ラミレスルート

キメセク

 マークがラミレスの部屋に入ると少し青臭さが混じる甘ったるい匂いが充満していて、マークはギュっと顔を顰める。
 ラミレスの部屋には窓がないためしっかりとした換気口が取り付けられているがこうやって薬物で遊ぶことが多いので操作が必要になる。
 マークは換気スイッチを押してドアも自動で閉まらないよう電源を切って開いたままにする。
 部屋を見渡して匂いの根源である香炉を見つけ、そこにテーブルの上に置いていた水割り用の水の残りをぶっかけて火を消す。
 視線をベッドに向ける。天蓋付きベッドの薄いカーテンで隠れてラミレスのシルエットがある。
 カーテンを開いて覗き込むとちゃんとラミレスがベッドの上で横になっていた。
 ブーツも脱がずに半裸で、ベッドの上に注射器が何本か転がっていてマークの目は怒りで細くなる。
 使用済みの注射器を片付けてラミレスの上に馬乗りになった。
 ラミレスの顔はとろんとしている。薄目を開けているが薬で意識は飛んでいるはずだ。
 仕事疲れだとか悩みがあるとかで薬物をヤっているわけではない。彼は娯楽で薬物をキメるのだ。
 マークは医者として怒る、一生懸命薬を抜いてあげているのにちょっとの隙をついてこれだ。

「ウォレスさん!クスリはダメだって言ってるのに!」

 ラミレスの顔を掴んでほっぺをぷにぷにする。
 インサニアと同じくもちもちしているのだ。
 頬肉が厚いわけでもないのに。お肌の張りがもちもち。

「また化粧も落とさずに寝るしなぁ。ずっと化粧したままなのに肌が荒れないのなんでだろ」

 不思議に思いながらマークはラミレスの化粧を落とすため、またベッドから降りて部屋の中をうろちょろと行きかう。
 マークはマークでノーメイクのままぴちぴちなので不思議な身体である。
 勝手に化粧を落とすと怒られるのだが、怒るのなら薬物をキメて寝る方が悪いのだ。
 化粧を落とした後はナイフ付きの重たいブーツも脱がしてやって、楽な格好になっただろうとマークは満足する。
 ノーメイクのラミレスはインサニアに似ている。
 普段はバイスに似ているなと思うのに不思議なものである。親子だからだろう。

「ウォレスさん…」

 愛おしく名を呼んで額にキスを落とす。
 真っ当に生きて欲しくある。裏社会でしか生きられなくなってしまっている男ではあるけれど、自分の前でだけは真っ当で居て欲しい。
 オデコにキスをしただけでなんだか満足できなくなってきたマークはちゅっちゅと唇に、首筋に、そして鎖骨を甘噛みしてラミレスを堪能する。
 とんでもない男に惚れちゃったなぁ、なんて思いながら。

「おっきぃ…」

 マークはラミレスの下着越しの股間に自分の股を擦りつけて楽しみ始める。
 勃起しはじめているラミレスのナニが布面積の少ない下着から飛び出し始めていた。

「今日は勃つんだ、かぁいい」

 薬物漬け状態の時は反応したりしなかったりするのだ。
 うっとりした顔でマークは腰を上げ、ラミレスの下着を降ろして露出したペニスに口づけをし始める。
 愛おしい、この凶悪なサイズが愛おしく感じるよう身体に教え込まれてしまった。
 この身体になってから犯された時の衝撃が脳に焼き付いてしまっているのだ。
 愛でるようにマークは唇を這わせ、味わう様に舌先で裏筋をつっつく。
 ラミレスの意識がないからか、それは素直に先走りを垂らし始めるのでマークは濡れる鈴口を舌で擦るように舐め始める。
 室内の香の匂いは薄れ、ラミレスの匂いを感じはじめる。

「んぅ…んっん…」

 より深く口の中へ咥え込む。
 喉の奥を犯される刺激とラミレスの匂いが頭をぼんやりさせる。
 ぼんやりするのは香のせいではない、ラミレスの濃い匂いのせいだとマークは思う。

「んぷ、はぁ…」

 唾液でどろどろになったペニスを今度は腰をゆっくりと降ろして挿れていく。
 圧迫感が凄い。内臓が突き上げられている。

「あっ…あぁ…んんっ」

 マークはだらしない顔で喘ぎながら腹をさする。その存在感が愛おしい。
 まだラミレスは正気に戻っていないのでマークは勝手に腰を動かしていく。起きないほうが悪いのだ。
 キツすぎて激しく動かすことができないので本当にゆるゆるな上下運動だ。
 ちょっと気持ちよく感じた部分があればそれを探るようにマークは浅く腰を揺らす。

