「春節祭の爆竹の音ってここまで聞こえてくるんだなぁ」
マークは色々煮込んだ煮込み料理を食べながら空を見る。
星空が見えるが爆竹の明かりはこちらには届いていないようだった。建物の影になっているだけかもしれない。
自分たちのいるところは他所者たちがまとめられている新区で祭りをやっているのは地元民が住んでいる旧区だ。
旧区にも行けるがラミレスが嫌がったのでマークはそれに従った。
一応こちらでもお祝いはやっているので適当に屋台を回ってフリースペースで戦利品を広げて味わっているところである。
「んぅ、ちょっとこっち辛い」
マークは飲み物でお口の中を洗い流しつつラミレスに辛いものを回す。
バイスもラクヨウの辛さが苦手なので仕方がない。
パパが食べるしかないのである。
「辛いかー?」
酒のアテにしながらラミレスは食べているので問題はなさそうだ。
「お前食っちャ寝してルだけなノに体型変わんないワネ」
魅惑の我儘ボディのままだ。
「夜の運動してるよ」
「ワタシの方が重労働だろうガよ」
「子供の前でえっちの話やめてくれます?」
「ご、ごめんね」
真っ赤になってバイスに謝るマーク。
「お母様が個人的に僕一人に対してなら構わないんですけど」
「クソガキ…調子に乗っテんなよ」
「ラミレスさんそうやって威嚇するのよくないですよ〜?バイスだって甘えたいだけだもんねー?」
にこっと笑うマークが可愛い。
ムラムラしてくるパパと息子だが、食事の邪魔をすると割と本気でママは怒るので耐える。
「あ、この程度のスパイスだったら丁度いいなー」
焼き鳥をはむはむしながらマークが満足そうに言う。
そしてお酒を飲んでにへらっと幸せそうに笑うのだ。
(お、犯す…)
ママへの想いを抑えきれそうにないので首に鎮静剤を打ち込んで耐えるラミレス。
マークのツッコミはこなかった、丁度見られることがなかったようだ。
バイスは薬で落ち着かせる父親をズルいと思っているが、母のために身も心もクリーンでいるため薬も煙草も避けている。
母のためがなければ遊び感覚で手を出していたであろう。
「お母様は可愛いですね」
「そう?ありがとー。でもおかしいよ、男の頃から可愛いって言われてるんだよ?
普通カッコイイだと思うんだよねぇ?」
腕を組んで首をかしげる。おっぱいが腕により浮いている。
「そういう仕草が可愛いんですよ」
「仕草が!?普通にしてるだけなのに!」
「うふふふ、可愛らしいお母様」
何をしても可愛いで返されそうでマークは諦めて溜息を吐きつつ料理をつつくのを再開する。
バイスも食べ終わり、母の様子を見て席を立つ。
「お母様が好きそうな甘いものを見繕ってきます」
「ありがとう!」
「餌付けか」
バイスはラミレスに呟きに視線だけ一瞬むけて屋台へ向かって行った。
「気を遣える良い子なんだよラミレスさん」
マークが言い聞かせるように言うのでラミレスははいはいと適当に流して煙草に火をつけて吸い始める。
「かっこいいなぁ」
「はぁ?」
「絵になるんですよねー。吸う姿が」
「目ェ大丈夫ゥ?」
「俺のこと可愛いって言ってるくせに、俺だってラミレスさんのことカッコイイって伝えてもいいじゃないですか」
「ヤダ」
「天邪鬼だなぁ…あれ!?その匂い葉っぱでは!!!???」
マークがガタっと椅子を蹴って立ち上がる。
「タバコは葉っぱからできてるわね…」
「ダメな葉っぱでしょそれ!だめです!吸っちゃダメ!」
「吸ってる姿かっこいいっていったクセに…」
「それとこれとはちがいますー!」
マークがしがみついて煙草を奪う。ラミレスの頭は位置的にマークのおっぱいに挟まってしまうが。
「いいですか、ラミレスさん。これはダメです」
おっぱいを押し当てながらラミレスにいうマーク。
「はいはい、わかったわかった」
「いつも口ばっかりなんだから」
席に戻るマーク。
「帰ったら抱き潰してやる…」
「いいですよ」
いちいち煽ってくる。
にこっと笑うマーク――わざと煽って、ラミレスにじゃれているのだ。可愛すぎるという言葉を飲み込むラミレス。
「ええー甘い雰囲気になっているのはなぜですか?」
甘味を持って戻ってきたバイスがムっとしていう。
「なんで解るの?」
「お母様からえっちな匂いがします…」
「そんな匂いさせてないもん!」