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 ギア事件後、ロックマンとの交流は続いていた。
 ヒューズの場合はペットつながりで、ロックにワットたちを見せて顔を緩ませるロックを眺めるのがヒューズの楽しみとなっていた。
「かわいいねー」
 遠慮がちにウサギのワットを撫でるロック。
 あまり刺激してストレスを与えないように、という配慮だろう。
 そういう気遣いがヒューズには嬉しかった。
「ロックマン」
「なぁに?」
 屈んでいるロックは顔を上げてヒューズを見上げる。
「好きだ」
「え?うん、ありがとう。僕もヒューズ好きだよ」
「…お前を触ってもいいか?」
「い、いいと思うよ?」
 嫌とも言えず、口数が少なすぎてヒューズの意図が読めないロックはとりあえず頷いた。
 ヒューズの手が伸びる。
「頭部に触れる」
「うん」
 わしわしと頭を撫でられる。手つきがワットを撫でるときのそれだ。
 ヒューズのもう片方の手がロックの頬を撫ではじめる。
「……」
 ヒューズは目を細めて顔を近づけてくる。
「え?え?」
 焦って身を引くロックだが頭をがっちり掴まれていて逃げられない。
 そのままヒューズの…頬が接触した。
 ふにふにふに…とお互いの頬触れ合って低反発している。
「―――充電完了」
 満足そうな声色で呟くヒューズ。
「うん、よ、よかったよ…満足してくれたみたいで」
 ロックは頬を赤く染めつつ、自分を落ち着かせるように声を絞り出した。

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