正史B

インサニアストーカーたちの末路

 バール連邦共和国の王族は滅びているが帝国時代から続く貴族は残っている。その名残で階級もまだ形だけある。
 形だけであってもそれはまだまだ現役といってもいいだろう。


 エリザベス=ピエロニは子爵家(ヴァイカウンテス)の令嬢である。
 婚約者などはいない、ずっとインサニアを追い続けているから。

 カルロ=ストゥルニは男爵家(フライヘル)の令息である。
 婚約者はいない、インサニアの面影のある女子にアタックしつつもフラれているから。あとロリコンだから。


 ちなみにインサニア家は侯爵(フュルスト)にあたる。
 この二人に縁談が持ち上がった。
 エリザベスの奇行を重く見た当主エレナ夫人は強硬手段に出たのだ、誰かと結婚すれば諦めるだろ!と。
 そこで目をつけられたのがストゥルニ家だった。
 行き送れてるから断れんやろというそれだけの理由だ。
 たしかに行き遅れているので…事実なので…ストゥルニ家の当主であるクラウディオは不甲斐なさ過ぎる息子を叩き出した。
 入り婿だ。ストゥルニ家には庶子だがクラウディオの息子がまだいるし、なんならサンドラがもう一人産めばいいのだ。
 その辺はカルロが出戻りするかどうかで判断しようとなった。
 なし崩しに行われる政略結婚にエリザベスもカルロも抵抗できぬまま式を上げられ初夜のベッドに投げ込まれる。
 部屋の外には子爵家のメイドと執事がガードを固めていて逃げられない。

「あんまり…!あんまりですわ…!インサニア先生のお嫁さんになりたいだけなのに!!!もしくは愛人!!!」
「そんなんだから怒られたんでしょ」

 カルロが突っ込む。
 当主を継ぐ娘が愛人になりたいとか叫んでいるのは狂気ではある。

「困った…これやり遂げないとずっと監禁コースだよなぁ」

 セックスしないと出してもらえない部屋である。

「カルロ先生はわたしで勃ちますの?」
「……困ったなぁー」
「困りましたわ…詰みなのではなくて?」

 コンコンとノック音とともにドアが開く。

「失礼いたします」

 メイドが台車を押して入ってきた。

「エレナ様が、お二人がお困りになっているかもしれないということで各種道具や興奮剤をお持ち致しました。
 ご堪能ください」

 一礼して出ていく。

「ご堪能したくないけど!?」
「なるほど、前立腺を刺激しまくれば子種は出せますわね」
「ひぃ…」

 エネマグラを手にするエリザベスに戦慄するカルロ。

「とにかくわたしは貴方とずっと一緒に部屋に閉じこもるのは趣味じゃないわ。
 飲んで」
「はい」

 二人は仲良く興奮剤を飲む。

「わたし、ハジメテはインサニア先生が良かったんですよ」
「ごめんなさい…」
「くっ!なぜマーク先生はよくてわたしはダメなの!!!」
「……インサニアはうるさい女好きじゃないし」
「マーク先生おしゃべりじゃございません!?」
「あれは特別枠だから…」
「ずるいずるい!!!」

 なんだか別の意味の興奮をし始めているエリザベス。

「はぁ…建設的にいきましょう…。わたしはカルロ先生のこと、インサニア先生だと思い込みます」
「じゃあ俺はエリザベスをちょっと発育の良い幼児だと思うから」
「えぇ、えぇ、よろしくてよ。あなた一物は立派なんでしょうね?インサニア先生の一物は立派なので。

 粗末だったら解釈違いです」

「だ、だいじょうぶじゃないか…?インサニアのみたことないから知らんよ…」
「まぁ始めましょうか。お互い目隠しですわね」
「なんか変なプレイしてるみたいだ」
「部屋から出るためです、屈辱に耐えるのは貴族の務め」
「貴族の務めってそんなんだったっけ?」

 二人は準備をし、ベッドの上で目隠しをする。

「はじめるぞ」
「どうぞ」




 カルロはアルコールには弱いが毒に耐性がある。
 薬品も、そのはず、そのはずなのだ。
 今回もまぁちょっと効くぐらいかな?さっさと終わらせればいいなーみたいな軽いノリであったのに。

「はぁっはぁっ…かるろせんせぇ」

 激しさにより目隠しも落ちて、おめめぐるぐる状態のエリザベスはカルロにしがみついて喘いでいる。
 カルロ自身も腰を止められなくてエリザベスを潰す勢いで犯していた。
 脳裏に浮かぶは父のしてやったりの顔である。
 興奮剤は恐らく父の差し金だ、こんなに効くのはおかしいので。

「あ、あっ…!」

 中に何度目かわからぬ射精を行う。

「か、かるろしぇんせぇ…もっと…いんさ、にあ…せんせぇみたいにぃ…」
「わ、かるかぁ…!」

 インサニアみたいに犯すのってどうするの!?わかんない!
 カルロは混乱してる。
 エリザベスは知っているのか?インサニアの動きを。知らないだろ!
 想像上で言ってるだろ!

「くそっ…」

 もうお互い想像上の域を出ないのだから、想像でやるしかない。
 やるしかないというか今ヤってはいるが。

「ひぃっ」

 カルロに持ち上げられて声を上げるエリザベス。
 エリザベスは小柄で軽い。体格が良く力のあるカルロにとっては本当に軽すぎる。
 支えながら下から上へ突き上げるのを繰り返し始める。自重でより深く沈み込むのでエリザベスはより一層喘ぐ。

「すご、奥っ…きて、るゥ…!」
「おまえ小さいから…出すぞ」
「んひぃぃ!!!」

 仰け反ってイくエリザベス。カルロの下半身がより一層濡れる。

「はっ…はぁっ…もっと、インサニア…先生のように…」
「無茶を…いうな…」

 二人はぐったりとベッドに倒れた。


   ◇◇◇◇


「わたしもインサニア先生の本気セックスはみたことありませんから知りませんわ」
「俺もしらねぇーよ」

 ベッドの上でのピロートークはインサニアの話であった。

「マーク先生との情事を覗き見してないの!?」
「それ俺になんか得あるかァ!?」
「観ときなさいよー!!!」
「映画鑑賞みたいにいうな!」
「…インサニア先生なら動画撮って送ってといえば送ってくれそう」
「…俺らにはくれないと思う」
「なぜぇ…?」

 いかがわしいからだと思う。
 カルロは言葉を飲み込み、無言。

「今頃インサニア先生はナニをしているのかしら」
「今日の曜日でこの時間はナニしてるな…。あまりムラっとしてないからラクリマさんあたりと」
「こっわ。わたしそこまでではないわ、想像を楽しむタイプなので」
「いや知ることによって想像の精度があがるじゃん、ね?」
「同意しかねますわ」
「うそだろ…」

 二人の初夜はこうして終わった…。


あとがき

こわいんだけどこの二人
くっつけてよかったのか?(おうちの方々への問いかけ)