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 サーチスネークが持って帰ってきた情報をスネークは淡々と慣れた手つきで処理している。
 そんな彼の背中をフラッシュはぼんやりと眺めていた。暇だった。
 サーチスネークが集めた情報は膨大だ、地形を徘徊しながらのデータ収集ゆえに要らないものも多く含んでいる。その中からスネークは必要な情報を抜き取って整理していくのだ。自分がもしそれをやれとメタルあたりに言われたら発狂して殴っているかもしれない。それほど面倒な作業だ。
 この優秀な後継機に対してフラッシュは果たして先輩面を続けていいのかと負い目を感じている。慕ってくるのでそれなりに対応をしているが、それはいつまで続くのか、という不安に駆られる。
 正直、彼…スネークが自分を慕ってくれるのも謎に思っている。果たして自分にそこまでの価値があるだろうか?
「先輩、暇ですか?サーチスネーク貸しましょうか?」
 スネークが声をかけてくる。
「こっちでいい」
 フラッシュはそう答えて スネークのだらんと垂れた尻尾の先端を摘まんだ。
「えっち。セクハラですセクハラ」
「スキンシップだろ」
 尻尾はくねくねと揺れながらフラッシュの指に器用に絡む。それを可愛がりながらフラッシュはスネークを見る。
「どこか行くか?寒くなってきたし南国とか」
「えー、別にいいですよぉ。そうだ、先輩はコタツ出してきてください。俺はミカン買ってきますから」
「ただの冬支度じゃねーか」
「いいんですよそれで。暖かいし」
「ふーん」
 気のない返事をしながら、フラッシュはしばらくスネークの尻尾を撫でた。
        
  
 
 
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