マークママルート

怒涛のラッキースケベはラッキーとは呼べない

「うーーーん」

 マークは姿見の前で全裸のまま唸っていた。
 相変わらずの女性の身体だ。
 ただ自分の身体なので見てもイマイチ興奮しない。
 首筋や鎖骨周り、脚の付け根などにちょっとキス痕が残っているのでそこを意識するとちょっと濡れてしまうが…。
 それはインサニアが原因なので自分は関係のないこと。
 問題は別のことなのである。

「なんかおっきくなった?サイズ計ればよかったな…」

 胸をぽにぽにしていうマーク。
 豊満であり柔らかいのに弾力もある理想的おっぱいはこうやって揺らしても痛くない。
 インサニアに鷲掴まれると痛いが。
 まぁ、そこは置いといて普通の身体ではないのだろう。

「ねー、バイスーちょっときてー」

 ドアを開けて声を掛ける。
 近くにある部屋からバイスが出てくる音。

「どうしました?」

 ドアを開き入ってきたバイスはいいながら硬直する。

「ごめんねちょっとサイズ計ってもらいたくて」
「…サイズ?」

 マークはバイスにメジャーを手渡す。

「大体でいいんだけど、胸がなんか大きくなってるような気がしてさぁ」

 サっとマークは両腕を上げてスタンバイ。
 バイスに完全に裸体を見せているというのに何とも無さそうなお顔。

「…………」

 バイスは笑顔を張り付かせて母の望みを叶える。
 バストを計る。メモる。

「お腹周りも計ってもらおうかな、普通に全体的に太ってきてる可能性もあるよね

 インサニアってぽっちゃりは範囲外だよねぇ?」
 インサニアのセフレたちの体型を思い返しながらマークは一人で喋っている。
 バイスは黙ってウェストを計る。メモる。

「ヒップも計りますか?」
「うん!おねがい!」
「…………」

 お尻も計る、メモる。そしてマークにメモを差し出す。

「どうぞ」
「ありがとう、バイスがいてよかったよ。自分だとダメなんだよね?計るの」

 とても曖昧な知識をお持ちらしい。

「そうですね、ええ、次も遠慮なくお呼びください」

 バイスは肯定した。

「相談なんだけどねバイス」
「はい?」

 この状況でなぜ会話を続けれるんだと思いながらバイスは首をかしげる。
 マークはそっとバイスの手を取って自分の胸へ押し当てた。

「この胸どう思う〜?普通?変?」
「大変すばらしいものだと思います」
「そう?偽物感ない?」

 マークがむにゅむにゅとバイスの手ごと乳を揉む。

「は!?これが偽物だったら世界中の女どもの乳は偽物だと思いますが!?」
「え?あ、ごめん失礼なこといっちゃったね」

 バイスに怒られたと解釈したマークはシュンとする。

「いえ!責めたわけでも叱ったわけでもなくて…!!お母様が気にしていられるので、あの、こんな…こんな…偽物あります!?」
「ひゃんっ」

 バイスが自ら力を込めて揉み始める。

「ほラ、こうされて…ちゃんと感ジられてますシ!?」

 乳首を捏ねる。

「ひゃあっ…」

 マークは腰が抜けかけて崩れそうになるので支えるバイス。

「お母様―――」

 バイスの顔がマークの顔へ近づく。
 唇と唇が触れそうな距離。
 そこでマークは潤んだ目でバイスを見上げながら―――

「ごめんね、そんな怒らないで…もうそういうこと言わない」

 ハッとするバイス。

「っ――――!!!!」

 絶叫しそうになるのを堪えて母を解放する。

「す、スミませンお母様!!!ボクは乱暴なコとをしてしまッテ!!!!」
「え?あ、うん…?乱暴だったかな?」

 インサニアで慣れきっていて感覚がマヒしているマーク。

「俺も悪かったよ、バイスも気になるならお互い気にしないでおこっか?」

 笑みを浮かべながらマークは服を着始める。

「は、はい…」

 だいぶ会話が噛み合っていないなとバイスは思うのだが飲み込んだ、突っ込んだら墓穴を掘るので。

「では、僕は失礼しますね…」
「うん、ありがとうね。」

 見送るマーク。

「………」

 バイスが揉んだ乳に手を当てる。

「バイスも男になってきたなぁ」

 もちろん大人の手の大きさになってきたなという意味である。

「ちょっとインサニアっぽくてドキドキしたな」

 頬を赤らめてしまうマークだった。