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 何か尖ったモノでツンツンされる。

 あぁチクショウ一体なんだっていうんだ。
 俺は動けないんだぞ。
 チクショウあのケツアゴとイケすかねぇ人魚め今度会ったらなぁ―――

 つんつんつん

「さっきからなんだ!!!!」
「ぎゃあああああ!!!!!」
 パイレーツの怒声と誰かの悲鳴。
 パイレーツは損傷の影響により焦点の合わせにくいカメラアイを悲鳴の方へ向けた。
 青くて丸っこいのがいる。
 データにある、あぁそうだ確かウェーブマンとかいうDWNだ。
 さっきからのツンツンはもしかすると右手のモリでツンツンされていたのかもしれない。
 なんか腹立つ。
 当のウェーブは涙目でぶるぶる震えながら距離を保っている。
「い、いきているとは思わなかったんだ!!!」
「死んでると思って突付いてたのか!?」
「違う、生きてるかどうかの確認を……」
「ぶち犯すぞDWN…」
「なにこのロボット恐ッ!!!!」
「俺は動けねぇんだよ…見て解るだろ…」
「あ、あぁ…」
 パイレーツは機体の損傷が激しく、オイルが漏れているせいか周りの海水が少し汚れている。
「オレはどうすればいい?」
「はぁ?助けろよ」
「いや…DWN的に助けていいのかなって思って…でも、修理する技術はオレにはないし…」
「…アホくせぇ」
 パイレーツは目を細めてウェーブから視線を逸らした。
「俺を運べよ。ここなんか電波のつながり悪くて通信送れねぇんだわ。
 繋がるところまで運んでくれ。そしたら仲間が回収に来るから」
「それぐらいならできるな…」
 ウェーブはパイレーツを掴もうと……
「う、うおおおおオレの手はモリとバスターだあああああああ」
「気づけよ!!!俺も人のこといえねぇけどさーーーー!!!!!!」
「何気にお揃いで近親感が沸いた。あ、よくみるとお前はもしかして海系のロボットなのか?」
「そうですけど!!!!?なんなのお前!!!?天然さんなのかな!!!?」
「いや、他人を直視するの恐くて…」
「もういいよ!俺を上手いこと抱きかかえて運べよ!」
「モリで突き刺して運ぶ方が早―――」
「いてぇのはやめろ!!!!!」
 ぎゃーぎゃー喚くパイレーツをなんとか持ち上げてウェーブは運び始めた。
「なんで沈んでたんだ?っていうかお前どこのロボット?」
 ふとウェーブがパイレーツに問いかける。
「…諸事情で。俺はKGNだ」
「え…知らん…どこの博士?」
 仕事に必死、人が嫌いなウェーブの浮世離れはハンパなかった。
「いいよ…期待してなかった…」
「ごめん…」
「お前なんでこんな海底に?」
「散歩しに」
「根暗だな」
「独りが好きなんだよほっとけよ……あ、でもこの先に綺麗な珊瑚礁があって…」
 言っているうちに目の前に珊瑚礁が広がる。
「ここで時間潰したりする。たまにダイブとかスプラッシュさんとかが来て一緒に…ってその二人のことは知ってる?」
「知ってる…えぇ…これ知らなかったの俺だけ…なにそれ…いやいいけど…」
「あ、わかるわかる。よくある」
「DWNに同情された死にたい」
(DWN嫌いなのかなこの人は…)
 めそめそしだすパイレーツを地に置いて、ウェーブはさてこれからどうしようかと珊瑚を眺めながら思うのであった。



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