我儘
「キュルテン!」
べちっ
飛び掛ってきたマリアの顔は振り下ろされた教科書に直撃する。
「いったぁぁぁい!!!何するのよ!」
「うるさい、お前は友達と遊んできなさい」
「先生ヅラしないでくれる?友達なんかいないわよ、何なのよ急に」
マリアはすごく不機嫌そうな顔でキュルテンを見上げてくる。
その顔を見てため息を吐くキュルテン。
「お前な…こっちの身にもなってみろ」
「?」
「…女にはわからないよな」
再び長い長いため息。
「私が魅力的すぎて興奮するってこと?それは正常なことだから気にしなくていいじゃない」
「お前が気にしろって言いたいんだよ私は!私に犯されても知らんぞ!」
「キュルテンにそんな根性ないもん」
即答されて肩を落とすキュルテン。
確かに手を出そうなんて血迷うことはないだろうが、あんまりだ。
マリアに背を向け立ち去ろうと一歩踏み出すが、マリアが腕を掴んできた。
「キスは?」
「もうしてやらん」
「解ったわよ」
マリアは肩にかかった黒い髪を払いながら呟く。
やっと諦めてくれたか…と一瞬思ったがやっぱり違ったようだ…。マリアは次の言葉を呟いた。
「ようは抜いて欲しいんでしょ?やってあげるわよ。まったく世話のかかる男」
「誰もそこまで言ってない」
「う・る・さ・い・! 来なさい!!!」
キュルテンを引っ張って人のいない場所へ向かったのであった。
小等部と中等部の校舎は屋上への扉が鍵をかけられており、特別なことがない限り開くことはない。
それが理由であまり生徒は近づかない。もちろん扉の手前でたむろするヤカラもいるが。
人がいなければ死角になる場所である。
「いないわね」
人がいないことを確認し、マリアは扉の手前まで上ってキュルテンを座らせると被さるように抱きつく。
「っ……」
いつも通りのキスを始める。マリアも流石に慣れてきたので自ら舌を絡めてきた。
キスをしながら、マリアはキュルテンのベルトを外していく。
「はぁっ…」
顔を離し、紅く潤んだその唇をナニに這わせ始める。
「んっ…ん?」
舌で舐めながらマリアは視線をキュルテンの方へ持っていくと、キュルテンは冷めた顔であった。
「ちょっと!なんで色気のない顔してんのよ!!」
「マリアが下手なのが原因かなー」
「感度悪いっていってるでしょ!」
「咥えるぐらいの勢いでやって欲しいんだけど」
かぁっと顔を紅くするマリア。
「なんで咥えなきゃいけないのよ…アンタなんか舐めるだけで十分よ」
「じゃあ上手に舐めて欲しいなぁー」
「だからっ!そっちの感度が最悪なのよ!!!」
頭を抱えるキュルテン。
「…わかった、じゃあこうしよう。マリアに入れさせてくれ」
「い、イヤよ!!!」
耳まで真っ赤にして叫ぶマリア。
「ママのために取っておきたいの!!」
「ママって…?」
「……」
顔を真っ赤にしたまま、涙ぐんで俯く。
妙な所で貞操を守る…おかしな娘だ。
「わ、わかった。前はお母さんのために取っておこうな?じゃあ…えーと、あぁ後ろでもいいけど私は」
「後ろ?後ろ……なら、いいかな……」
少々戸惑いながらも呟くマリア。
後ろに対しては抵抗はないようだ。おそらく父親で見慣れているからであろう。
「でもハっ…ハジメテ…だから…キュルテンの入らない、かも……」
「慣らせばいけるんじゃないか?…よくわからんけど」
「慣らすって…? むぐ」
キュルテンの指が口の中に突っ込まれる。
