殺人鬼インサニア

【IF】もしもマークが生きていたら

 インサニアはマークを自室に監禁していた。
 マークに犯罪がバレて咄嗟に突き飛ばして殴ってしまったが、寸前のところで正気に戻り血まみれのマークを隠ぺいするため連れ込んだのだ。
 治療をし、傷も塞がったマークをベッドに縛り付けている。
 知られてしまったので帰すわけにもいかない。
 自室は学習机と本棚とベッドしかなく、窓もない。
 縛っておけば変なことなどできないだろう。
 苛立ちで暴力を振るったがそれが気持ちよくて、インサニアはマークを甚振ることにした。
 生かしてやるにも金がかかる、だからオモチャにしたっていいだろう、そう思った。
 マークを暴行するのは気持ちが良かった。
 涙で潤む金色の瞳が印象的だった。
 泣き叫ぼうが、こんなスラムで助けにくるものなどいない。
 今日はマークを板張りの床に俯せに転がし、その両手を手錠でベッドの柵に繋げている状態だ。
 変なことを考えさせないよう目隠しと猿轡をつけて外部の情報を最小限にしている。
 今はマークを甚振るのが仕事より楽しくなっていた。
 そろそろ医者の仕事も辞めたほうがいいかもしれないと思っている。
 マークにバレたのだから他の誰かにもバレるかもしれないと気づいたのだ。
 色々な後始末が終わり次第、しばらく引き籠ろうと思った。
 亡くなった母のために医者となって金を稼いでいただけなので医者に未練はなかった。
 これからは自分のために時間を使うのだ。

「マルク=レーニ」

 名を呼びながら鞭を振るう。
 女にも振るっていた鞭。今までは手加減していた。マークに対しては思いっきり出来て良い。男は頑丈だ。
 尻や脚を叩いて肌を裂くのが楽しかった。
 マークの苦し気な呻き声を聞きながら何度も打つ。
 初めの頃は失禁もしていたマークだが我慢強いらしく、今は早々漏らすこともなくなった。

「うっ…ぐっ…」

 震える身体。脂汗が浮かび猿轡から漏れる唾液が床に垂れてきている。
 その姿に興奮を覚える。
 自分だけのモノだ。いくらでも傷つけて良い肉。
 男であるのに嫌悪感が沸かないのもいい、丁度いい男。
 血が滲む尻に手を置くとビクりと震える。
 妙に熱っぽい吐息を漏らした気がする。
 そんな態度を取るから―――インサニアはふと、犯してやろうかと思ったのだ。
 白い手袋から薄いゴム手袋に付け替えてインサニアは女に使っていた潤滑油を手にした。



    ****



 マークは意識を戻す。周りが暗い。目隠しをされている。
 頭の打ちどころが悪かったと思い出して手を動かすがガチャッという音と自由を奪われている両手に気づく。
 猿轡もこの時に気づいた。

「マルク=レーニ、目が覚めたか」

 インサニア先生の声だ、と思った。
 カチャカチャと鎖が擦れる音―――瞬間、腕を掴まれベッドから床へ引き摺り落とされた。
 そこからはただなんの言葉もなく蹴られた。
 腹を踏みつけられ、手を押さえ込まれながら顔を何度も殴られた。
 怒っている気配がない理由のない暴力にマークは抵抗するがインサニアは止めない。
 そしてインサニアの気が済めば静かに治癒魔法をかけ始める。
 強引な治癒だ。自然治癒力を高める魔法のため、強制的に治していくやり方は患者の体力を急速に奪う。
 しかしインサニアは気遣うことなくマークに暴力を振るっては治癒を繰り返すようになった。
 食事は水とおそらくパスタ、味が無さ過ぎてよくわからない。
 どうしてこんなことを?と食事中に聞いても何も教えてくれなかった。
 暴力に鞭が使われるようになってからマークは苦しくなった。
 痛い、今まで鞭なんて受けたことが無かった。
 SMプレイのようなものではなく拷問のやり方に近くて初めは失禁までしてしまっていた。
 ただ、裂けた皮膚の上にインサニア先生の手が覆い、治癒をかけてもらっている間は不思議と気持ちが良かった。
 強制的に治癒力を上げて傷を塞ぐ、跡の残るやり方なのに。
 だからだろうか、ある時に痛む尻に手が触れられたとき、思わず吐息が漏れた。期待するような、息が。
 頭がおかしくなっていたのだと思う。
 苦痛ばかりだったから現実逃避を。
 急にインサニアの動きが変わり、窄む尻の穴に指が強引に潜り込んできてマークは震えあがった。
 ローションのようなものを垂らされながらきつく締まっているそこを指が侵入してくる。
 震えるたびに鞭の痛みがじくじくとしてくる。

