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擬人化の方でらぶらぶちゅっちゅかいたから反動が来ました。
発破酸のつもりでかいたんですけどね、これただのいつもの電波だったね。
ギア改造受けて気がおかしくなってるのは確か
 溶かすこと。
 それが本題。
 素早く溶かす?ゆっくり溶かす?どのように溶かす?焼けるように?装甲から?それとも電子回路から?
 色んな実験をしないといけない。
 色んな実験をしていきたい。
 色んな溶かし方をしていきたい。
 色んな物を溶かしていきたい。
 色んな者を溶かしていきたい。

 バシャバシャと水音がする。

 なんて下品な音。
 押さえつける。喚く声は何を言っているのか頭に入ってこない。
 溶ける音が聞こえてくる、良い音。
 しかしこの薬液は溶けはじめるのが遅い。もう少し濃度を上げるか調合を変えなくては。
 俺は彼を掴んだままプールの奥へと引きずり込んだ。
 底の方が濃度が濃くなっている場合もあると思い立ったからだ。
 彼の顔は霞がかかったかのように見えない。
 どんどん溶けていく。素体が剥き出しになっていく。装甲も溶けて、あぁ…ただのスクラップだこれは。
 俺は大切に大切にそれを抱きしめた。ただのスクラップ。




 目を開く。天井が見える。
 アシッドは自分が薬液プールの中で寝ていたことを思い出す。
「夢…」
 彼はこのプラントに来たことなどない。
 出会ったのはいつだった?最近だったような気がするが記憶が混濁している。
 ともにギアの改造を受けて、そしてどうしたか…よくわからないが、とにかく実験だ。
 実験がしたい。
 何でもいいから溶かしたい。
 色んな感情がぐちゃぐちゃに混ざって良くわからない。
「ヒ、ヒヒ…」
 気持ちばかり高揚している。
 プールの中へ沈む。
 高揚を抑えることなどできなかった。



    ◆◆◆◆



「へぇ、アシッドさんのところは薬品を扱ってるんですか」
 ブラストは何故か嬉しそうにいうのでアシッドは首をかしげた。
「主に洗浄用の薬液が多いが。なぜ嬉しそうにする」
「仕事上発破を扱ってるんですけどね。その関係で少し。
 アシッドさん引火性の薬品とか詳しいんじゃないかって思って。俺出回ってる火薬なら解るんですけど他はほら…」
「あぁ、企業内でしか扱わない物もあるしな…俺も少々しかわからないが」
「少しでもいいですよぉ!この定期検診終わってからアシッドさんのところへ行ってもいいですか?」
「そうだな、恐らく問題はないと思うが」
「やりィ!よろしくおねがいしまーす!」



    ◆◆◆◆



「盛大にィー!!!」
 ブラストは笑いながらギアで増幅した力であたりを爆破させていた。
「あー、これだねぇ!これがいいねぇ!」
 誘爆のあとの大きな爆発―――轟音。
 大きな観覧車が崩れ倒れた。
 ブラストは満足げに一頻り笑ったあと真顔になる。
 何かが違う。なんだろう、この感覚。
 違う、欲しいのはこれではなかった気がする。
 なんだっけ?何かぽっかりと抜け落ちてしまった気がする。
 そういえば自分はどこかへ行こうと思っていたはずだが、どこへ行こうとしていたか。
 何のためだったか。
 大切なことだったはずなのに。
 爆発は自分を楽しませるため…そうだっただろうか?いやそうだった、そうだったはずだ、そうでないといけない。
 でも心の中でこれは違う、求めている物ではないと否定している。
 でも頭の中では爆発欲を満たしたくて満たしたくて。そう、満たせば良いのだ。
 満たして、満たして、そしてきっとその先は満足を―――
 静寂。この静寂を知っている。

「…線香花火」

 線香花火が終わった後のあの静けさ。

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