかったな」
「だろうね!そういうとこなんだよなぁインサニア!」