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ドリルさんの関西弁はロシア語鈍りだと思っていただければ。
強姦なので注意
「なんなんや、お前は」
 ドリルはぽつりともらす。
 ここは地下。
 いつものように穴掘りの作業をしていると足場が揺れて現れるグランド。
 これが毎日続いてしまって無視を決め込んでいたドリルは思わず呟いてしまっていた。
「? グランドだ」
「名前聞いてるんやない…」
 ため息を吐きながらグランドから離れて地面に座り込む。
 グランドも大人しいものでその場から動かない。
 出会った頃は無理矢理誘拐監禁強姦と三重苦を味合わされたが、他のコサックナンバーやグランドの兄弟が必死にドリルを護衛そしてグランドを説得したお陰で理解してくれたようである。
 要は「待て」を覚えた大型ワンコである。
「……」
 グランドは無造作に宝石を出してくる。
「これで抱かせろ」
「あかーーーーん!!!」
「パイレーツが愛が通じないんだったら金で買えと」
「あいつも大概やな!!?」
 割とドリルに味方をしてくれる側にいるパイレーツ(恐らくダイブに恩を売るためだろうが)も思考は片寄っているらしい。
「お前のこと好きじゃない…帰ってくれ」
「?? 繋がれば愛が解る」
「だーかーらー!それがお前の愛情表現でも俺とは違うんや!俺とは!!!」
 ドリルアームをブンブン振りながらドリルは言う。
「…??」
 グランドは表情は変えずに首を少し傾ける。
 そしてそのまま動かなくなってしまう、恐らく何か考えているのだろう。
「既成事実が、あるな…一度ヤった…」
「アホかぁ!!!考えてそれか!!!!」
「俺にはお前が俺に無理難題を吹っかけて避けている気がしてならない」
「一般常識を知ってくれへんか?まずは……」
 頭が痛くなってくるドリル。
「…もう我慢できない」
「え!?」
 油断した。
 ドリルはグランドに捕まり押し倒される。
「待て待て待て!!!アカンて!アカン!!!」
「ずっと抜いてない。我慢してきた、限界だ」
「余計にアカンーーーー!!!!!!あぁぁ通信がっ」
 電波を妨害する何かが近くにあるのか、通信が送れない。
「このっ―――」
 ドリルを回転させるがグランドはドリルの腕に思いっきり力を込め引っ張った。


  バキッ


「い、ぎぃっ…ああああああ!!!?」
 千切れはしなかったが間接が歪んで回路を刺激する。
「大丈夫だ、痛みは消す」
「ひぇっ!?」
 コードを接続される。
「わ、あっ!?」
 バチッとパルスが流れる。
 いけない、ダメだと本能が告げるが身動きが取れない。
「あ!?」
 痛みが消える。
「どうだ?」
 グランドは優しくその損傷した箇所を撫でるがまったく感覚がなくなっていた。
 大丈夫だと判断したグランドはドリルの装甲を剥がして廃油口を露にする。
「やめっ…うあああああっ!!!!!」
 涙を零しながらドリルは悲鳴を上げる。
 メキメキと嫌な音を立てながらグランドのそれが進入してきた。
「ん、好きだドリル」
「俺は嫌いや!!!」
「感じているのに」
 グランドの手がドリルのナニに触れる。
「ちがうっ!」
「俺はいつもとてもとても愛している」
「ちがうちがう!!あぐぅっ!!!」
 バルスを流され仰け反るドリル。
 圧迫感はあるが痛みはない、そうだ監禁されていたときも、そうだった。
 あるのは圧迫感と焦燥感、そして痛いぐらいにやってくる猛烈な快感。
 快楽は痛みだ。
 どんなに痛覚を弄られても、快感を与えられるたびに―――痛い。
「はっ…あっ…」
 荒い呼吸を繰り返しながら喘ぎ始めるドリル。
 グランドは大人しくなったドリルに安心したのか、目を細めた。


   *****


「あーーーもう!めちゃくちゃやないか!!」
「しかし痛みはないだろう、そのまま直せばいい」
「痛いんや」
「?」
 ドリルはグランドを見上げる。
「お前の与えるもん全部、痛いし苦しい」
「…何故だ、理解できない。愛を与えなければ相手に通じないだろう」
「お前かわいそうなヤツやなぁ」
 ドリルはそういってグランドから視線を外してため息を吐いた。
「やっぱ俺お前のこと嫌いや」
「好きになるまで愛する」
「オイ!」
「!?」

 ガンッ!

 ドリルが動かせる腕でグランドの首に腕をまわしたかと思えばそのまま引き寄せてオデコにオデコとぶつけて来たので大きな音が上がる。
「俺はそんなもんいらん言うてるやろ!!
 自分のことばっかり考えて!!!そんなヤツ好きにもなれへんわ!!!」
「? ?? ?」
 グランドは酷く困惑した表情を浮べる。
「理解できるまで絶対お前のこと好きになれへんし、キライなままやからな!!
 お前が俺を何度も何度も犯そうが壊そうが絶対好きになんかなれへん!」
「よくわからない…何を、望んでいるんだ…あぁ、お前は俺に、何をして欲しいんだ?」
「自分で考えろ!」
 ガンっと殴られる。
「…??」
 ドリルの態度にグランドは酷く狼狽して、ドリルが立ち上がり歩き辛そうにしながらその場から去りかけてもグランドはそこから動こうとしなかった。
 必死に考えているらしい。
 あぁは言ったが、彼が変わったら自分は果たして彼を好きになるだろうか?
 好きになれる自信がない、こんなひどい目を受けて好きになってしまうだなんて、それはきっと間違いだ。
 きっとお互い理解しあってもこのままの関係に違いない。
 その方がいいのだ、その方が…。
 彼を憐れみはじめている自分も、この感情はきっと間違いなのだ。


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