正史A

求められる、僕

 マークの自室。
 マークのベッドの上でバイスはマークを後ろから抱きしめ、切なそうな呻き声を漏らすマークを堪能していた。
 シャツの上から胸元に手を這わせて突起物を探り撫でて、猫吸いの感覚で後頭部に顔を埋めてたまにうなじに吸い付く。
 ちょっとお願いすればこうやって甘えさせてくれるマーク先生がチョロくて好き。
 インサニア先生とヤったあとすぐさま甘えればより良い。
 交尾で火照ったまま、シャワーも浴びせてもらえなかった状態のときがバイスの好みだ。
 今日はその日だった。
 インサニア先生と入れ替わるように部屋に押し入った。
 荒い息を落ち着けようとしながら、乱れた服を整えようとしているマークに優しく微笑んで、無理に引っ張られて緩まされたネクタイを締めなおしてあげながらお願いをして触れさせてもらうのだ。
 触れ合いを始めるのはちゃんと衣服は整えてからが好ましい。
 整えられた衣服の下は他の男との情事で汚れたままだと思うと興奮する。

「っ…んぅ」

 マークの身体がビクついて可愛い。
 交尾で敏感になっているところにシャツ越しながら乳首を弄られて感じてしまうその姿。
 シャツも薄手のペラペラしたものではない。結構上等なものだ。それ越しなのに感じているのだ、敏感だから。
 隠されている乳首はもう赤みを増してぷっくりしているのではないだろうか。
 バイスは胸元から手を離して腰に腕を回して抱きしめる。
 より密着してマークの心臓の鼓動が早いのを感じる。呼吸も犬のよう。
 さっきまで交尾していた身体なのだ、と思うとバイスは表現しがたい気持ちになる。
 きっと興奮しているのだろうと思った。両親の交尾を感じて興奮している。

「バイス、くん…」

 マークの上擦った声。しかし優し気なものが混ざっている。
 インサニア先生の暴力的な性を受け止め、バイスの八つ当たりのような微妙な暴力も受け止めてくれている。
 バイスの手にマークの手が重なって優しく撫でてくる。
 そんなに優しくされると、もっと乱暴に扱いたくなってしまう。

「あ!?」

 マーク先生は「やめて」とは言わない。
 だからバイスはマークのベルトを緩めズボンのチャックを降ろして半勃ちのナニを取り出し扱く。

「うっううう…!!!」

 瞬く間に射精し床やバイスの手を汚す。
「たくさん出ましたね。今日はイカせてもらえなかったんですか?」
「や、その…」

 口ごもるマーク。
 可愛くて…バイスはマークにキスをしてそのまま押し倒し柔らかな舌を堪能する。
 唾液を流し込めば悦んで飲み込んでくれる。
 マークの露出したペニスに自分の股間を擦りつけて交尾のアピールをする。
 赤くなって、目元が潤むマークの表情が堪らなく良い。

「いっぱいイかせてあげましょうか?」
「だ、だめだよ…そんな…」
「遠慮なさらず」

 バイスは笑みを浮かべたまま自身を取り出し、マークのズボンをずり下させて露出し緩んでいるマークのそこに挿入する。
 インサニア先生の精液がまだ残っているそこは滑りやすくも交尾の名残りがあるのか、絡むような押し出そうとするかのような締め付けをしてくる。

「あ、あぁぁぁ…!」

 マークの悲鳴は気持ちよさげであった。
 この絡みつく具合がバイスも気持ち良かった。
 そのまま激しく犯し潰したい衝動に駆られるのだが、自制してゆっくりと腰を動かして焦らす。
 ゆっくりと根元まで挿入し、ゆっくりと引き出していく。
 マークとの交尾は初めてではない。マークも腰を揺らしてしまいそうになりながらもシーツを握りしめて耐える。
 バイスは暴力的な衝動にかられながらも、マークがインサニアに激しく犯された日はこうやってスローペースにしてあげる。
 長くマークと繋がっていたいし、こうやって緩やかな快楽を与え続けて蕩けていくマークを見下ろすのが愉しかった。
 マークも激しいセックスのあとなので、このようなものが好みだった。好みになるよう調教されてしまった、のかもしれないが。
 インサニアの精液をバイスのナニが中で掻き混ぜる、じっくりと擦りこむように擦りつけてくる。
 それだけでマークは興奮できた。
 半勃起状態のマークのそれの先端から透明な汁が流れ続ける。
 次第に気持ちい所が擦られ始め、マークの息が上がる。
 腰が跳ねる。刺激を追って腰を浮かせてもっともっとと強請ってしまう。
 それと乳首が擦れてじんじんしてきてつらい。

「バイスくん、今日は、その、吸って…もらっても?」

 恥ずかし気に呟き、マークは自らボタンを外してシャツを開く。
 バイスが思っていた通り、乳首はぷっくりとして赤く可愛くなっていた。

「いいですよ」

 マークの望み通りに応え、バイスは乳首に吸い付く。
 お父様からの強制ではない、先生に求められて、自分はそれに応えている。
 インサニア先生の代わりではなく、バイスとして。
 愛撫で蕩けていくマークの表情が愛おしい。
 インサニア先生の前でもこの顔をするけれど。乱暴に犯されるのが好きだから。
 ただの交尾なのに!ただの、ただの…!
 自分はこんなにも、奉仕しているのに同じ顔をするだなんて!

「バイスくん」

 マーク先生の声。彼の手が、背に回る。
 マークに唇を塞がれる。彼の舌が、絡まる。
 求められている―――たったこれだけで、自分の怒りは鎮まっていくのだ。
 マーク先生もちょろいが、自分もちょろいな、とバイスは思った。