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セカンド居住区域の廊下をジェミニはスタスタと歩いていた。
「おやジェミニくん。またクラッシュのところかい?」
たまたま通りかかったメタルが声をかける。
しかしジェミニは無視してメタルの横を通り過ぎた。
「クラッシュはいないよ。フラッシュたちと外へ遊びに行っちゃったからね」
「…」
足を止めるジェミニ。
「…あんの旧型ぁぁぁぁぁ!!!人との約束覚えとけよぉぉぉぉ!!!」
ガッガッと近場の壁を蹴り始めるのでメタルはどーどーと言いながらジェミニの肩を掴んで引き寄せる。
「おやつのケーキまだ少し残ってたから、それ食べて待ってて」
「…いいでしょう、我慢してあげます」
大人しくなるジェミニ。
さっきはあんな態度だったが、普段メタルの前では一応丁寧な言葉使いをする。
「さぁ、行きましょうメタルさん?」
(マグネットがジェミニくんのことお姫様って呼んでる理由が解るなぁ)
マスクの下でクスクスと、メタルは小さく笑った。
ジェミニは甘いものが好きだ。
本人はそのことを否定しているが、どうみても甘いものが好きだ。
今だって幸せそうな顔でケーキを頬張っているのだ、これで嫌いなわけがない。大好きなはずだ。
ジェミニがココに通うようになったのはクラッシュとちょっとしたことがあってからである。
それ以来ジェミニはクラッシュに惹かれるようになり、やってくる。
クラッシュはもともと深く考えないタイプなので何も考えることもなくジェミニを受け入れていた。
「ジェミニくんはクラッシュのこと好きなの?」
メタルは疑問に思っていることを聞いた。
とくに深い意味はない、恋人だろうがセフレだろうがどう付き合っていこうがそれは本人たちが決めることだ。
ただジェミニもクラッシュも危うい部分がある。
人間に例えれば病んでいるとでもいうのだろうか、しかし戦闘用ロボット、とすれば完成した人格だ。
クラッシュは破壊することに抵抗を感じていないし、ジェミニは破壊することに悦びを感じてしまっている。
戦闘用ならそれでいいが、二人がお互いを潰しあってしまう危険性もあるのだ。
いけない方向へ進んでしまうのは兄として止めなくてはいけないし、それが兄としての義務だと思った。
「……」
ジェミニはメタルに視線を向ける。
「別に。」
「でも性行為はしてるよね。理由があるはずだよね?」
「…好きだから、それでいいじゃないですか理由なんて」
ニッコリ微笑むジェミニ。
「それで納得できないのでしたら、そうですね…俺の本能を満たしてくれるのがあの旧型、ということです。」
「本能か…」
「そう、俺にしかわからないことです」
「クラッシュを不幸にしたらお兄ちゃん許さないからね!」
「そんなの知りません」
しれっと応えるジェミニ。
「ケーキのおかわりはありますか」
「図々しいなジェミニくんは。今度お土産を持ってきなさい」
「ケチくさいですね。美しくないですよ」
「守銭奴がいるからな。ウチには」
◆◆◆◆
クラッシュの部屋にて。
「ごっめーん!フラッシュがウッドと一緒に森に行くっていうから鳥を見たくなって一緒についてっちゃったー」
満足そうな笑顔でクラッシュはジェミニに言う。
「連絡いれろこの旧型!」
「クラッシュって呼んで?」
「頭の足りねぇヤツは旧型で十分だ!」
「あっはっはっ!俺の電子頭脳とお前の電子頭脳比べられると俺のが容量すくねーから仕方ねーな!」
「そういう意味じゃないっ!!!」
「まーまー、怒るなよー」
クラッシュはドリルアームをジェミニの背に回して引き寄せつつ、キスをする。
「あ、甘い。」
「んっ…」
クラッシュは味わうようにジェミニの口内に舌を入れる。
「っ…ん、…っ……」
ジェミニがクラッシュの舌に自分の舌を絡ませながら、腕をクラッシュの背に回す。
ヤって解ったことだが、クラッシュは手先は不器用だがキスは上手だった。
手が不自由だからその分そっちが器用になったのだろうか。
「おい、旧型…」
「んーもうちょいキスしてたいなー」
「……解った」
「こういうときだけ言うこと聞いてくれるよなーお前」
「それは気のせいだ」
「そう?」
再びクラッシュはキスをする。
ジェミニは我慢できないのか、クラッシュにしがみ付き、下半身をクラッシュの脚へ擦り付けて来る。
素直に別の場所を触って欲しいと言えばいいのにいえないのだ。
ジェミニの目には涙が溜まり始めていて、今にも零れ落ちそうになっている。
