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※天狗受です
 テングはトルネードと酒を飲み交わしていた。
 トルネードはあまりアルコールに強くないのだが、良い酒を持ってテングの所へやってくる。
 恐らく会いたい口実なのだろう。
 どこをどう気に入ったのか、テングは聞かない。
 聞かないままずるずるとこういう関係になってしまった。
 夜も深けた頃、完全に酔っているトルネードがすりすりとテングに顔や身体を摺り寄せて甘えていた。
「ふふふ、テング…」
 何が楽しいのか上機嫌でにやにやしながらトルネードは柔らかい人工皮膚に覆われた頬をテングの顔に押し当てる。
「邪魔だ」
「なぁテング…俺、お前を気持ちよくさせたい」
「意味が解らん」
「お前にも穴があるだろう!」
「はぁ!!!?」
 何を言い出すのかこの男は。
「お前を気持ちよくさせたいんだ、そっちで」
「ふざけるな。」
「きゃうん!!!」
 テングに尻を握るように強く揉まれて仰け反るトルネード。
「や、やぁ!やだぁ!」
 そのままテングに押し倒されるがトルネードはワーワー叫ぶ。
「諦めろ。そんなに使いたいのかこれを」
「そうじゃなくてぇっ…!!」
 取り出されたナニを扱かれ始めてトルネードはカクカクと身体を震わせ力が抜けていく。
「あっ…アッ…」
 酔っていた目は快楽による蕩けた目になっていく。
「や、テング…やぁ……」
 そのままトルネードはイカされてしまった。


    ◇◇◇◇


「だからお前を犯したいんじゃないんだ!男として俺はお前を気持ちよくさせたいんだ!」
 真顔で熱弁するトルネード。
「だからって何故拙者を縛る貴様」
 あれからいつもどおりトルネードを犯しそのまま寝たのだが目覚めれば拘束されていたのである。
 酔いも抜けたトルネードがなにやら語っているが、彼の身体は土で汚れているし下半身のスーツはボロボロだしサマになっていない。
「スネークとジェミニは夫婦の倦怠期が来るといけないから来る前に幅を広げるべきだと」
「いつからお前と拙者が夫婦になった」
「モノの例えだ。しかし我々にも当てはまるものだと判断した」
「お前に飽きるわけがないだろ」
「…そ、そんな手にのらないぞ」
 トルネードが顔を赤くしながらいうのでテングは「?」と思うが、自分の失言に気づいて呻いた。

 ―――そういう意味で言ったわけじゃない、無意識だ、無意識だった

「痛くしないからなテング…」
 言いながらトルネードが廃油口を探り始める。
「やめろ!おいこら!!!触るな!!」
「大丈夫大丈夫…キングからお前の廃油口は聞いているんだ」
「用意周到だな!?っていうか貴様誰に言いふらしてる!!!?」
「ん?キングはお前の身体に詳しいんだろう?(※メンテナンス的な意味で)別に言いふらしてはいないぞ」
「だからって聞くやつがいるか…?」
 トルネードのこの執着心のズレは何なのだろうか。
 仕事オンリーの生活ゆえのコミュニケーションの障害だろうか。
 そういえば趣味も何もなかった、最近は自分の影響なのか料理や魚釣りに興味があるようだが。
「よし…ここか、次にこれを…」
 どこからともなく瓶を取り出してくる。
「なんだソレは」
「ホーネットから特製のハチミツを貰った」
「お前何人に相談してるんだ!!!!?」
「??」
 首をかしげるトルネード。
「もういい…つっこむの疲れてきた」
「お、おう…何だかよくわからないが大丈夫かテング」
「もう好きにしろ」
「折れるの早いな…俺が悪いことしてるみたいじゃないか」
 呟きながらトルネードはハチミツを流し込み指で馴染ませ始める。
 ゾクリとする。
 ただのハチミツじゃない、何か混ざっている。
 声が漏れそうになるのを堪えるが身体が震えてくる。
「気持ちいい…?ホーネットが、これ使うと俺でもお前をすぐに気持ちよくさせることができると…。
 足りないか?もう少し量を…」
「やめろ!」
「遠慮はよくない」
「ッ!!!」
 素直じゃない自分を少し呪った。
 刺激が強くて意識が遠のきそうになる。
 流石のトルネードもテングが大人しくなるので感じていると認識したらしい。
「いれるぞテング」
 少し緊張した面持ちで呟き、グッと挿入しはじめる。
「わ、あ…こんな感じなんだ…テングの中熱いなー」
 爽やかな笑みを浮かべながらいうので殴りたくなる。
 そうしてトルネードはテングを犯し始めるのであるが、懸命に動かす姿はまるで犬である。
「はっ…あ、テングっ…テングッ…!!」
「ッ…」
「きもちいい?なぁ?俺だけ気持ちよくなってないか?なぁ?」
 トルネードは涙を零しながら問いかけてくる。
「おれ、イキそうだけ、ど…嫌ッ…テングも気持ちよくなってくれないと、イヤだ…」
 これではどちらが犯しているのかわからない、とテングは思った。
「面倒くさい小僧め」
「わっ…」
 拘束されたままの状態だが、テングは器用にトルネードと繋がったまま態勢を変える。
 トルネードの上に跨いだ状態になった。
「貴様に見下ろされるのが癪だ。貴様は勝手に感じてろ」
「うあ、あぁっあぁぁぁ…!!」
 テングが動き強い刺激にトルネードは悲鳴のような声を上げながらイク。
「テ、ングのっ中に、出て…あ、ああっでてるからっ…うごいちゃ、あぁぁっ…」
「お前だけ気持ちよくなるのはイヤなんだろう?拙者が満足するまで萎えさすなよ?」
「うっうう…」
 泣きながら頷くトルネード。

 そしてそのままトルネードは意識を失うまでテングに搾り取られたのであった。



   ◇◇◇◇



「俺がお前を気持ちよくさせたかったのに!アレじゃジェミニのときと一緒じゃないか!!!」
「…」
 なにやら嘆いているトルネードだがテングは無視を決め込む。
「俺には何が足りないんだ…でも、テングの中は意外と気持ちよかった」
「その感想はいらん」
「今日はすまなかったな…もう少し勉強してから挑むことにする」
「……」
 真面目に真っ直ぐに斜めから来るこの男。
「好きにしろ」
 テングはそう答えるしかないのである。


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