「とりあえずたっぷり濡らして」
「あうぅ…」
キュルテンの指をしゃぶる様に舐め始めるマリア。
指を引き抜かれると、マリアはキュルテンに抱きついた。
「変なところ触っちゃダメよ」
「はいはい」
マリアはそのまま動いてくれそうになかったので、キュルテンは抱きしめるように腕をマリアの後ろに回して下着の中に手を侵入させた。
そして後ろの方を濡れた指で弄り始める。
「んっ…」
ピクンピクンと震え、感じているらしいマリア。
「尻で感じるのか」
「そ、そんなことあるわけないじゃない…!」
「でも気持ちいいんだろ?」
「…~~~ッ!!!」
マリアはキュルテンの胸元に顔を埋めてパシパシとその胸元を叩く。
苦笑しながらキュルテンは指を動かしていった。
感じやすいマリアのそこは次第に解れてくる。
「そろそろいいな…」
「ぁっ…」
指を抜かれてぷるぷる震えるマリア。
「マリア、行くぞ?」
マリアを寝かしながら問いかけるキュルテン。
「うぅー…」
不安げな表情でマリアは大人しくキュルテンのされるがままであった。
しかしキュルテンのナニが尻に押し当てられたとき、マリアはいきなり起き上がる。
「やっぱりダメーーーー!!!」
「えぇぇぇぇぇぇぇー!!!?」
「そんなの入らない、絶対入らないもん!!」
涙をぽろぽろこぼしながら立ち上がるとマリアは階段を駆け下りていく。
ぱんつがずり下がったままなので走りずらかったのかコケてしまうが、すぐ起き上がりぱんつをきっちり履きなおして去っていく。
「あ…また放置かあのガキィィィィ!!!」
かわいそうなキュルテンであった。
◆◆◆◆
「ユミル…」
「あらマリアさんどうなさいました?」
夜、こそこそと部屋に入ってくるマリアにユミルはのほほんとした口調で問いかけてきた。
「ちょっと相談したいことがあるの」
「まぁ珍しい、どうぞお座りになられて」
マリアはユミルの前に出された座布団の上に座って声を潜めた。
「誰にも言っちゃだめだからね」
「何ですの?」
「…あのね、感度の鈍い男がいるんだけど良くなる薬とか何かそういう類のモノもってない?」
「感度の鈍い男?まさかマリアさんに彼氏ができたんですか?」
「彼氏じゃない!全然違う!!!!」
顔を真っ赤にして叫ぶマリア。
「はぁ…もしや…相手の感度が悪いんじゃあなくて、マリアさんがヘタだという線じゃございませんの?」
正解を引き当てるユミル。 ○学生のクセに鋭い。
「煩いわね!あいつが感度悪いに決まってるじゃない!」
「宜しいですわ、少々お待ちください」
クスクス笑いながらユミルは薬品が並んだ棚から薬を取り出してくる。
「マリアさんはルナさんにやり方を教えてもらった方が言いと思いますけど…」
「いいの!!なんでルナに教えてもらわなくちゃいけないのよ!」
「ふふふふふ、この薬は飲ませても塗ってもいい薬ですの。」
マリアをスルーして説明を始めるユミル。
「塗った場合はその部分周辺の感度が上がって、飲めば全身の感度があがります。
飲んだ場合は少し効いてくるのが遅いですわ」
「ふーん」
薬を受け取り眺めるマリア。
「なんでこういうの作ってるの?」
「趣味です」
「……私の周りって変態ばっかり」
「あら、変態だなんて…」
ニコニコ微笑むユミル。
何を言っても切り返されそうなのでマリアはさっさとユミルの部屋から出た。
(薬に頼るっていうのはどうかと思うけど…キュルテンが悪いのよキュルテンが!)
