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俺とお前はきっと交わることなくいがみ合っているのが望ましいのだろう。
触れ合うことはきっと、ダメなのだろう。
俺が俺でなくなる。
パイレーツは船の上から海を眺めていた。
ゆるやかだ、時間の流れも遅いような気がする。
こうやって時間があると思い浮かべてしまうのが何故かあのケツアゴのことである。
あいつはからかうと面白い。
ちょっかいを出して怒らせるのが面白い。
仕事を邪魔するのがとても楽しい。
少しだけ欲しいと思ったことがある。
手に入れて、自分のお宝にしてしまえばどうだろう。
そこでダメだと、思ってしまう。
それをするとダメだ、何故か…張り合う相手がいなくなってしまうからか。
きっとそうなのだろう、自分は刺激が欲しいのだろう。
ダイブが丁度いい相手なのだ。
だから『欲しい』と思う感情は少し行き過ぎてしまっているだけなのだ。
きっと手に入れれば崩れてしまう、失望してしまう絶望してしまう。
あぁしかし!日が経つにつれて想いが強まる!
******
どういうわけか色々あってキングが負けてしまったので行き場を失った俺はダイブのところへ上がりこんでいた。
非常に迷惑そうにしていてなかなか愉快だった。
しかしそれも向こう側が慣れてしまうと面白くなくなる。
「パイレーツマン、今日は海にいかないのね」
カリンカというチビっこがパイレーツに話しかけてきた。
「船のメンテだとよ。ダイブもだったか、あいつ寝てるのか見掛けねーな」
「あらそうなの。ダイブはアナタの面倒をみてて疲れてるんじゃないかしら?
だからね、わたしブライトたちと出かけてしまうからお留守番しててね?ダイブの代わりよ」
「げー」
「居候なんだからいうことききなさいよ」
「はいはいわかりましたよチビっこさん」
「カリンカよ。ジェミニマンといい貴方といいチビって言わないで!これでもレディなんだから!」
ぷりぷり怒るカリンカ。
「はいはい、槍投げてくる女になりゃなきゃ何でもいい」
「スプラッシュのこと?貴方が全面的に悪いのよ」
カリンカは呆れた顔をしながら呟き、丁度やってきたブライトたちと共に出て行ってしまった。
しばらくパイレーツは時間を適当に潰していたのだが、ふと気づいた。
(今、ダイブと二人っきりじゃね?)
思い立ったらすぐ行動がKGNである。多分。いやきっと。
自分だってすぐ行動するキングの血が少しぐらいは流れているだろう、無論人間に例えればの話。
パイレーツはダイブの部屋へと侵入した。
ダイブはスリープモードだった。
しばらくその珍しい寝顔を眺め、そして馬乗りになった。
「ダイブ…」
「む…?」
ダイブに覆いかぶさるパイレーツ。
キスをする。
「んう!?むむむ!!?」
カッと目を開いて暴れようとするダイブを押さえ込む。
舌を絡ませ、角度を変えながら呻いているダイブにキスをし続ける。
「はぁ…さて、ヤってやるぜダイブ」
「何を、お前!!?」
顔を真っ赤にして叫ぶダイブが可愛く思える。
むしろ愛しいと思うとは。
我慢できない。この衝動。
「痛ェのは最初のうちよ!」
ダイブの脚を掴む。
「やめろぉぉ!!!」
「そのうち気持ちよくなって……なって…」
「パイレーツ…?」
固まるパイレーツに戸惑うダイブ。
パイレーツの脳裏には、グランドとの情事の記憶が再生されていた。
パッと手を離すパイレーツ。
「…俺お前とセックスする勇気がない」
「なんでだよオイ!!!」
唐突なパイレーツの発言に思わず叫ぶダイブ。
「セックスこわい、っていうかお兄ちゃんこわい」
「お兄ちゃん?グランドか?何されたんだってかドリルと同じ目にあったのか!!!?」
「俺知らないうちにトラウマになってたのかな…あれは愛なのにな…兄弟愛」
「俺の知ってる兄弟愛と違う……」
ダイブは身を起してパイレーツを見る。
わりとダメージがあったようでいつもの邪悪さがどっかいってしまっている。
「キスぐらいまでなら平気だ…」
「そうか、いやだからといって俺はキスを許可したわけではないぞ」
「ケチケチすんなよケツアゴ。お前のケツアゴはなんのためにあるんだよ」
「アゴはアゴだろ!関係ないし!もう用はすんだろ!?出て行け!!!」
「俺の心の傷をいやさねーの?」
「癒したくもないな!」
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