本館の夫婦の寝室。
ベッドでマークとラクリマはインサニアを間に挟んで横になっていた。
「本当に俺がお邪魔しちゃっていいんでしょうか」
マークは戸惑った表情を浮かべつつインサニアの手をにぎにぎしている。
「添い寝だからいいじゃない」
ラクリマは軽い感じに言う。
今マークの身体が女になっているとはいえ心は男だし…というマークの気遣いなのだがラクリマは気にしていない。
「私は二人とセックスがしたい」
「しません」
インサニアにきっぱりというラクリマ。インサニアは驚愕の顔でラクリマを見やる。
「なぜだ!?セックスするしかないのに!」
「インサニア、さすがにラクリマさんの前でえっちなことはできないよ…」
マークはにぎにぎしていたインサニアの手をちょっと恥ずかし気に朱に染めた頬に寄せる。
「お前の態度がえっち」
「なんで!?」
「無自覚に誘惑してるわねぇ」
「してます!?」
心外なマーク。本人はセックスアピールなんてしていないのだ。
このままじゃ眠れないなと思ったラクリマは「テネブレ、おやすみなさい」とインサニアの耳元で囁いて頬にキスをする。
インサニアはすぅ…っと眠ってしまった。
洗脳ボイスで眠らせたのだろう、強すぎる。
「おやすみ、インサニア」
マークもインサニアの頬にキスをする。
初めてだ。こんな平和な就寝。
いつもなし崩しのセックスをするハメになっていたに。
こうやって普通に眠るのは新鮮であった。
ラクリマさんってすごい!マークはそう思った。