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「…逆、でいいんじゃないかな?」
「…はい?」
ツンドラの呟きに、憔悴しきった様子のトーチは首をかしげた。
「トーチに主導権を持たせるから僕はこのエレガントな身体を無茶苦茶にされてしまうんだよ。
だから僕が最初から主導権を握ってればよかったんだ。うっかりしてたねぇ。直せばいいやって思ってたよ」
「つまり…?」
「僕に身を任せてってことさ!」
二人、というかトーチがセックス事情に悩んでいた。
どうやってもツンドラの体を破壊してしまうのである。
ツンドラの耐久力の低さも原因ではあるが、だいたいはトーチの自制心がどっかにいってヤりすぎるのだ。
ツンドラは気にしていないがトーチがかなり悩み、深刻になっていき、もう完全に憔悴していた。
セックスでそこまで思いつめるのも器用なものだなと他人事に思っているツンドラの心などトーチには解らない。
「こうやって縛ってしまえばいいのさ」
言ってツンドラはトーチの両腕を後ろ手に拘束する。
ただの縄ではなく、ツンドラの後頭部から生える装飾と同じ材質で作られた鎖だ。
これ背中につけてたやつの残りを加工してね…などと説明を受けたが、いまいち彼の過去の姿がぼんやりしているトーチには解らない。
そうして膝を折って俯せになる、というかそうならざるおえなかった。
「トーチはここ、はじめて?」
「あ、あたりまえだろ!今までこういうことしてるのはお前だけなんだから!」
「そっかー優しくしてあげるねー」
ツンドラはそういいながらトーチの排泄口を指で触れる。
「…いけるかな…たぶん大丈夫、うん…」
「…?」
トーチは視線をツンドラに向ける。
「あ、トーチ…君の中にこれいれるからね」
「はっ…?」
ツンドラの股間についているものが、記憶と一致しないサイズだ。
「折角だからと思って前のサイズと取り変えてきたよ。古いけど機能するから安心して!」
「デカくないか!?」
「君自分のサイズ思い出しな!僕より腰回り太いんだから文句いわない!」
「そういわれると…ひっ」
ツンドラに腰を押さえられて、ナニが押し付けられるのだが冷たくて思わず腰がビクついた。
「ま、まてツンドラ…」
「ヤダよ」
「ひぎっ!!」
引きつった悲鳴を上げながらツンドラの冷たいナニに身悶える。
「あ、ぁぁ!つめ、たっ…つめたい、痛い!」
「大丈夫だって!擦ってれば摩擦熱でてくるでしょ。君のなかいつも通り熱いよ?そんなに冷たい?なら温めてね」
「ひぅっ」
****
ツンドラの呼吸に合わせてリズミカルに打ちつけられる音が立っている。
「はぁ、とーち、溶けそう…君の中温かくて気持ちイイ…ほら、ここ、好き…」
トーチの太ももに手を添え引き寄せるように持ち上げながら奥を擦る。
「ひっ…ひぃっ…」
トーチは地に頭を擦りつけながらガクガクと体を痙攣させてツンドラのまだひんやりとするそれを締め上げる。
それがたまらなく良くて、ツンドラは廃油を注ぎ込むのだがトーチはそれを虚ろな目で受け止める。
冷却材だ、注がれるたびに熱を奪われる。
暴走とは違う意味で意識を狩り取られそうになる。
いつもなら、ツンドラの中はきもちよくて、たまらなくきもちよくて―――
あの感覚を思い出すと背筋がゾクゾクしてくる。
「うふふ、トーチきもちいいよ?」
ツンドラは気持ちがいいらしい。
自分は冷えて冷えて凍てつく中が痛い。
そういえばツンドラは熱されて苦しく痛いと言っていた。逆転してしまっている。
「つん、どら…口、くちで、する…から…もう、中…やめてくれぇ…」
「え?そう?疲れた?」
変な気遣いをしながらツンドラはトーチの中から引き抜く。
そしてトーチのマスクを外し、その口にまず愛おしそうにキスをしてからナニをぶち込んだ。
「ぉごっ…ぉ…!!」
結構容赦なく奥まで捻じ込まれる。
逃げようにもがっちりと頭は抑えられていて、そして両腕は縛られたままなので抵抗できない。
冷たいアイスキャンディを奥まで突っ込まれているような感覚。
「あっつ…トーチの舌、熱くて、イイねこれ…好きだよ…」
「ぅっ…ぅ、ぅ…」
嗚咽のような呻きを漏らしながらトーチはツンドラにされるがままだ。
人間だったら窒息していたかもしれない。
トーチの目は完全に虚ろで、涙の様に冷却水が溢れ流れている。
「うん?トーチ?」
ツンドラはトーチの様子に気づいて一度達してから口から引き抜いた。
「っあ…ぉ…」
「どうしたのトーチ?」
「さ、むい…」
「寒いの?そんなに寒くなるものかな…まだ君温かいけど…ちょっと過敏になってるんじゃない?」
「ひっ!」
再び押し倒されてトーチは首を振る。
「待て、やめ、っ…つめたいのやだ、つめたいのはぁ…!!!」
「大丈夫だって!落ち着いて、ほら、冷たいのが気持ちイイんだよ!」
「ひぎぃ!」
「気持ちいいね、きもちいい!言ってごらん!」
「ぎっ…つめたっ…」
「トーチ?」
「きもち、いいっ…!つめたいの、きもちいい…!!」
「でしょ?ほらここも冷たくて気持ちイイねぇ?」
「~~~~ッ!!!!」
今まで触れられてもいなかったナニに、ツンドラの冷え切った手が触れて扱く。
その強烈な刺激にトーチは仰け反り、痙攣を起こしながら今日初めて果てたのだった。
****
「一つ解ったことがあるよトーチ」
ツンドラはハチミツをいれたホットミルクを作りながら呟く。
「君は冷えると目が死ぬんだねぇ…燃えてる時は獣なのに今剥製みたいな目になってるよ…はい、温まって」
「…」
素直に受け取り飲む。
正直体内にまだツンドラの冷却材が残っているのでどうにもならないのではあるが、心は少し回復する。
「ツンドラ…仕返しじゃないよな…?」
「そんなわけないだろ。仕返しならもっとロシア流でいくよ。長けているからねその辺はね」
「怖…」
「も~~早く温まりなよ!大人しい君ってなんだか気味が悪いからさ!」
ツンドラはトーチをぎゅっと抱きしめる。
「ごめんよ、僕の冷却棒がこんなにも効くとは…冷ましていれば普通のセックスできるかなって思ったんだけどね…」
ツンドラもトーチ同様加減が出来ない男だったようである。
「なんか僕たち前途多難じゃない…?このままだと子供作れないかもね?」
「ごほっ!ごほっ!」
「やだなぁ冗談だよトーチ。」
「びっくりした…本気かと思った…お前ってなんか突拍子もなく妊娠してきそうだから…」
「待って、君の中の僕ってどういうことになってるの…?」
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