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「海賊といえばラム酒が好きなんじゃないのか?」
ダイブは何気なしにパイレーツに言う。
その知識は少し前にカリンカ嬢と見た映画のせいなのだが、特に何も思わず呟いただけだった。
ロボットだから海賊以前の問題だろうというツッコミも入ってしまう。
しかしパイレーツはしばしダイブを見た後
「え、そうなの?」
なんて間の抜けた声で返してくる。
「俺…ワインだと思ってた。」
「そうなのか、まぁ俺の疑問はただ映画の中でそうだったからというだけだ」
「……」
俺、アニメだ…と言いかけてグッと堪えるパイレーツ。
「なんで突然そんなことを」
「なんとなく」
「あぁ、そうかよ…」
「お前はワインが好みなのか?」
「まぁな…キングも飲んでるし。」
答えて手元のワインが入ったグラスへ視線を落とす。
「あぁ、あの…」
パイレーツの上司を思い出すダイブ。
全体的に金色だった、ぐらいしか覚えていない。
マスクのせいで表情もよくわからないが落ち着いた低い声が特徴的だった。
そこでパイレーツの態度を思い出す。
今はこうやって大人しいコイツだが、前はかなり酷かったものだ。
こうやって落ち着いて会話ができる日が来るとは思わなかった(これもロックマンのお陰であろうとダイブは思う)。
しかしキングの前だと妙にそわそわして大人しかった気がする。
キングの顔色を伺っていた、のだろうか?
「キングとは仲良くしているのか?」
「は?」
「なかなかぎこちない感じだったからな。今もそうなら少し問題じゃないか?」
「え、いや…それはねぇよ」
狼狽するパイレーツ。
あぁこれはキングが悪いのではなくパイレーツが悪いのかと直感で思うダイブ。
「なんだ、キングが嫌いなのか?」
「ちが、う…ヤメロ。もう喋らん」
パイレーツはワインを飲み干すと新たに次ぎ始める。
そうしてしばらく沈黙が続いた後、パイレーツが呟いた。
「俺はキングに対してどうしようもない感情を抱いている」
「おめでとう、祝福するぞ。応援もする。」
「そっちじゃねーよ!!!!!」
「色恋沙汰じゃなければなんなんだ…?」
ダイブは目を細めて面倒くさそうに言う。
正直キングの所へ転がって欲しかった。
「その、あの…変に、思うなよ…ちっ…父として、見ている」
「…………?」
ダイブは笑顔を浮べて首をかしげる。
「あーーーーーーーー!!もう!やっぱいうんじゃなかった!!!
父さんって呼びたい!父さんって!!!!!お父さん!!!!」
「わ、わぁ…それってつまり俺がコサック博士をお父さんって呼ぶようなモンだろ?ないわー」
「違う!!キングと俺はロボット同士だから純粋に親子になれるじゃねーか!でもほらもーーー俺の立場もあるし今更!今更言えるか…!!!」
「言ってもいいんじゃないか?俺、あの人のこと良く知らないけど包容力あると思う」
「あるよ!包容力あるよ!!!!俺が無茶やっても笑ってるし!!!」
「落ち着けよパイレーツ。俺の中でキャラ崩壊起してて正直困ってるんだが」
「お前が話を振るからだろ!」
「こうなるとは思ってなかったんだ。」
「フォローしろよフォロー!!!!」
「断る」
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