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 バーナーはグランドの部屋へと向かっていた。
 キングは研究室に閉じこもって出てきてくれないから時間を持て余しているのだ。
 パイレーツもグランドもここに戻ってきているとマジックから聞いてバーナーはそのまま真っ直ぐ足を運んだ。
「グランド、パイレーツ!」
 バーナーは声をかけながら部屋の中へ入る。
「…ん」
 グランドは顔を上げてバーナーを見る。
「もう始めてるのか」
 バーナーはグランドに歩み寄る。
 床の上でグランドと、グランドに組み敷かれたパイレーツがいた。
「ッ…」
 ガリリ、とバスターからハンドパーツに切り替えられたパイレーツの左手が床を引っ掻く。
 ささやかな抵抗心はまだ残っているらしい。
 バーナーが生まれてからこの二人はこういう関係だった。
 きっとパイレーツが生まれた後からだろう、コールドやダイナモ、そしてキングはグランドと関係を持っていない。
「パイレーツ、声が聞きたい」
 静かに言うグランド。
「いや、だ…」
「…そうか」
 グランドはそう呟くとパイレーツの脚を押し広げて激しく腰を打ちつけ始めた。
「ッ!!!!~~~ッ!!!!」
 パイレーツは自分の指を噛み締めて声を押し殺す。
 そうしてグランドが動きを止め、パイレーツから自身を引き抜く。
 どろりとグランドが中に放った廃油が漏れてくる。
「喋らないならその口を使う」
「うぐっ!!!」
 頭を掴んで咥えさせて股間に押さえ込む。
「うっ…うぅ…」
 嗚咽のようなパイレーツの声。
「グランド、どうかしたのか?機嫌悪そう」
 バーナーはグランドに寄り添って言う。
「…別に。」
「地下水でも被ったんだろー?」
 笑いながらバーナーはグランドにキスをし始める。
 こうやって三人でじゃれあう。
 といってもバーナーはキングから貞操帯を付けられているので傍観することが多いのだが。
「パイレーツ、ちゃんとしゃぶってるかぁ?グランド満足させないと長引くぞー?」
 バーナーはクスクス笑いながらパイレーツの後ろに回りこんで、その廃油口へ指を捻じ込んだ。
「ッぅ、ぅぅ……」
 ガクガクと身体を振るわせ始めるパイレーツだがグランドが離さない。
 顔は見えないがきっと涙でぐちゃぐちゃだろう。
 素直になればいいのだ。
 パイレーツは侵略行為は好きだが蹂躙されるのがとことん嫌いだ。
 しかしグランド相手だと別らしい。
 起動後からのこの行為のせいもあるだろうが、これがグランドなりの兄弟への愛情表現なのだと理解しているためだ。
「……」
 グランドはパイレーツを引き離す。
「おいパイレーツしっかりしろよ、ほら、飲み込めって」
「えぅ…」
 虚ろな目で口からグランドの廃油を垂らしているパイレーツの口を塞ぐバーナー。
 ゴクリ、ゴクリ…とゆっくり飲み込んで行く。
「えーっと、あぁこれ?今日は」
 バーナーはテーブルに置いてあるチップを摘む。
 それをパイレーツにちらつかせると拒絶するように首を左右に振った。
「やめろ、それだけは…」
「気持ちよくなるだけだろ?いいじゃん別に」
「頭がイカれる、お前知らないからそんな事言えるんだ!いっぺん抱かれてみろよ!」
「無理なもんは無理」
 貞操帯を撫でながら呟く。
「頭イカれたってキングが直してくれるだろ」
「あっあっ…!!!」
 チップをパイレーツに埋め込む。
 チカチカとカメラアイが点滅し、パイレーツの排気量が増える。
 まだ夜は長い。



   ◇◇◇◇



 チップで正気を失い快楽に溺れるパイレーツと
 そんなパイレーツを満足そうに抱いているグランドの目はとても似ているとバーナーは思う。
 快楽を与え続けることがグランドにとっての愛情表現というわけだ。
 そしてそれを「奉仕」と認識さえすればパイレーツも欲しいものを得ているということになる。
 なんとなく解る。
 自身もキングから快楽を与えてもらうと幸せな気持ちになる。
 きっとパイレーツも今その気持ちに満ちているはずに違いない。
 壊れた笑い声を漏らしながらグランドに抱かれてはいるがきっとそうに違いない。
 それ以外に何があるだろうか。
 自分たちには何もない。
 あったとしても地中の暗闇や海底の暗闇、灼熱の炎の中へ置いてきてしまっただろう。

 自分たちはこのままでいいはずだ

 変わる時はきっとキングが改造するだろう


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