「ただいまーバイスくん」
マークが帰宅した。
「おや?その箱は…」
バイスはマークが手に持っている紙箱に視線を向ける。
「今日クリスマスだからケーキ!バイスくんと食べたくなっちゃってさ!
俺の星はそういう文化ないけどここにいると馴染んでくるんだよねー
…バイスくん?」
バイスは居心地悪そうにもじもじしつつ視線をマークから冷蔵庫に向けている。
「もしかしてバイスくんも買ってきてくれてた?」
「…ええ、はい。その…アマツでも影響を受けてそういう文化があると聞いて…特別な日に先生と食べたく―――」
頬を赤く染めるバイス。
「僕がそう考えるんですからマーク先生もそう考えますよね、僕の考え不足でした…」
「え?え?そんな恥ずかしがらなくても!嬉しいよ!同じように想ってくれたんだもんね!?
俺のケーキはホールじゃなくて一切れずつだから!」
「は、はい…」
「バイスくんが買ってきてくれたケーキを先に食べよっか!」
マークは微笑みながら冷蔵庫からバイスが買ってきたケーキを取り出して自分のケーキを仕舞う。
ケーキはクリスマス仕様のホールケーキであった。
マークが買ってきたものは普通の平常時のケーキなので被ってないからセーフとバイスに言い聞かせる。
(そうか、バイスくんは食べたことないかもだよね…)
より一層こっちのクリスマスケーキのほうが重要であるとマークは思う。
「バイスくんにはこのチョコプレートとサンタさんをあげるね」
「お構いなく…」
「ワインも開けちゃお」
「ケーキに合いますか?」
「たぶん大丈夫…?」
二人はケーキを食べ始める。
「インサニアは甘いの苦手だからさー、こうやって一緒に食べてくれないんだよねー」
「そうなのですね。」
「バイスくん、甘いの大丈夫?」
「はい、甘いものは好き?かもしれません。」
「俺と一緒だね」
ニコニコ微笑んでいるマーク。バイスは思わず視線を逸らす。
頬が熱い、ワインのせいだろうか、それとも照れだろうか、自分でも解らない。
「マーク先生と一緒で、僕も…嬉しく思います」
「ほんと?じゃあ今度のデート、流行のスイーツ巡りでもいいねぇ」
「良いと思います」
頷くバイス。
流行なので並ばないといけないのでは?と一瞬思ったが、その分マークと一緒にいられる時間が増えると気づいて黙った。
俄然楽しみになってくる。
「楽しみですね」
「ね!」
恐らく気持ちは噛み合っていないであろう噛み合った会話をしながら二人は時間を過ごした。