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【ウェーブさんがジェミニに絡まれる話】
ジェミニがペンギン好きすぎる
ぐだぐだ
マスクレス注意
「ほら行くよウェーブ!」
「いやだああああああ!」
ウェーブがスターに引きずられていく。
「あれは一体なんだ…」
目を細めてジャイロは疑問を呟く。
「サードの方へお使いに行くんですが、スターは何かとジェミニさんに絡まれてしまいますからね。
あれはイケニエです」
クリスタルが答えてくれた。
「あぁ、なるほど。可哀想になぁウェーブ」
「まったくですねぇ」
「助けようとしないお前らが憎いぃぃぃーー!!」
ウェーブは嘆きと共に消えていった。
「サードとは」
「関わりたくないし」
あとでオイルあげるからね、と心の中でジャイロとクリスタルは思った。
サードは苦手であった。
セカンドの方はまだいい、言い方が宜しくないが「単純・明快・解りやすい」の3つが並ぶ。
しかしDRNとDWNの合いの子のせいなのか、サードの面子は癖が多い。
まず雰囲気がセカンドとは違うし、どことなく内側へ向かっているコミュニティも問題だ。
「ふふふふふ…」
「……」
ウェーブは無心を心がけた。
スターがお使いを終わらすまでそんなに時間は掛からない。
真横でジェミニがずっと笑っていて恐いが無心でいれば…無心でいれば…
「ペンギンさん、紅茶はいかが?」
「んぅぅ……」
ウェーブはぷるぷる震えながら嗚咽のような声を上げて首を左右に振る。
ジェミニは何故かウェーブのフォルムを見て「任天堂製のペンギンさんだ!」と叫び気に入ってしまったのである。
そしてこうやってぬいぐるみのように可愛がられる。
「せっかく淹れてあげたのに冷めてしまう。フィフスはインスタントだろう?こっちは違うから美味しいぞ」
言いながらジェミニはウェーブの胸から口元まで伸びるノズルを握り引っ張る。
「ちょ、あっうあああああああ」
「硬いな。どうやって外すんだ?」
「待っ!うっ!」
引きちぎられては堪らないと、カシュっと音を立ててマスクを外すウェーブ。
「かはっ!げほげほっ!!」
急激に空気が入りこんで咳き込む。
マスクがないのはやはり慣れない。
「あ、あの、オレ、ハンドパーツじゃない…」
「む。仕方のないペンギンさんだ。飲ませてやろう。ほら」
にこにこ微笑みながらジェミニは楽しそうにカップを近づけてくる。
されたい放題だ。
スターに目をやると、スターは微笑んで手を振る。
―――そうじゃない、早く終わらせてくれ。
「いやぁジェミニちゃん可愛いな~」
スターとやり取りしていたマグネットとニードルはほわほわとしたオーラで視線を向けてくる。
「あのポジションが俺だったらなー」
「俺の作ったぬいぐるみよりそっちかー」
後半それぞれの思いを呟きながらまるでメタルのような鋭い視線でウェーブを射抜いてくる。
「か、かえりたい…」
「? おかしなペンギンさんめ。この俺が横にいるのに帰りたいなどと」
「獣姦すんの?」
「は?」
突如現れ唐突な発言をするスネークにジェミニは眉間にシワを寄せて睨む。
「どういう話の流れだ」
「あ?わかんねーの?」
スネークはソファに座ってお菓子を食べ、「ぐえっ甘い」などと言いながら話を続ける。
「俺とジェミニはえっちをしている」
「あぁ」
「俺は蛇を模している、そんでもってそいつはペンギンに似ている。
つまりジェミニは獣姦がお好き」
「まて。ペンギンさんに性的なことはまだしていないぞ。
そもそもお前を動物の区切りに入れるのも嫌だ」
(この人たち真顔で何て会話してるんだろう)
あんまりな流れにウェーブは冷静に心の中で突っ込む。
「お前は自分のこと蛇の中では美形とか思ってるようだがな、俺には通じないんだ。
あまり調子に乗るんじゃない」
「思ってるじゃなくて事実なの。ヘビ界に舞い降りた貴公子レベルで俺モテモテなんだぜ!?
ジェミニはモテてないじゃん!!!」
「マグネットとニードルとホロがいるもん!」
「身内はカウントすんな!!自演乙!!!!」
「うるさいクソヘビ!!!あー!わかった!妬いてるんだろ!?嫉妬狂いめ!!」
ジェミニはウェーブを抱きしめて叫ぶ。
「しかしこのペンギンさんは俺のだ!」
「誰もウェーブを欲しがってねぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
「な、お前この可愛さわからないのか!!!!?」
「どこが可愛いんだよ。俺の方が可愛いぜ?」
「尻尾パタパタすんな可愛くねーから」
「可愛いんだよ!!」
「あのー、先輩。そろそろ返してくれませんか?」
スターの声にジェミニとスネークはハッとする。
「やだ…ペンギンさんヤダ…」
「ウェーブ死にかけてるからそろそろ返してやれよ。顔真っ青だぞ」
「やだ…ペンギンさんも帰りたくないよね?」
「カエリタイデス…」
「!!!!!!????」
「いまだ!」
スネークがジェミニにとび蹴りし、引き離したところでスターがウェーブを引きずり運んで間合いを取った。
「お、お前えええええ!!わ、私のっ顔面!俺の顔面!」
「鼻がなくてよかったな」
「そういう問題じゃないわー!!!」
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