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 ジャイロはとぼとぼと基地内の廊下を歩く。もう自室に戻って眠りたい。仕事に疲れた。
 しかし最近眠れないのだ、強制的にシャットダウンして誤魔化しているがそれでも電子頭脳はお疲れモードである。
「おかえりジャイロ~!」
 キラッキラ☆の笑顔で現れるスター。疲れるので出会いたくもなかった。疲れるので。
 ジャイロはスターの横を素通りしていく。
「無視しないでくれる!?せっかく出迎えてあげてるのに!」
「なんでお前の顔を見ないといけないんだ、キツい」
「キツい!?!?このイケメン顔で癒されてくれないかな!?」
「キツいんだよなぁ」
 ジャイロは足を止めず進み自室に入る。スターもするんっと侵入してくる。ネコか?
「何の用だよ」
「クリスタルから君が眠れてないようだから様子みてあげてって言われてさ。私の顔で癒すことしかできないけど」
「露骨な嫌がらせなんだよなぁ」
 ジャイロは後でクリスタルに腹パンでもしてやろうと心に誓う。
「帰れ。お前の顔見ながら寝れるわけないだろ」
「癒しが足りないと。じゃあこれでどうだ!」
 スターはベッドに腰かけているジャイロの横に座るとそのまま抱きついてマスクの上にキスをしていく。
「おい!?」
 身を引くジャイロだがスターは離れず、そのままジャイロのマスクを奪って唇を重ね合わせた。
 スターの舌は入ってこない。啄むようなキスが少しもどかしくも思えてジャイロは自分が正気ではないことに気づく。
「なんのつもりだ」
 引きはがしてスターを睨む。
 スターはきょとんとした顔だ。
「キスは癒されるんでしょ?どう?私のプロ級のキスは」
「あんなんで癒されるか。」
「えぇ!?」
「お前のそういう綺麗なところがキツいんだよ!キスってぇのはこれぐらいしろよな!」
 ジャイロはスターを引き寄せてキスをする。舌を捻じ込んでのディープなキスだ。スターの舌は自分と同じものだと思うのだが妙に柔らかく感じて、おかしいな?と確認するように念入りに舌を絡ましたりしゃぶったりしてしまう。
 ジャイロは疲れからかだいぶ認識能力が低下していた。
「はぁ、なんかお前…俺の舌とちがわね?」
「そんなことないよ、一緒だよ…」
 顔を真っ赤にしながら答えるスター。
「うう、ジャイロと…セックスしてしまった」
「待て。何?」
「舌を絡ませるのはセックスなんだよ、知らなかったのジャイロ?君は無自覚どすけべ野郎かい?」
「お前は無知野郎じゃねーか。なんだそれ、認識を改めろ。これはセックスじゃねぇよ。てかセックスがこれということは?本当のセックスをしらないのか?マジで?お前の性欲どこにいってるの?そのキラキラしてるエフェクトが性欲?」
「こんなに喋ってるジャイロ初めてみたわ。寝たほうがいい真剣に」
 スターは真剣な表情でジャイロを押し倒す。しかしジャイロはキスで昂ってしまっていたし、スターのセックスへの認識に対してのショックがありすぎた。眠れるわけがない。
「こんな魑魅魍魎がいるDWNの中でそれは不味いぞ、絶対食いつぶされるぞ。ストーンとかに」
「ストーンの好みは私と真逆だから寝て」
 ストーンの好みはガテン系である。スターとは逆だ。それよりもジャイロの仲間への認識が酷かったことを知りスターは心を痛め…いやこういうヤツだったなと再認識にとどまった。
 スター自身、キスがセックスなのか~と興味が無さ過ぎてそんな感じに覚えていただけなのである。ロマンスに生きる男は性欲ゼロの男であった。
「どうせ眠れないんだ、付き合えよスター」
「は?」
 立場逆転。スターは引き込まれベッドに俯せに倒れる。その上にジャイロが陣取った。
 タイツを無慈悲に引き裂かれる音がする。
「ちょっと待って!何破いてるんだ!弁償しろよ!?君の使用済みじゃなくて!」
「洗濯してるから一緒だろ」
「ちがうもん!一緒じゃないもん!」
「なんだお前、しっかりセックス用のパーツつけてるんじゃないか」
「ちが、それはこの前メンテナンスの時にクリスタルが替えのパーツがこれしかないからって…!!」
「やっすい不良品か…?まぁ確かめればいいな」
 ジャイロは指を受容口へねじ込んでいく。
「ひぃっ」
「ん?」
 透明な潤滑油がとろとろと指の隙間から垂れてくる。顔を顰めるジャイロ。
 浅いところで指先を曲げたり回す様に撫でたりするとスターは声を上げながら身悶え腰を突き出してくる。
「…あぁ、不良品だなこれ。感じないとかじゃなくて、感じやすいやつ」
「クリスタルぅぅぅ!!!!!」
「あとで一緒に腹パンしにいこうな。やべーなお前、指で突いてるだけだぞ。」
「やめてよジャイロ!こんなの私望んでないからァ!!!!やぁ、あっぁぁぁ!!!」
 指の数を増やされて悲鳴を上げるスター。
 もうぐじゅぐじゅと卑猥な水音が聞こえる。
 スターの顔も蕩け始めていた。ジャイロは指を引き抜く。受容口はくぱくぱと引きつっていていやらしい。
「おらっスター、これがセックスだぞ!」
「やぁぁぁっジャイロと本当のセックスしてるぅぅぅ!」
 一気に貫かれて潮を吹くかのように結合している部分から大量の潤滑油が流れてくる。
「ハハハハハッ!!気持ちいいみたいだがもっと気持ちよくなるからなぁ!」
「ひぃ、ヤだよぉこれ以上気持ちよくなるのヤダぁ…!」
 腰を打ち付け始めるジャイロ。疲れているところにこんな感じになってしまったのでもう本能で腰を振ってるようなものであった。
 スターは未経験であり、奥をごつごつと叩かれるのがとても気持ちよくなってきてシーツをぐちゃぐちゃに握りしめながら悲鳴を上げる。
 そしてジャイロの熱い廃液が中に注がれてスターも絶頂に達した。
 ずるりとジャイロのナニが抜かれ―――ジャイロは突っ伏した。意識がない、シャットダウンしたようだった。
「えぇぇぇぇ!そんなぁ、まだ足りないよぉジャイロ!無責任すぎる!相手を満足させてよぉぉ!」
 スターはジャイロを揺さぶるが起きない。
「ばかばかばか!」
 スターはジャイロの上へ馬乗りになってポカポカ頭を叩く。
「こんなにして!君、私をこんなにした状態で寝るとか…!!」
 スターはジャイロの指の動きを思い出しながら、眠るジャイロの上で自分の指を動かし慰め始めるのであった。



