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ナパームの兵器博物館。
お客は来ないのが寂しいが、兵器を眺めていると寂しい気分もなくなってしまう。
キュラキュラキュラとキャタピラを鳴らしながら廊下を走行していると、人影を発見する。
「何だ客かと思ったらウェーブか」
「よ、よう…」
ナパームに視線を合わせず震える声で手(というかモリだが)を挙げる。
そんなに緊張しなくてもいいのに…とナパームは思う。
「何か用か?」
「いや、別に。暇だったから…その、ここ…人いないし」
「悲しいこと言わないでくれ…」
「ご、ごめん」
「まぁいいや…来てくれるだけでもありがたい。他のヤツら来てくれないんだよな」
ため息を吐きながらナパームはUターンする。
「来いよ、お茶ぐらい出すから」
「あ、あぁ…」
ナパームの後ろをついていくウェーブ。
「仕事はどうだ?水道局のヤツに雇われたんだろう?」
「うっ…慣れないんだ。あのノリ。疲れる」
アクアとポンプを思い出しながら呟くウェーブ。
良い人たちだとは思う。
というかアクアは元DWNであるが。
「お前は人嫌いだもんなー」
はははと笑うナパーム。
直せだとか、どうしろとかナパームは細かいことを言ってこない。
興味がないだけかもしれないが。
しかしウェーブのことを数少ない友達の中の一人だと思ってくれていることは確かで、それだけでウェーブは心が軽くなる。
ナパームが使っている部屋に案内されてソファに座る。
「あ…安物のオイルしかないけどいいか?」
「あぁ…普通のオイルが出てきたら俺はビビる」
「悲しいこというなよ…」
「貧乏って嫌だな…」
「だよな…」
器用にあの武器の手でオイルの入った缶を挟んで運んでくる。
少し可愛い。
「俺も海に入れたらお前と海底散歩とかできるのにな。
ここ、楽しくないだろ?」
「え…でも海底散歩、お前が興味ないだろ?」
「まったく興味ない」
「じゃあいいじゃないかしなくても」
「お前ばっかりこっちに来てもらうの悪いと思ってな」
「あぁ…別にいい。苦じゃない。辛かったら来ない。
………」
ウェーブはいつも揺れ動いてる目をナパームに合わせてジっと見上げてくる。
「ん?」
「もしかして、俺は…邪魔なのか?」
「え?なんでそうなる」
「来て欲しくないという遠まわしの…」
「違ッ!!!!俺も俺なりの好意を示そうとしただけだ!!!!」
「好意?」
「そうだ好意だ。友達ってそういうもんだろ!」
「………解らん」
「ごめん俺も解らん。友達少ないクセに調子にのっちゃったぜ」
顔(というか目元)を両手で覆いながら言うナパーム。
「ごめんナパーム、傷を抉ってしまって…嬉しいよ」
「そ、そうか。お前に嫌われたらショックだったところだ。」
「暇なときこうやって遊びに来るよ」
「本当か!?やった!!」
はしゃぐナパームが可愛い。
本当に好意を向けられていると実感できた。
好意を向けられるのは、わずらわしく思うことが多いのにナパームが相手だとそんなことはなかった。
―――友達だからかな
ウェーブはそう考えながらあまり美味しくないオイルを啜った。
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