menu
「最近私の周りが賑やかだわ」
「そうか良かったじゃないか!」
スプラッシュの呟きにトルネードが答えた。
時間がある時、もしくはトルネードが何かしら悩んでいるとき二人は浜辺で出会って語り合うことが多い。
「妬いたりしないのかしら?」
トルネードの顔を見上げながらスプラッシュは言う。
「妬くよりも祝福の方が先ではないか?」
「あら、女は妬いてくれたほうが嬉しいものよ」
「何故だ?」
「自分が魅力的だと認識しやすいでしょう?」
「お前は普通にしてても魅力的だと思うぞ?
俺は造形のことはよく解らないが、スプラッシュは整った方にはいるだろう」
「貴方も整った方に入るでしょうね」
「?」
やれやれとため息をつくスプラッシュ。
「たまには私を口説いてくださらない?」
「なっ…」
頬を染めるトルネード。
「スプラッシュに対してそういう感情は…」
「解っているわ。冗談よ。間に受けすぎよトルネードは」
「……」
「私は多分、誰も愛せないでしょうね。不器用なの。貴方と同じよ」
「……」
トルネードは何も言わずただただ青い空を見上げる。
晴天とは言いがたいが、空の色はとても青かった。
「彼と、空を飛んでいると堕ちそうになる。
空に、吸い込まれそうになる。少し恐い。
スプラッシュは…そういう感覚になるか?」
「ないわ」
「じゃあ俺は、彼が怖いのかな」
「別れるのが怖いのでしょう?」
「…嗚呼、なるほど。そうかもしれない」
「私が海底に沈んだとして。
多分誰かが引揚げてくれるでしょうし…
もしくは、そうね、沈めてあげようかしら、歌で。彼を」
「積極的だなスプラッシュは」
「そうでもないのよ。貴方の前だけよ。不器用同士仲良くしましょ」
「あぁ、そうだな」
「ほら、また間に受ける―――」
top