    ◇◇◇◇



 まどろんでいた意識が覚醒していく。
「んぁ?」
 口元が熱い。というか自分は一体何を舐めているんだ?とジャイロは疑問に思った。夢うつつの状態でなにやら押し付けられた柔らかい感触に舌を這わせていて―――
 スターの股であった。
「んぅ!」
 ぎゅっと押し付けられて声が出ない。
「おはよ~~~~ジャイロォ?」
「ふぁ!?」
「君ねぇ、私を鎮めないまま寝るとか鬼畜だよ!私が眠れなかったんだから!鎮めてよ、ずっと治らないんだよ!」
「んぅ、う、ぅ…」
 ジャイロはスターの太ももに手をかけながら舌で懸命に奉仕し始める。なぜだか溢れてくる潤滑油の味は嫌ではなかった。
「あ、ぅっ…ぁぁ…」
 ジャイロの顔の上で腰を揺らしながら色っぽい声を漏らすスター。
「ひ、ぅっ…」
 短い悲鳴を上げながら全身を震わせる。イったらしい、ジャイロの顔がびちゃびちゃになった。
「…神経回路を切れ」
「あ」
 ジャイロに言われて根本的対処法に素直に従う。
「…切っておけばこんな苦労…いやでも、やっぱりジャイロが悪いよ!」
「えぇ~…そんなパーツ付けたクリスタルだろ悪いの」
「みんなが悪く見えてくるね」
 スターがすさんでいる。
「…なんだろう、一発抜いて寝たせいか頭がスッキリしている気もする」
「ストレス溜まってるんじゃ…?そのうち体壊しそう、オーバーホールしてもらったほうがいいよ」
 スターはベッドから降りてため息を吐く。
「こんなに汚されちゃった…」
「次からはもう少し丁寧に犯してやろうか?」
「できるのぉ?」
「俺は紳士だぞ」
「ほんとぉ?」
 疑惑の目のスター。信用されていない。
「じゃあ今晩もヤってやるよ」
「解った。シャワー借りるよ」
 シャワー室にいってしまうスター。
「……なんで今日もヤる流れになった?」
 ジャイロは手でまだ濡れた顔を覆いながら呟いた。だいぶお疲れである。

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