グっと脚を動かして股間を強く擦ってやると呻き声を漏らしながら腰が振るわせる、その反応が面白い。
「っ…くらっしゅ、キスは、もういい、いいから…」
クラッシュから顔を引き離し、口端から透明なオイルを垂らしながら言うジェミニ。
「いいからなんだー?」
「おま、解ってるくせに…」
「言って欲しいんだよ。」
「っ…」
「あははは」
クラッシュは笑いながらジェミニをベッドへ押し倒し、そのまま顔を股間のあたりへ近づける。
「あっあぁぁ……」
クラッシュがボディスーツ越しに舌でナニがある部分を刺激する。
「んー、舌よりこっちのが好みかな?」
ドリルの先端で突付く様に刺激する。
「!?」
ジェミニの反応が大きく出た。
びくりと震え上がり、身を仰け反らせる。
「ジェミニ、こういうの好きだもんなぁ」
「ひっ…」
ぐり、と先端を押し付けられ小さな悲鳴を上げる。
しかしジェミニは抵抗らしい抵抗はしない。
腰と、脚が震えているが、恐怖からではなく興奮からの震えだ。
クラッシュは力の加減を間違えないように慎重にアームを動かし、先端にボディスーツを引っ掛けてひっぱり、
そのままドリルを一回転させて破った。
「うっ…ぅぅ……」
「ドリルの音で興奮するとか変態だよなー」
言いながらクラッシュは勃起状態のジェミニのナニへ舌を伸ばした。
ジェミニは手で口元を押さえ、声を出さぬようにしている。
そんな仕草が可愛く思えて、すこし意地悪してしまいたいと思うのが男のサガ。
クラッシュはぐい、っと今度はドリルの先端をジェミニのベルトに引っ掛けドリルを回転させる。
「あ、あぁっ…!?」
ぶちっと引きちぎられ、そのままドリルがジェミニの腹部擦れ擦れに迫る。
「はははっ」
クラッシュはもっと近づけ、ボディスーツを巻き込み、人工皮膚を浅く抉った。
「ひっああああああ!!!?」
「痛い?ヒリヒリする程度だって大げさだなぁ」
ドリルを止めて、クラッシュはジェミニのナニを見る。
今のでイったらしい、廃油でどろどろだ。
「ジェミニのマゾっこ」
「ちが、びっくりしただけだ…」
「今更言い訳すんなって俺とお前の仲だろ?ドリルでイっちゃうマゾですって言ってみ?」
「っイヤだ」
「じゃあもうちょい苛めようかな~。なぁ、そろそろオレのも舐めてくれよ!」
「くそっ…」
悪態をつきながら、ジェミニは身を起してクラッシュのズボンへ手を伸ばす。
「あ、口でしてほしい。全部」
「はぁ!?」
「オレいつも口でやってるじゃん。あれみたいに」
「バカじゃねーのお前」
言いながらジェミニはクラッシュの股間に顔を埋めるように近づけ、口でファスナーを降ろす。
「んっ…」
取り出したナニにしゃぶりつくジェミニ。
「ジェミニえろい。なーなー、サードのやつらともヤってるの?どんなことしてるの?」
「…やってない。黙れ旧型」
「やってないの?だから溜まるんだよ」
「……」
「あ、オレみたいに乱暴なヤツいないから満足できないんだろ。ジェミニはマゾだから大変だな」
「ちが、う…お前喋るな、集中してろ」
「んー、じゃあ気持ちよくなるー」
「んぐ!?」
クラッシュはアームでジェミニの頭を押さえ込みながら腰を動かし始めた。
「んぶ、っ、ぐっ…!!!」
喉の奥まで突っ込まれ涙を溢しながらジェミニはクラッシュのズボンを握り締める。
「ジェミニの口気持ちいーなー。とりあえず出してやるからな」
「んぐっ!!!」
「飲める?あ、溢してるな」
ぐぐっと頭を押さえたまま排出するクラッシュ。
いきなりそれを流し込まれたため、ジェミニは目を白黒させながら咽るているようで、ごぽごぽと廃油が溢れてくる。
「げほっ…おぇっ…」
ジェミニを引き離すと、ジェミニは泣きそうな顔で咳き込み始めた。
「お前の口気持ちいーからもう少しだけヤろっかなー」
「ひっ!?」
押し倒され、クラッシュが馬乗りになって再びジェミニの口へナニを突っ込んだ。
クラッシュはジェミニより体重がある。
逃れられない。
「っ…~~~~~~!!!」
ジェミニの脚がバタつく、手でがりがりと脚や腕を引っ掛けられる。
しかしクラッシュは頑丈だ、そんな抵抗は無駄に等しいし、クラッシュが喜ぶだけだった。
2,3回出した頃にはジェミニは抵抗もしなくなり、悦んで犯されるようになっていた。
「おー、飲んでる飲んでる」
何度目かの排出、ジェミニがごくんごくんと飲み込んでいる振動が伝わってくる。
ジェミニの表情は恍惚としたもので、目は熱に犯され虚ろだ。
チラりと背後をみる。
