正史A

サスちゃんとマーク先生の話

別題:二人の雰囲気を味わう話


 サスペリアにとってマークは素敵な大人のひとであった。
 一番大好きなのはパパであるが、その次(もちろんラクリマのこと)の次にマークがくる。
 何かと気にかけてくれて、ママがいないとき寂しいときに寄り添ってくれた。
 素敵から大好きになる月日の流れに合わせてサスペリアも成長していった。
 ただそれはサスペリアにとってはちょっと良くない気分になった。
 マークより、パパよりデカくなってしまった。

「クラレンスさんと同じぐらいじゃない?」

 マークがサスペリアを見上げて首をかしげる。
 パパの父方にデカい人がいるらしい。
 パパの血筋なら仕方ないのかもしれない。いや、しかし、普通の女の子の平均身長が良かった。

「そうだったか?」
「インサニア、男の人のこと覚えてなさすぎだよ…」
「サスちゃん、大きくても大丈夫よ!良いモデルさんになるから!」

 ラクリマは猫背なサスペリアを抱きしめて頭を撫でる。

「で、でも…わ、わたしお嫁さんになれない…」
「え、大丈夫よ」

 ラクリマがマークの袖を掴み、インサニアがマークの肩を掴む。引っ張る。押し込む。
 マークはサスペリアの前に捧げられた。

「サスちゃんマークさんのこと大好きでしょ?」

 微笑むラクリマ。

「う、うん…?」
「え?え?」
「マークもゴボウ…うっ…サスペリアが好きだろう?」

 ラクリマに脇腹を抓られながら言うインサニア。

「あ、うん…?そうだね…?」
「へぁ!?へぇ!!?」
「結婚しちゃいましょー?」
「「ええーーー!?!?!?」」

 押しに弱い二人は両親公認のため、結婚した。


   ◇◇◇◇


 結婚式は身内のみで行った。
 カルロがマークに裏切り者と言っていたが知ったこっちゃないとマークは思った。
 勝ち組となったマークは上位者なのである。
 家の方はラクリマがサスペリアと離れるのが嫌だ、ということで二世帯で住める邸宅を購入。
 両親がお金を出した、めちゃくちゃ心苦しいが「マークさんを養えるぐらい稼いでるから」と言われるとなにも言えなかった。

「もしや俺は…逆玉の輿というやつでは…?」
「そうなのかしら?ママが勝手にやってるだけよ」

 サスペリアが首を傾げながら言う。
 父親であるインサニアは金に意地汚いが逆にサスペリアは金銭感覚が緩いようである。

「マークさんも遠慮なく欲しいものいってね、ママが買ってくれるから」
「あはは…これでも俺は自分で稼いでるから大丈夫だよ…ありがとうね…」
(ヤバい…サスちゃんの金銭感覚がヤバいかもしれない…)

 ラクリマはちゃんと教育を行っていると思っていたが、こんなところに問題があったとは。
 甘やかしすぎたのだろう。
 サスペリアが我儘で欲しがりな性格ではなく大人しく控えめだったので気づかなかった。

「サスちゃん、これから俺とも買い物行こうね」
「ひゃっ…ひゃいっ!」

 噛みながら返事をするサスペリア。顔が赤い。いつもあがり症だなぁとマークは思う。

「これからもよろしくねサスちゃん」

 サスペリアの手を握って見上げる。

「は、はひぃ…」

 コクコク頷くサスぺリア。伏し目がちになっている切れ長の目はインサニアにそっくりで、この手も女性的で細く長い指であるがしなやかさがインサニアを感じさせる。
 サスペリア自身をマークは好ましく思っている、ちょっと照れやすいところが小さいころから可愛い。
 インサニアの面影を持ちつつ可愛い、最高かも。おそらくラクリマさんも同じ気持ち。

「好き…」
「ひゃあああああ」

 手をマークにキスされてサスペリアは絶叫した。


    ◇◇◇◇


 ある日事件があった。起こるべくして起こったともいえるだろう。
 なにせこの家にはインサニアがいるのだから。軍籍を抜けて病院にも戻らず、個人の診療所を作って適当に仕事をやっているこの男は時間に余裕ができた。余裕を作った。

「あっ」

 サスペリアは思わず物陰に身を潜める。
 廊下のど真ん中でインサニアがマークを抱きしめキスをしているではないか。
 サスペリアの角度からはマークの背中しか見えないが、インサニアがマークの尻を揉んでいる、手つきがいやらしい。
 マークは抵抗を試みたようだが、もうインサニアの肩に手を添えてるだけになっている。
 マークの声が漏れ聞こえてくる、嫌だとか駄目だとかの拒絶の声と甘ったるい喘ぎ声。
 とてもえっちである。父に襲われてしまうのは仕方ないのではないか?と思ったが今はサスペリアがマークのお嫁さんなので。
 サスペリアは気合を入れて廊下に飛び出て駆け寄る。

