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 サターンは「うっわぁ…」と心の中で呟きながら引きつった顔で二人を見ていた。
 アースとサンゴッドが何やら話し込んでいる。
 うん、それだけならまだサマになっているのだが手にしている雑誌がいけない。
 低俗な雑誌を見ながら吟味している、これはマズイ流れである。
「あ、あのー…サンゴッドさま?アース隊長?」
「あ、サターン。どうしたのじゃ?」
「何の用だサターン」
「いやえーっと、何してんスか?」
「……」
「……」
 サンゴッドとアースはお互い真顔で目を合わせ、雑誌をスっと隠す。
「第二次地球征服の計画を」
「うそですよね!?明らかにそういう話してなかったですね!?いかがわしい雑誌でしたよ!?」
「チッ」
「うわ神に舌打ちされた」
「賢い部下も問題じゃの。まぁバレてしまったなら仕方がない。
 サターン、どのパーツに興味ある?」
 笑顔になってサンゴッドはさっき見ていた雑誌を出してくる。
 いかがわしいカタログ雑誌である。
「そいやぁ!!!」

 バリィ!!

「ギャアー!神の書物が粉砕されたぁー!」
「何が神の書物ですか!600ゼニーぐらいだろうが!!」
「これ2,000ゼニーしたもん!」
「高ッ!?無駄使いふざけんな!!!!」
「き、貴様サンゴッドさまにふざけんなとはなんだ!我々は真剣だ!!!」
「隊長は入ってこないでください!俺が負ける!!」


   ギャーギャーギャーギャー


「ハァー、ハァー…と、とにかく我らはお前のためと思って…。
 この数ある大人のおもちゃの中からなんか面白そうなのないかなって思ったのじゃ」
「好みがあるなら貴様の意見を取り入れようかと思う」
「もっと他の娯楽で遊べ!!!」
 ダンッ!とテーブルを叩きながらサターンは叫ぶ。
「えー、だって吾は大人の遊びがしたいのじゃー」
「サターン、神の言うことが聞けないのか?」
「地球じゃそういうのパワハラっていうんですよ。
 もうそういうの止めて下さいね。遊びませんからね??
 そういうのマーキュリーとかでいいじゃん」
「あいつは手馴れてて可愛げが無い。お前は生娘みたいでかわいい」
「でしょう?」
 サンゴッドに誇らしげに反応するアース。
 サターンは肩を落とす。だめだこの隊長。
 逃げよう。
 リングをくぐるサターン。
「あぁ!逃げたぞアース!」
「は、お任せを!」
 アースは両手を振り下ろす動作をする。
 不可視レーザーをばら撒いたのだ。
 地球規模のサイズならば惑星全体を覆うことが出来る。
 これでサターンが接触すれば居場所がわかる。
「……あれ、いない?」
 今度は目を閉じて集中する。
「…む。無意識下の接続も切ってる。」
「ということは次元の狭間で篭城ということか?」
「異空間での活動は時間の問題かとは思いますが。
 まさか正気をなくすまで篭ることもないでしょうし。
 その間に準備を進めればいいかと思います」
「うむ!」

「アース、何かあったのか?蜘蛛の糸がブワーってきたけどー」

 不可視が唯一見えてしまうマーキュリーがやってくる。
「サターンが家出した」
「あぁ、家出できるようになったんだ。進展してんじゃん」
「マーキュリーよ。サターンはどのようなパーツが好みかわかるか!?」
 新しい雑誌を手にして話に入ってくるサンゴッド。
「あぁ…家出した原因がわかってしまった…」
 頭を抱えるマーキュリー。
「アース、サンゴッドさまを止めろよ」
「何故だ?」
「お前がそういう反応だからサターンが困惑するんだろ…。」
「おかしいな、神に愛されるのが何故困惑する理由に…」
「価値観の違いってやつ。まぁいいや治らないだろうし。
 すっげぇエグいのにしようぜ。あいつマゾだし」
 悪魔マーキュリーも加わってしまった。




    *****



「ウアアアア…もう無理、やっぱ無理」
 ズルりとリングから出てくるサターン。
「走馬灯みたいなの見えた、ヤバかった…もうちょっとで無に還る所だった」
「戻ってきたかサターン。待っていたぞ」
「げぇ!隊長!!」
 背後にアースが立っていた。
 サターンが出てきた瞬間に感知して飛んできたのだろう。
「その中に隠れることはないだろう?」
「だって隊長から逃げるのはここしかないですし」
「まぁそうだが…。そんなに嫌なのか?」
「嫌というか、恥ずかしいんですけど」
 サターンは頬を赤くしつつ答える。
「あの、アース隊長がサンゴッドさまのこと敬愛してるのは解ってるんですけど。
 恥ずかしいもんは恥ずかしいというか」
「ふぅむ?そういうものか?」
「そういうもんです」
「私にはよくわからないな…」
(羞恥心なさそうですもんね…サンゴッドさまに似て)
「何か失礼なこと考えただろ」
「いえ別に」
「まぁいい、さっさと来い。サンゴッドさまが待ってるし
 今回はマーキュリーも参加してしまった」
「え…えぇぇぇぇいやああああ!!!!」
「諦めろ」
 嫌がるサターンを掴んで、アースは跳ぶ。


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