「あっあ、あぁぁ…きも、ちぃぃ…」

 いつも奥ばかりせめられているからか、浅い部分が新鮮で快楽を追ってしまう。
 もちろん絶頂を迎える様な強い快楽ではない、長く浸っていたいときの快楽だ。

「はぁ…はっ…はふっ…」

 自分で胸を弄りだす。
 ここはインサニアのせいで弄ってほしい部分になってしまったがラミレスは本当に胸に興味がなく、弄ってくれないのだ。
 切なくてマークはインサニアのいじめる様な弄り方で先端を弄る。
 指の腹で擦り、抓り、指先で弾く。

「あっ…」

 腰が戦慄く。軽くイった。しかしもっと欲しい。止められない。









 ラミレスが気づけばマークが上に跨って身悶えている。
 可愛い声で喘いで腰を振って胸を弄り回して顔が蕩けて―――
 ラミレスは容赦なく腰を突き上げた。

「んぉぉっ」

 さっきまでの可愛い声から腹から出している声になった。

「うぉ、れしゅ、しゃん」

 舌が回ってない。全身を震わせてナニを咥え込んでいる膣が締まる。
 可愛い。可愛いが、まだ身体から薬が抜けきっていなくて身体がふわふわする。
 ラミレスは気怠く思いながらも体を起こしてマークをベッドに押し倒す様に体位を入れ替えた。

「クソ(アマ)ァ…可愛いことシてんジャねぇ…」

 頭が回らない、なんも考えずに言葉が漏れる。
 ちょっと思考が纏まらないが、ヤればいいのだ、そう、こういう状況なのだから。
 ラミレスはそれだけ考えてベッドフレームを掴んでただ押しつぶすようにマークに打ち続ける。
 マークの身体を掴むのはダメだと思ったのだ、薬で力の加減ができないので痣をつけそうだ。
 腰の勢いが強すぎるかなとも思ったが、ふわふわクッションに埋もれているので大丈夫だろうと思う。

「ひぅ!あ、んっぅぅ!」

 勢いに耐えようとマークはラミレスにしがみつく。
 それが可愛くてラミレスはマークの背に手を回しながらただ腰を打ち付けマークの柔らかさを味わう。
 全てが柔らかい。
 思い出す、メアリーに抱きしめられて包み込まれたとき。
 化粧と香水の強烈な匂い。柔らかさ、温かさ。
 自分の図体がデカくなってしまったせいで包み込まれるということはなくなってしまったが。
 けれどマークは必死に抱きしめてくれる。
 それが嬉しくて意地悪をしてしまう。抱き潰したくなってしまう。
 たっぷりと中に熱を注いでやる。身体をくねらせて嬉しそうに笑うマークが愛おしい。
 可愛い顔なのでキスをする。全てが甘い。舌を吸いだしてしゃぶり付くと苦しそうにするのが愉しい。
 マークの髪をくしゃくしゃにしながらラミレスは長いキスをする。
 マークの頭が小さいのか、自分の手が大きいのか、指の間に絡むマークの赤毛がくすぐったくて心地いい。

「はあっ!はぁ、はぁっ…うぉれすさんっ!くるしぃ…!」
「苦しめてんダよ。かわいい…」

 ラミレスの囁きにマークの中がきゅっと締まる。

「はは、嬉しガってル?単純ネェ…」
「うう、だってぇ…うわっ」

 再び体位を最初に戻してラミレスは下からマークを突き上げ始める。

「オ前も自分で動いてイイわヨ」
「腰が、抜けて…無理ぃ…」
「馬鹿ねェ」

 ラミレスはマークの両手を指を絡めて握ってあげながら優しく揺らす様に腰を動かし始める。

「あぁぁぁ…」

 気持ちがいいのか舌先から涎を垂らしながらマークが蕩けた顔で声を漏らし始める。
 マークは少し香を吸っただけだがよく効いてしまっているのだろう、色々と緩くなっている。
 ラミレスでさえ意識を飛ばして今は身体が怠いのだから免疫のないマークは少しの量でもキツいはずだ。

「ふっ…ふぅっ…ふ…」

 次第に喘ぎが呻きに、そして息遣いだけになっていた。
 首が垂れて握りしめていた両手の力は抜けていてラミレスが掴み上げているような状態だ。
 少し筋弛緩が起きているのか膣も緩い。
 仕方ないのでナニを引き抜いてお尻に挿入する。

「んひぃっ」
「お、元気ィ〜?」

 笑いながらラミレスは締まりを楽しむ。
 ほとんどオナホ扱いであるがマークが薬に酔っているせいなのでマークが悪いとラミレスは思う。









「俺は怒ってるんですよ?また薬をヤって!」
「はいはい」

 二人は事後ベッドの上でいちゃついたままであった。
 ラミレスはマークの身体を抱きしめて頬にキスをしている。

「次来るときはガスマスクをします」
「キメセク良かったノニ?」
「健康に悪いんです!」
「あっそー。悪かったワよ、はんせーしてルから」
「口ばっかり」

 ぷんぷん怒りながらマークはラミレスの胸元にぐりぐり頭を擦りつける。
 怒っているぞという示しだと思うのだがただ可愛いだけであった。


あとがき

チンチンがイライラするバイス「ドア閉めてヤってくれません?」