「ッ!?う、うーっっ!!!」

 身を捩るがインサニアに腰を抱かれてしまう。
 インサニア先生のしなやかに動くあの手が、自分のあそこに触れている―――
 それだけで、マークは顔を赤くして、興奮してしまった。



   ****



 マークが暴れるので腰を抱えて抑え込み、指先で解していた。
 潤滑油は媚薬のような成分が入っている。この成分を濃くしたものは傭兵御用達のドーピングアンプルになるのだが。
 ようはまぁ、あまり質が良いというものではない。安価だが。
 くちくちと粘膜質な音を立てながら指先は浅い部分を解す。
 先ほどまで暴れていたマークは短くも荒い呼吸となって体を震わせるにとどまっていた。
 焦らすのもいいかもしれないとインサニアは思う。
 時間はたっぷりあるのだ。マークが死ぬまで。一生分。
 指先を浅い部分で留めておきながら、もう片方の手で尻や脚の傷を癒し始める。
 綺麗だった肌は酷い傷跡が残っていて、自分のものだと主張が出来ているようで気分が良くなる。

「は、ぁ…」

 深くマークの吐息が漏れる。尻の穴が伸縮を繰り返し始め指を締める。マークは確実に興奮しているのだとインサニアは気づいた。
 治療で興奮しているのだこの男は。潤滑油の媚薬だけでこうはならないだろう。少し気分が高揚するだけなのだから。
 喉の奥で笑いが漏れた。
 指を一気に奥まで挿しこむとマークは悲鳴のような呻きを漏らし身体を硬直させる。
 くちゅくちゅと音を立てて指を曲げ腸壁を引っ掻いたり撫でたり掻き混ぜてマークにこの刺激を覚えさせる。

「指はここまで入れてやるからな?」

 そういって引き抜くときに前立腺をぐりっと刺激してやりながら解放する。

「あぇっ…?あ、?あ…?」

 ねちっこい刺激の後の一番強い刺激に意識を持っていかれながら困惑のマーク。
 マークのアナルは初めて弄られたというのにいやらしくヒクついていた。



   ****



 指を引き抜かれて、マークは困惑する。
 最後のあの刺激が欲しい。気持ちが良かったのに一瞬だったあの刺激―――
 もどかしい。
 ローションに何か混ぜられていたのだろうか、と思う。
 じんじんして、もっと触ってほしいのだ。
 腰をくねらしてしまう、揺らして、アナルをヒクつかせてしまう。
 しかしインサニアはもう触れる気はないらしく離れてしまうのでマークは呼吸を整え落ち着こうと必死だった。
 なのに一瞬であってもあの指の深さを身体が望んでしまう。

(俺、本当に…おかしくなってる…)

 家に帰りたい、職場はどうなっている?誰か気づいてほしい。
 この状態は間違っているから。
 間違っているはずなのに、インサニアに触れられるだけで身体が屈してしまう。

 あの、手が。

 患者でもない自分を触れていると思うだけで、思考が止まってしまうのだ。



 それから暴行はそのままに尻の調教が始まってしまった。
 気が向いたときに指でくちくちと弄られる。
 今日は床ではなくベッドに仰向けに寝かされている。
 折り曲げた脚をベルトで縛りM字に広げさせ固定され、腰も逃げないようにベルトでがっちりとベッドに拘束された。
 太ももの内側がチクチクした。何かを刺されていると思うのだが目隠しで見えないので解らない。
 じんわりとしたものが筋肉に染み込んでいくような感覚がする。左右に1本ずつ。
 筋弛緩かもしれない。感覚がおかしくなってくる。
 インサニア先生がどのような顔をしているのか、マークは知りたい。
 笑ってるのだろうか、無表情なのだろうか。
 解らないというのがこんなにも怖いものなのか、と思った。
 くちくち、くちゅくちゅ…と粘膜の音が大きくなっていく気がする。
 自分のペニスは半勃起状態である。気持ち良いのだ、これでも。
 指の深さも進んでいた。
 今日はもっと進んでいく。腰が逃げれない。