キュルテンのあの目を思い出してムカムカしてくるマリア。
子供扱いしてマリア様を完全にナメている。
ここは一つマリア様がキュルテンより上であるということを身をもって教え込まなくてはいけないのである。
あとまたあんなマヌケな終わり方にならないためにも…。
◆◆◆◆
薄暗い路地裏。高い建物に挟まれ通路は行き止まり通り抜けもできない。
そんな通路は広くはなく、薄暗い。
薄暗い闇の中で何かが蠢いていた。
低い声を漏らしながら、血なまぐさい匂いを漂わせて。
男と女であった。
女は赤く染まり、男は黒ずくめで黒い手袋を嵌めて、手にナイフを持っていた。
そのナイフで女の首を深く切り込み、溢れ出す血に口づける。
「はぁぁ……」
恍惚に満ちた男のため息。
「キュルテン」
「!!?」
いきなり名を呼ばれて、男は立ち上がる。
男の紅い目が…キュルテンの暗視の目が声をかけてきた方へ向く。
「ガルバか脅かすなよ…」
「死姦を楽しむのもいいけど、これ落ちてたよ」
ガルバは薄っぺらい笑みを浮かべたままキュルテンにケータイを差し出す。
「あ……」
血の気をなくしながら、携帯を受け取るキュルテン。
「うっかりさんなのが悩みどころだね」
「すまない。気をつける…あれ、メール…?」
血塗れた手で携帯を扱うキュルテン。
メールはマリアからであった。こんな時間に呼び出しとは一体どういうつもりなのか。
いったん家に戻って体を洗ってから向かうのも時間がかかりすぎる気がする。
「マリア嬢からお誘いのメールかい?」
キュルテンが固まっている様子から気づいたのか、ガルバはクスクス笑う。
「ザンバジルが嫉妬しちゃうな」
「黙っててくれ」
「わかってるさ」
背中から翼を生やすガルバ。
「それじゃあ、わたしはこれで。気をつけて帰るんだよ」
空へ飛び上がっていく。
最初の頃は、ガルバはどこか人間離れしていて人間らしく思えなかったが今はそうでもない。
重い感情を内に秘めた男だ。
兄であるハンスとガルバの因縁を知ってしまった今、ガルバに何か手を貸してやれないかと考えてしまう。
しかし何もしてやれないだろう、自分よりガルバの方が優秀である。
「…さて、このまま行くか。仕方が無い」
キュルテンは携帯とナイフを仕舞い、トントンっと跳び上がりながら建物の上へ上りあがった。
こんこん こんこんこん
窓を叩く音。
マリアは窓に映る人影に気づいて慌てて窓を開けた。
「こんばんわ」
キュルテンだった。
しかしいつものキュルテンではない。
全身黒ずくめであり、普段のオールバックはボザボザで顔が髪で覆われている。
これが本来のキュルテンの姿なのだとマリアは察した。
「靴脱ぎなさいよ」
「…すまん」
靴を脱いで部屋に入るキュルテン。
「すまないが…風呂を貸してくれないか?」
「お風呂を?」
「ちょっと泥だらけになっちゃってな」
眉を顰めるマリア。
血の匂いをさせているからだ。
「血生臭い」
「っ…」
「いいわ、ついてきなさい」
マリアは特に深く聞いてこなかったので、キュルテンは内心ホっとした。
こういうところのマリアの気遣いはありがたい。
マリアに連れられて脱衣場に着くと、いきなりマリアはキュルテンの服を脱がしにかかった。
「自分で脱ぐ!」
「騒がないでよ、他の人が起きちゃうでしょ」
服を全て回収するとマリアはそれらを洗濯機に放り込む。
「洗っといてあげるわよ、ケティさんに内緒でいっつも洗ってるんでしょ?」
「うん。マリアって意外と優しいところあるんだな」
「親切にしてあげてるだけよ!さっさと入れ!!」
マリアに怒鳴られ、キュルテンは風呂場へ入っていく。
「……途中だったのかしら」
鞘からナイフを抜きながら呟くマリア。
そのナイフは血で汚れていた。
よく見ると携帯も血で汚れている。
「…私の相手なんか後回しでもよかったのに。」
呟きながら、マリアはタオルで汚れを拭い取り始めた。
薄く赤色に染まった水が排水口に向かって流れていく。
キュルテンは頭からシャワーを被り、ぼんやりとした表情を浮かべていた。
(そういえば何の用で俺を呼んだんだ?)
