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 ダイナモはキングの作業場へたどり着いた。
 ここはキングの研究室ではなく、格納庫のように広々とした空間で
 そこでキングは何やら巨大な兵器(たしかキングタンクだとかストレートな名前だったはずだ)を作っている最中だった。
 キングは車体の下に潜り込んでいる。
 ダイナモは声もかけずに近づいてしばらく様子を見ることにした。
 にょきりと車体の下からキングの手が伸び工具を探す。
 もう少し右だよ、違う上…なんてダイナモは心の中で思いながら、全部オートで作ってしまえばいいのにとも思った。
 ロボットが設計したものを機械が作る、人間が設計したものより確実に正確であろう、組み立てる方もそのまま寸分の狂いもなく組み立てるだろう、コッチの方が効率的だろうに。
 しかしキングは全部自分の手が入らないと気がすまないらしい。
 この基地もそうなのかは知らないが、KGNはキングの手で改造されている、生み出されている。
 自分の手で生み出す。
 それではまるで…それでは…

 人間、みたいじゃないか…

 ダイナモはキングが探しているであろう工具の一つを手にとって、キングの手に押し付ける。
 キングが反射的に握り締めた瞬間、ビリリと電流を流してやった。
「にゃっ!!?」
 変な声を上げながらキングが工具を握り締めたまま這い出てくる。
「ダイナモくんかい!?イタズラはやめたまえ!ビックリしたよ!」
「…」
 ダイナモはプイっとそっぽを向いて、マジックからのお使いであるE缶を床に置いてさっさと格納庫を出た。

(…キング、手離さなかったな)

 本来なら電流が流れれば離すだろうに。


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