「っ…う、んっ…う…」

 息が荒くなる。猿轡を取ってほしい、息苦しい。
 インサニアの指が自分の身体を弄っている、という今の状況に脳が痺れるような快感に浸っていく。
 もう思考は監禁のせいで鈍っていておかしなことばかり考えてしまうのだ。
 インサニア先生に触ってもらえるのが嬉しい。酷いことをされているはずなのに。
 殴られて、蹴られて、鞭を打たれて…優しく癒してくれる、嬉しい。
 ぼんやりとその甘い快楽に痺れていると背筋がゾクっとする。
 触れられるとダメな部分に指が掠った、それだけでマークの身体は跳ねるがベルトに抑え込まれる。
 インサニアの笑い声が微かに聞こえる。
 指がそこを擦る。優しく、緩く、ゆっくりと。
 気が狂いそうになる、ずっとこんな甘い刺激を、インサニアが飽きるまで続けられるのだ。
 声を上げても言葉にならない。
 逃げることもできない。
 ただ涙と涎を垂れ流していることしかできない。
 あたまがおかしくなる。



   ****



 数日じっくりと焦らしまくってから、前立腺を刺激する快楽を教えた。
 望んでいた快楽にマークは堕ちた。インサニアはマークにディルドを挿入するようになった。
 ディルドで拡張し、エネマグラで前立腺でイかすのを身体に覚え込ませて、あとは様々なおもちゃを突っ込んで遊んだ。
 楽しかった、そのころには鞭を打ったりすることはなくなっていた。
 そしてマークの猿轡をリングを噛ませるタイプにしてフェラを教え始めた。
 教えるというか、オナホのように頭を持って乱暴に動かしているだけなのだが。
 マークはえずきながらされるがままだった。
 喉の奥を突いてやると喜ぶ。突っこめるところまで突っ込んで、精液を流し込んでやるのが面白かった。
 嫌がることなく飲み込んで、催促するように舌がインサニアの陰茎に絡もうとするのが可愛い。
 口内でたっぷりと舌で舐らせてから引き抜いてから、インサニアはマークを床から引き上げてベッドに俯せに押し倒す。
 尻に挟まっているディルドを引き抜き、自分のナニを挿入した。
 すんなりと入っていく。丁寧に拡張をしていったのだから当然だろう。
 初めてのモノにマークは最初は困惑していたが、理解した途端に声を上げて締めてくる。
 その声も艶やかな色気がある声だ。
 締め上げてくる肉壁は解れて柔らかいがガバガバではない、しっかりとした圧迫だ。

「やっと犯されてうれしいかマルク=レーニ」
「あ、えっ…あぁぁ…」
「喜んでるな、お前。こんなに締め付けて腰を揺らしてなぁ。
 私に殺されかけて監禁されてるのに、ド変態野郎」

 ぎゅうううと締め付けが強まるのでインサニアは笑いながら腰を引いて内部が絡む動きを堪能する。
 マークの声は嗚咽のようでもあるが、やはり色香がある。
 しばらく前後に腰を動かしてその締め付けを味わい、パンパンと肌を合わせながら激しくつき始めた。
 手錠で塞がっているマークの手はシーツをぐしゃりと握りしめることしかできない。
 リングの猿轡のせいで口が閉じられず唾液がいつもより流れている。
 そんなマークを見下ろして面白く思うインサニア。

「気持ちいいか?なぁ、否定しないよな?お前、こんなに感じてるのだから。
 私に犯されて嬉しいんだろ?ずっと犯してやるから安心しろ?」
「あっあ、あぁぁ…」

 マークの腰がぶるっと震え、カクカクと震えたと思えば射精していた。
 尻でイったのか言葉責めでいったのかわからないが。
 インサニアも中に注いでやる。
 しかしそれで終わるわけではない。そのまま腰を動かし始める。
 マークが何か喚いていようがお構いなしだ。
 もっと奥まで捻じ込んでいく。閉じられている部分を押し広げるように。そして覚えさせるのだ、自分を。
 ぐっと先端を結腸にまで捻じ込み、悲鳴を上げるマークを抱きしめてそのまま動かず、その締め付けとマークの鼓動を味わう。
 自分のものだ、自分だけが好きにできる、大好きな肉。
 覚えさせる、お前は私のものだと。
 マークも興奮している、息遣いがいつもと違う。
 腹の上から撫でてやる、ここにあるぞと解らせてやる。

