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輪潜水を書こうとしたら輪のオナニーを骨が眺めてるだけの話になってしまった。
 健全な男の子は性欲を自前で発散するものである。
 ただ扱いて出して終わりではない、オカズを吟味し色々シチュエーションなど考えたりなんかして!挑むのである!!
 リングも健全な男子故、自室で発散していた。ニートだから暇だったとかではない。
 ニートではない、ただ今日は護衛の仕事が入っていないだけで。スカルと二人でお留守番だけれども。
 そうスカルという何考えているのかよくわからない不思議元末っ子ちゃんがいたのをリングは失念していたのである。
「……」
「……」
 見つめ合うリングとスカル。
 スカルはドアの隙間から覗いている。リングはベッドに腰かけて一発キメたところで止まっている。
 ゴムをちゃんとつけているので無残なことにはなっていない。掃除するのが悲しくなるのでゴムは必須である。
「あ、あの…?」
 呻くように声をだすリング。
「続けて」
「無理だ阿呆!!!」
「遠慮しなくても見ていてやる」
「なんで入ってくるの!?!?!?!?」
 不思議ちゃんの行動がよくわからない。リングは完全にテンパっているが。
「暇だからお前のオナニーに付き合ってやるよ」
「いいよ付き合うなよ!!!!でていってくれ!」
「俺とお前のニートの仲だろう。遠慮するな。ところで誰を妄想しながら?」
「ンンンンンッ!!!!!!」
 頑なに自分の意思を曲げないという強さを感じてリングは唸る。
 本当に意味が解らない。むしろ死んだ目で見つめられるのがすごく怖い。えっちなことに興味があるんですオニイチャンみたいなノリだったらまだセーフ…いやそれはそれで気味が悪い。どっちに転んでも気味が悪くなるのはスカルの能力なのかもしれない。
「えっちなことに興味があるから教えてくれオニイチャン」
「棒読みですねぇ!!!!!!」
 リングは天を仰ぎながら叫ぶ。
 もうだめだ、逃げられそうにない。
「―――ダイブで、抜いていた」
「うっわ」
「引くなよ!聞いてきたのはそっちなのに!」
「どんな妄想してたんだ?」
「ひぇ…そこまで聞くの?…いや、そんな深くはないんだけど…俺、ガタイのいいやつを下に敷くのが好きだから」
「素直に変態で好感が持てる。俺も凌辱は好きだ。お前みたいな自信家を下にして犯すのが好き」
「お前今日から俺の後ろに立つなよ」
「本命はミハイルだ」
「………え?」
 一瞬誰?とか思ってしまった。博士の名前ではないか。リングはスカルを見る。
「…本気のセックスするとミハイル死んじゃう」
「に、にんげんだもの………と、とにかく萎えたから今日はここまで。解散」
 ごそごそと片付け始めるリング。
 スカルの告白は考えないようにした。精神衛生上それが望ましいのだ。
 そう、スカルのことを思えば自分はなんてちっぽけなのだろう。ダイブのケツで抜く妄想ぐらいさほどどうでもよくなる。
「勝手に終わらすんじゃねぇよ。おら、こっちこい」
「なに!?なに!?!?」
 スカルに抱き上げられて運ばれるリング。
 どこに向かうのかと焦ったが、なぜかスカルはダイブの部屋に遠慮なく突入し(鍵をかけていない無防備さにリングはこの時は泣いた)リングをベッドに投げ込むとすかさず覆い重なって首筋に接続コードを差し込んでくる。
「ひっ!?」
 流れるような展開にコードからの有害なパルスを拒絶できなかった。そのまま全身がゾクゾクとした不快感に襲われていく。
「そのまま馴染んでくるからな」
 スカルは言いながらリングを俯せにし枕を抱きしめさせながら腰をあげさせた。
「目を閉じてみろリング」
「ふぁ…?」
 言われるがまま目を閉じる。そこは暗闇ではなくもう一つの世界が見えていた。明らかに幻覚だ。
 目の前に蕩けた表情のダイブが居た。そのダイブに自分は重なって―――
「ッああぁ」
 リングの腰が快楽によってガクガクと震えあがる。
「気持ちいいだろ?ダイブの中。ほら、好きなだけ腰振れよ」
 スカルはリングの腰を軽くたたきながら言う。
 リングは喘ぎながらガクガクと腰を振り始めた。その姿はなかなか滑稽でスカルは大満足だ。これが見たいだけでリングにちょっと怪しい電子ドラッグをドーピングしたのである。
 リングはマスクを外して枕に噛みついている。ダイブの味を堪能してほしいとスカルは優しい気持ちになった。
「ふっ…う、ぅぅぅ……!!!」
 しばらくして、先ほどまで自慰をしていたせいか早めにリングは達してしまう。
 廃液がダイブのベッドや枕を汚していく。
「ひぅっ…ひっ…イイ…これぇ…イィ…」
「犯してるはずなのに犯されてるみてぇな顔なんでしてんだ…まぁド変態は気に入ったかこれ」
 コードを引き抜くとリングはぐったりと沈んだ。
「………俺の痴態みて喜んでるやつもド変態だと思うんですがね?」
 なんとか復帰するリング。しかし体はぷるぷるしているが。
「でも良かったろ?」
「ダイブのいないときにダイブの部屋でお前とこっそりこういうことするのは大変よろしゅうございました………」
「どういたしまして。俺もお前の痴態をもっとみたいからこれからもエスカレートしていこう」
 リングの手を握りしめるスカル。玩具を逃がさないぞという強い意志の表れだ。
「うっそだろ。これからが始まりだったのか…」
「ダイブにバレるまでやろう…。バレたらバレたでダイブに実践すればよくないか?」
「なるほどな、実践すればいいな」
 リングは少しドラッグの影響が残っているらしい。堂々と犯罪を受け入れている。
 そうしてしばらくしたあとリングは「実践よくねぇよ!!!?」と正気に戻ってスカルに怒鳴り込んだりもしたが、えっちなのは大好きなのでこっそりこういうことはし続けたという。

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