「父さん、マークさんはわたしのなの~!!!」

 インサニアの腕にしがみつく。縋りつくともいう。

「ひぁっ…サスちゃんっ…!?あの、これは―――」
「邪魔だゴボウ、マークは私の方がいいらしいぞ」
「あっ…」

 首を噛まれてマークは喘ぐ。

「らめ、いんさに、あ…おれは、もうサスちゃんのっ…」
「こいつのものは私の物では?」
「違う…うぅ!!!」

 股間同士が擦り合わされてマークの顔が完全にえっちな状態になってしまう。

「ああー!父さんヤダー!マークさんにえっちなことするのわたしなんだから!
 ママー!父さんが浮気してるのー!!!」
「ははっラクリマはここにはいな――――」

 何やらカッカッカッと高速で走るヒールの靴音。
 近づいてくる。
 そして歌声だ。洗脳の…インサニアが素直にえっちになぁれの歌だ。

「ひぐっ」

 インサニアがマークを離して尻もちをつく。

「あっあ、あぁぁっ」

 全身をガクガクさせながら両手で耳を塞ぐがラクリマの歌声は防げないらしい。

「うっ…」
「ひぁ…」

 マークもサスペリアも座り込む。インサニアほどではないが、とてもえっちな気分に身体が仕上がっていくのが解る。

「♪~!!!!!!」

 歌いながらラクリマが到着する。オペラ歌手なので声量がスゴイ。
 インサニアに向けての歌声であるが、生歌なので関係のないマークとサスペリアにも影響が出ていた。

「あっ…あ…♡」

 全身脱力し、脳が快楽によってぐちゃぐちゃに掻き回されて蕩けているインサニア。

「んもー私がいないと思ったらコレなんだから。もうマークさんは結婚してるんですからね」

 ラクリマはインサニアを引きずりながら寝室へ向かって行く。

「…ま、マークさん…」

 サスペリアはマークの手を握る。マークも握り返してきて、そのままキス。

(あ…さっきまで父さんとキスをしていたから実質父さんとの間接キスでは!?)

 盛り上がってくるサスペリア。
 舌を使い、遠慮なくマークの口内を舐めまわす。
 普段遠慮がちなサスぺリアとは違う積極的な舌にマークは驚きながらも受け入れた。

(首も、父さんの噛み痕が…)
「んぅ、ふっ…」

 噛み痕にキスをしていく。

(サスちゃん、インサニアの跡に興奮してる…?してるよね…お父さん大好きだもんね…)

 それが可愛くて、マークはされるがままになりつつサスペリアの手を引き寄せキスをし始める。

「はぁっ…」

 サスペリアがマークの腰の上から自分の腰を重ねて擦り合わせ始める。
 インサニアのせいで硬くなったナニをさらに服越しで刺激される。

「ふっ、う…」
「サス、ちゃん…」

 マークもサスペリアの腰を持って腰を上げてもっと密着させて擦る。

「ん、ぅっ…ぅぅぅ…」

 ぶるぶると震えあがってサスペリアが軽くイってしまう。

「ごめんね、サスちゃん…インサニアを払いのけれなくて…」
「できないのは解っているわ…」
「うっ…ご、ごめん…」
「父さんえっちだもの。抵抗したってあのえっちな声で囁かれたら誰も抵抗できないと思うの」
「確かに」

 頷くマーク。そこは頷くところではないのだが。

「あのね、だからね、マークさんが父さんに愛された分、わたしも愛してほしいなって」
「それはもちろん」
「体を洗わずに!できれば父さんの体液は零さないように!」
「いやそこは身体洗うね?」
「ええ!?」

 絶望顔のサスペリア。
 間違いがあってはいけないので、そう、間違ってデキたらどうするのだ…。むしろデキようとするかもしれない。
 マークはサスペリアのことをよく理解していた。えっちな方面で。

「サスちゃん」

 マークは身を起こして座り込んだままのサスペリアのオデコにキスをする。

「…続きどうする?しちゃう?」
「ひゃあ…」

 真っ赤になるサスペリア。可愛い。
 マークは微笑みながら可愛いお嫁さんの唇にキスを落とした。


あとがき

サスちゃんとマーク先生が結ばれたらというIF世界線でした。