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「お前も大変だよなぁ?森を焼かないと死んじまうんだもんなぁ?」
 パイレーツは同情するような眼差しを向けながらバーナーを見下ろす。
 そのバーナーは拘束され猿轡を噛まされて唸っていた。
 先ほどまではパイレーツを睨んでいたが時間が経つにつれて焦りと恐怖が色濃くなり、今では目を見開きガタガタと震えている。
「爆発するとこ見ててやるよ」
「ッ…ッ……!!!」
 ボロボロと涙を零しながらバーナーはパイレーツへ視線を向ける。
 ―――この顔を見るのがこの上なく好きだ。
 ―――人が恐怖に顔を歪ませ泣く様は興奮する。
 もしかするとキングもそうなのかもしれない。
 でなければ、バーナーにこんな仕打ち―――否、自分の様なロボットを生み出さない。
 パイレーツは一頻りバーナーを嘲笑うと気が済んだ様子で拘束を解いた。
「今から急げば森ひとつ、燃やせるだろ?」
「~~~~~~~~~~ッ!!!!!!!」
 バーナーは言葉になっていないわけの解らぬ絶叫を上げながら出て行く。
 パイレーツはその様子にケタケタ笑う。
 おかしい、おかしい。あいつは頭がおかしい。
 面白い、あぁ面白い。バカな犬を見るのは面白い。
 キングもそうなんだろ?
 パイレーツは背後に視線を向ける。
「いたのかいキング」
「……」
 無表情のキングが立っていた。
 しかしパイレーツと目が合うとその顔を、口元を緩ませる。
「関心しないよ。バーナーくんで遊ぶのは。自爆して基地が飛んでしまうじゃないか」
「本当に自爆したらな」
「自爆するとも」
 微笑みながらキングはパイレーツに歩み寄ってくる。
「君にも自爆装置を付けてあげようか?」
「残酷な王様だな。俺にそんなモンつけなくてもいいだろ」
「ふふふ…あまりバーナーをからかうのはお止しなさい」
「アンタがいうか?それ。」
あとがき
 病みキングと性格の悪い海賊。        
        
  
 
 
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