「マルク=レーニ…」

 名を呼ぶ。
 マークの耳を噛みしめる。噛み切ったっていい、あとで治せばいいのだ。
 柔らかい耳を堪能して首筋に噛みつく。
 血がにじむ。血が甘い。汗が美味しい。不思議な感覚がする。他人の体液なんて不潔なのに。不快なはずなのに。
 腰に回した腕に力を込めてもっとナニを押し込もうとする。これ以上は無理なのに、もっと繋がっていたい衝動が止まらない。
 激しい打ち付けもしていないのに、そのままマークの中で達してしまった。
 相手は男なのに、不快感がない。
 自分も頭がおかしくなったのかもしれない、インサニアはそう思ってしまう。
 マークのペニスに触れても嫌悪がないから乱暴に扱いてしまう。
 他人のナニを扱くなんてやったこともない、初めてだ。
 マークの中がまた蠢いてくる。気持ちいいのだろう、扱かれて。
 もうこのままでいい、ずっとこうしていたい。
 不覚にもまた精液が競り上がってきてマークの中に流し込む。
 馬鹿みたいだった。こいつを孕ませたいとでも思っているのか、この身体は。
 それもいいかもしれない。
 インサニアは気が済むまでマークから離れなかった。



    ****



 マークのことは上手いこと処理し、仕事も退職してインサニアは自由となった。
 だからずっとマークの身体を甚振っている。
 今日は後ろから犯し抱きしめて乳首を捏ねまわしている。
 乳首も弄り続けているので少し肥大化している気もする。毎日見ているので解らない。
 乳首を摘まみ潰して捏ねると悦ぶ。尻が締まるので解りやすい。
 マークの目隠しと猿轡は変わらず付けさせている。
 なにも見なくていい、なにも喋らなくていい。
 食事の時に喋ろうとすれば殴って黙らせている。

「マルク=レーニ、淫乱なやつだよな。お前は。胸で喜んで」

 囁いて形の歪んだ耳たぶを噛む。ここは興奮しすぎて噛み潰してしまったのでそのまま治した。なので形が歪んでいる。
 自分が壊した跡が残るのが、とてもいい。
 だから目なんて合わせたら目玉をえぐり取りそうだし、会話なんてしたら舌を切り落としてしまうかもしれない。
 手も拘束しているのは抱きしめられたら腕を切り落とす気がするからだ。
 母から与えられたものと同じものを与えられるのが怖いから。



   ****



 もう頭がおかしくなっているのかも。
 マークはインサニアに抱かれながら思う。
 自由のない生活だから、インサニアから一方的に与えられる刺激のみの生活は頭がおかしくなる。
 インサニアが囁く言葉は愛情と罵倒が混ざっている。インサニアが与えてくる刺激も痛みと快感だ。
 どうしてこうなってしまったのか、解らない。

 インサニアの顔が見れればな、会話ができればな、目を合わせてたり抱きしめ合えれば通じ合えるのに。

 インサニアが熱いものを中に注ぎ込んでくるのでマークの思考が途絶える。
 気持ちがいい、直腸より奥の、はいっちゃだめなところを抉じ開けられて、覚え込まされた快楽は気持ちが良いのだ。
 インサニアの囁く声はえっちで、でも脳はインサニアの言葉を理解しない。
 罵倒され続けていたからもう何を言われてもいいや、となってしまう。
 ずっとこの快楽が続けばいいのに。
 そしてそれが本当にずっと続くかどうか解らない不安に心が押しつぶされそうになる。
 飽きたら捨てられてしまうのではないかという不安。恐怖。
 インサニアから一方的に与えられているだけだから。
 捨てられたら自分はどうなってしまうのだろう。
 もう、この身体はインサニアなしじゃダメなのに。
 怖い、捨てられるのが怖い。
 急になにも与えてくれなくなる日がくるかもしれないのが、怖い。



あとがき

もしインサニアがマークを殺していなかったらこうなっていたというお話。
これマークそのうち動けなくなってしまうんでしょうね…。運動できてないし栄養失調で。

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