幻想ちゃんのチョコの話
幻想はヨーヨーがいっぱいいる森に来ていた。
目指すはゼンマイにあげるチョコを作ること!
斧を持ってムフーッと気合十分な幻想。
しかし…
「オラオラオラオラオラァ!!!!」
「ていやーっていやーっ」
恋する乙女たちがヨーヨーを虐殺していた。
「……」
彼女はカートをコロコロと引きつつ後退。
もう少し別の場所でヨーヨーを探すことにした。
と、突然ヨーヨーが草むらから出てきた。
幻想は斧を振りかざすが………。
きらきらきらきら…
ヨーヨーの目がとっても愛くるしい。
気を取り直して幻想はカートレボリューションを…
きらきらk…
「……」
カートから手を離し、幻想はヨーヨーに歩み寄り、しゃがみ込んだ。
レッツ・アイコンタクト。
しばらく二人の間で不思議なコンタクトがあったのだろう。
ヨーヨーは突然鳴き声を上げる。
「!」
のっそりと黒い猿…ボス格のチョコが現れた。
またまた幻想はアイコンタクト。今度はチョコと。
しばらくしてチョコは近くのヨーヨーに何か言うと、そのヨーヨーは奥に下がり…そして戻ってくると、チョコレートを抱きかかえ込んでいた。
受け取れお嬢さん…と言った目をするチョコ。
ありがとう…そんな目をしたような気がする幻想。
チョコレートをカートに詰め込んでもらい、幻想はプロンテラの酒場に行く。
そこにパティシエがいるのだ。
「え?自分で作りたいの?」
パティシエ職人は困惑したように問う。
幻想は手振り身振りジェスチャー。
「なるほど、分かったよお嬢さん」
パティシエに教えられながら手作りチョコを作る幻想。
彼女は自分の手でチョコをデコレートしたかったのである。
いわゆる幻想オリジナル。
そうして出来上がるとパティシエ職人にペコリと礼をして、るんるん♪とゼンマイの待つ宿屋に向かう。
ゼンマイの待つ部屋のドアを開くと――
ガーーーン!!!
ネジを撒いて貰っていなかったせいで機能停止し床に倒れているマジシャンのゼンマイがいた。
慌ててカートの中からネジを取り出し、彼の背中に差し込むんでキコキコ撒き始める。
パチッと目を開くゼンマイ。
「あ、おはよう幻想。どこ行ってたんだ?」
ゼンマイはコキコキと首を鳴らしつつ呟く。
幻想はカートからチョコを取り出してくる。
「え?手作りチョコ?オレに?」
コクコク頷く幻想。
「あ、カードついてる」
チョコの包みを開けると小さなカードが入っていた。
それを開いて読む。
そこには『がんばってつくりました! ひこげんそう』と、ひらがな文章が書かれていた。
「ありがと幻想。」
感動で目から冷却水が零れてくる。
「美味いよ」
テレてるのかエヘヘっといった感じに頭をかく幻想。
そこでふと、カートの中にまだチョコがあるのに気づく。
「…ん?もう一個あるけどソレって?」
何気なく聞いただけのゼンマイだったが、幻想は真っ赤になってそのチョコをカートの奥に隠す。
「あ、あぁ…お兄さんにあげるのね…」
耳まで真っ赤にしてコクコク頷く幻想。
「もしかして、オレに味見させて美味しかったらお兄さんにあげる…なんて考えてなかったよね」
「………」
「え!?考えてたの!?」
「………」
エヘヘといった感じに頭をかく。
「こういうトキは誤魔化してよ幻想ぉぉぉぉ!!!」
泣くゼンマイ。
聞く方が悪い…そう幻想は思った。
意外としっかりしてる不思議ちゃん幻想。
……兄がヘタレだからかもしれないが。
おわり
↓↓↓当時のあとがき↓↓↓
幻想&ゼンマイ小説に初登場。
幻影はこの後貰ったそうです。
↑↑↑ここまで↑↑↑