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 キングはベッドに腰掛けて、そわそわしていた。
「寝るんでしょ、キング」
 ダイナモの呟きにビクリと仰け反るように体を震わせるキング。
「あ、あぁ、寝るとも…」
 横に座るダイナモに答えるキング。
 戦後、彼との関係は大分緩和された。
 折角ダイナモを改造してあげたのにそれが気に入らないことに対しキングは首をかしげていたものだが、キングがダイナモたちの感覚を知っていくうちに自分の行いの罪を理解した。
 それからはダイナモを傷つけてしまったことに対しての後悔による謝罪を述べ、彼をケアしようと必死になってしまったのだ。


 両極端


 ダイナモはそう感じた。
 加減を知らぬのだ、加減という言葉自体も理解できていないのかもしれない。
 そしてキングを知っていくうちにダイナモも態度が柔らかくなった。
 呆れた、という表現が一番合うかもしれないが。
 恐らくキングという男は、思ったことを実行しないと気がすまないのだろう。
 それは病的なまでに。

 ―――完成しないまま闇に溶け込んでしまうのではないか、という恐怖そのものを味わうと忘れられるものではないね。だから私は完成したものが好きなんだ。中途半端は嫌いだ。

 ある日ぽつりと漏らした言葉。
 それが原因なのだろう、これが原因なのだろう。
 あぁ哀れな王様。
 あぁ可哀想なロボット。
 眠れないのだ、彼はロクに眠らない、眠れない。

 この現実が全て未完成のロボットが夢見る世界だったら?

 怖くて怖くてたまらないのだ。
 嗚呼、子供のような王様。

 ダイナモはキャノピーを開き、キングのオデコにキスをする。
「おやすみキング」
「おやすみダイナモくん。また明日」


 ―――僕の傷は癒えたから、今度はキングの番


 キングを知っていくうちにそう呟いてしまった、ある日。


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