今更の疑問だが、もしマリアが何か企んでいるんだったら無理にでも脱出を…。
「髪型が違うと雰囲気も違うのね」
「マリア!!!!?」
胸にタオルを巻いたマリアが入ってきて思わず声を上げるキュルテン。
「背中流してあげる」
「結構だ!」
「言うとおりにしないとパパにいいつけるわよ」
「うっ…」
そういわれると従うしかない。
マリアは何か怪しい小瓶を手にしながらキュルテンに命じる。
「座って脚を広げなさい」
「何その羞恥プレイ」
「いいから!」
顔を紅くしながら吠えるマリア。
しぶしぶ従うキュルテンの前にマリアは立って、小瓶の蓋を取る。
「それは一体…」
「キュルテンを素直にさせる薬よ」
「一体どこでそんなモンを手に入れたんだ…」
マリアは瓶の中にある液体をキュルテンのナニへ垂らし始める。
冷たい。マリアの暖かい手が薬を馴染ませようとナニを扱き始めた。
「っ…」
一気に熱くなってくる。
「気持ちいい?」
「あっ…ッ……」
キュルテンは手で自ら口を塞ぐ。
かなり効いているようだ。さすがユミルの薬。
マリアの舌が這い始めるとキュルテンの脚が大きく震え始める。
(これは反則的に効き過ぎてるわね…まぁいっかキュルテンだし)
硬くなって熱いナニを扱きながら思う。
先端を舐め始めると、その刺激に耐え切れなかったのかイってしまった。
「ちょっと!もう少しガマンしなさいよ!ムードがないじゃない!」
「お、お前ッ…なぁッ…」
肩で息をしながら、キュルテンはマリアを睨む。
「自分の身でも味わってみろ!」
「え!?ちょっと待って!!!?」
キュルテンに押し倒されるマリア。
キュルテンは薬を暴れるマリアの尻に垂らし、アナルへ馴染ませるように指で弄り始めた。
「やっ…お尻はヤァッ……!!」
身を硬くするマリアだが、尻を弄られる刺激にぷるぷると震えていた。
「キュルテンのばかぁっ…!」
「マリア程でもないと思うがな」
指を引き抜き、ナニを当てる。
「力を抜いた方がいい」
「そんなこと言ってもっ…あっ…んぁぁぁっ……」
捻じ込まれて声を上げながらガクガクと震えるマリア。
「お、おっきぃ…苦し……ッ……」
「じきに慣れてくるから」
愛撫をしながら、優しい声で呟くキュルテン。
それで幾分かマリアも落ち着いたのか、次第に力が抜けていく。
「動かすよ」
「うん…」
動き始め、マリアは薬によってもたらされる強い刺激に身悶えた。
「キュル…テン…!」
「マリア?」
キスをする。
濃厚で長い長いキスを。
そのキスを合図に二人は激しさを増した。
◆◆◆◆
あれ以来、キュルテンの殺人は止まっている。
血の欲求はあることはあるのだが、その前に性欲がついてきていない。
殺人を犯す分の性欲をマリアに吸われているのだ。
といってもマリアも女の子、毎日ヤる体力はないが。
「ん…ぅ……」
マリアのベットに縛り付けられているキュルテン。
手錠はわざわざ取り寄せたのか対強化人間用の手錠で、キュルテンでも外し壊すことができない。
そして目隠しに猿轡…これは雰囲気を出す為だとかなんとか。
ただ単に裸を見られたくないのと、余計なことを言わせないためであろう。
「あっ……ん……」
キュルテンの上に跨って自ら腰を動かすマリア。
彼女はキュルテンを逆レイプしていた。
母親に近づく為にワンステップ進んだことになるのだろうか。
しかし強引なところはあるがやってることは普通なので何だか可愛い。
(…いつ飽きるんだろう、これ)
こんな状況に喜ぶことはなく、キュルテンはただただマリアの我侭に付き合うのであった…。
END
↓↓↓当時のあとがき↓↓↓
マリアかわいいよマリア
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