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「がぁー!クソ、俺の船は観光船じゃねぇってんだよ!」
 項垂れていたパイレーツはガンっと床を叩く。
 そして視線を甲板へ向ける。
 キャッキャとはしゃぐトルネードとギャラクシー(何故かテングとアストロもいる)と
 図体に似合わず興奮気味にワーワーと楽しんでいるナパームと、その横でウェーブが震えている。
「いいんじゃないかしら。こういうことに貴方の船を利用すべきです」
「そうだそうだ。スプラッシュ女史の言うとおり」
「これで稼ぎなよ君」
 側にいたスプラッシュとダイブとバブルが好き勝手言う。
「俺は海賊なんだよ!!!」
「元、でしょ?」
「素直じゃないヤツだな」
「つか、お前ら、DWNと仲良くしてていいのかよ」
「あら今は悪いこと、してなくてよ?」
「まぁ女史がこういうから女史の顔を立ててだな…」
 頭を抱えるパイレーツ。
(まともなの俺だけか…!?俺だけなのか…!?)
「なに、君もそのうち染まっていくって」
「染まってたまるか!!!」
 バブルに叫んでパイレーツは立ち上がる。
「どこにいくんだ?」
 呼び止めるダイブ。
「船長室」
「一緒にいればいいだろう?」
「馴れ合いたかねーな」
「おい、パイレーツ」
 パイレーツを追いかけていくダイブ。
「パイレーツさんはダイブさんに任せておけばいいわね」
「そして君は僕の監視かな」
「あらそんなことないわバブルさん」
 スプラッシュは目を細めて微笑む。
「お互い脚が不自由なのに一体何ができるのかしら?」
「皮肉だね。君と僕は相性がいいらしい。僕は君が思っているほど甘くはないよ」
「まぁ頼もしい言葉」
「おーいスプラッシュ」
 トルネードが寄ってくる。
 バブルは彼と面識はなかったが、その整っている顔立ちから弟を連想してしまう。
(うん、彼よりバカじゃないだろうけどね…)
「今日はありがとう。ギャラクシーがとても喜んでいる。いつも研究所にいるから自然に触れるのはとてもいいことだ」
「礼を言うなら船を貸してくれたパイレーツにいうのね」
「ははは、彼に悪いことをしてしまったな」
 苦笑するトルネード。
「みんなスプラッシュの尻に敷かれていると見た」
「貴方もよトルネード」
「違いない」
 大きく頷くトルネード。
 本気でいってるのか冗談でいってるのかさっぱりわからないところがトルネードらしいといえばらしい。
「カレシさんほっといていいの?」
「むむ…」
 トルネードは少し頬を赤らめてテングに視線を向ける。
 テングは不機嫌そうに立ったままだ。
 その横でアストロが消えたり現れたりしている。
「待ってるんじゃない?」
「そ、そうか…いってくる!」
(冗談だったんだけど…)
(うん、彼もバカだった)
 テングも大変だと同情するスプラッシュとバブル。
 あれはあれで成り立っているのだから凄い。
 成り立っているといえばウェーブもだ。
 あちらはナパームの包容力のお陰ともいえるだろう。
「ウェーブさん変わったわね」
「そうかな。まぁだいぶ周りの空気に馴染むようになってきたとは思うよ。」
「人を愛すると変われるのかしらね」
「そうなんじゃない?」
 バブルはふぅっとため息を吐いてスプラッシュを見る。
「僕と君は一生変われないんだろうけどね」
「心苦しいわ。乙女らしく恋の一つもすればいいんでしょうけれど」
「君、トルネードのこと好きでしょ?」
「……」
 首を左右に振るスプラッシュ。
「彼に出会ったときに、道を間違えてしまったわ」
「お気の毒に」
「ありがとう」


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