ぷるぷる震えているジェミニの脚。露出したままのナニはイっていたらしく、廃油がとろとろと流れていた。
「わー、お前口に出されてイっちゃうぐらいにマゾか。面白いな」
「っ…う、うぅ…」
解放されたジェミニは呻きながらも、クラッシュの廃油を口からこぼさぬように手で押さえ込む。
「っあ…はあぁ…」
ごくり、と飲み込んだ後深く息を吐くジェミニ。
「もっとくれクラッシュ…」
クラッシュに腕を回すジェミニ。
「腰立つか?」
「だいじょうぶだから…俺は大丈夫なんだ、まだいけるんだ…」
ぼんやりした顔で答えるジェミニ。
クラッシュはジェミニを抱き上げ―――ドリルアームなのでジェミニを支える、と表現したほうがいいかもしれない―――
そのまま自分の腰の上へ降ろさせる。
今度はジェミニがクラッシュの上に馬乗りになる形だ。
「あはは、クラッシュ、俺を抱けるんだぞ。光栄に思え!美しい、この俺をっ!お前は壊せるんだ…!!!」
「おー、こーえいこーえい。ジェミニはどんな姿でも綺麗だぞ?」
「だろう?綺麗だろう?褒めてやる旧型…お前だけなんだからな…」
ジェミニは顔をゆがめながら腰を上下に動かし始めた。
「っあ、っ……くらっしゅ、もっと欲しいんだ、もっと……」
ジェミニはクラッシュのアームに手を伸ばす。
「ん、どこを開けて欲しいんだ?」
「どこでも、どこでもいいっ…!!!」
「ん…」
ドリルを回転させるクラッシュ。
「っぎああああああ!!!!」
ジェミニの手を貫く。
彼の中がぎゅうぎゅうと締め上げてくる。
「あーーーっ!!!!」
自由な片手で顔を覆うようにしながらジェミニは声を上げる。
その目は大きく揺れ動いて、今彼が酷く強い快感を得ているのが解った。
「ほらジェミニ、動いてよ」
「あっひ、あぁぁ……」
口元を笑みの形へ引きつらせながら、ジェミニはクラッシュに命じられるがまま動く。
「た、りない、こんなんじゃ足りない…!!」
「欲張りさんだなジェミニは」
◆◆◆◆
サードの居住区にジェミニがたどり着くと、スネークが待っていた。
「メンテいくんだろ?直してやる」
「…ん」
足を引きずっているジェミニ。
マントのようにして布を身体にまとっているため、どういう状況なのかわからないが随分と傷つけてきたらしい。
「お前は死にたがりなのか」
メンテ室で、スネークはジェミニの身体を見て呟く。
「死にたいわけじゃない。そうじゃないんだ…」
「あまり派手にやるとマグが怒るな」
「…黙っててくれるんだろう?スネーク」
「……」
ジェミニは笑みを浮かべてスネークを引き寄せる。
「スネーク?」
「…」
ジェミニが唇を重ねてくる。
スネークは応えるように舌を伸ばした。
あぁ、クラッシュも味わっているのかこのジェミニの舌を―――
そう思うと酷い嫉妬心が沸き起こってくる。
「んぐっ」
ジェミニをメンテナンス台に押さえ込み、スネークは長い舌を利用して喉の奥まで攻める。
クラッシュの跡を消してしまいたい、そう思う。
「んあっ…すねー、く……」
「直したら、抱いてくれる?」
「いいぞスネーク」
「じゃあ黙っとく。…もうクラッシュのところには行かないでくれ」
スネークの呟き。
ジェミニは笑みを浮かべたまま、何も応えず再びスネークにキスをした。
「俺、ジェミニが理解できない」
スネークはぽつりと呟く。
「ぶっとんだオニイサマ方の考えることなんか理解できてたまるか」
フラッシュが応える。
「そんなに心配なら縛って監禁でもしとけ」
「出来ることならしますよ。でもあいつ結構力あるんすよ」
「まーそれはお前がヒョロいだけだな」
「ひどっ!」
「お前も俺も一生あいつらのこと理解できねーだろうな。」
「そうなんですか」
「あぁ、ジェミニは死にたがってるんじゃなくて逆だろ。生への生還に快感を覚えてるんじゃないか?
その擬似的な感覚をクラッシュを使って体感してるだけってことだな。
クラッシュはその辺理解してないだろうからヘタすると死ぬだろうが。
心配なら俺からクラッシュにヤるなっていっておこうか?」
「ぜひ、殺さないようにいってくださいよ」
「うっかりヤるかもしれんけど」
「うぐぐ……どうすりゃいいんですかぁー!」
「知るか」
「先輩の薄情モノー!」
「ぶっとんでるやつに関わりたくないだけですぅー」
「そっちはいいですけどこっちは生死の問題が!!」
「知らん知らん」
END
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