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 一生の不覚だと思った。

「まさかこの私が感染するとは」

「キング大丈夫かよー、めっちゃ熱いんじゃねーの?」

 バーナーは氷を一つ摘んでキングの顔へ落とす。

 しゅううううっとどんどん小さくなっていく氷。

「ブハッ!面白!!!!」

 何が面白いのか、腹を抱えて笑うバーナー。

「人で遊ぶのはやめたまえ…」

 弱弱しい声でキングはバーナーに言う。

「バーナー、氷じゃなくて冷却シートを持ってきなさい。

 排熱が追いつかなくて体中エラーで動かしにくいんだ」

「舌はよく動くみたいですけどねー」

「バーナーくん…」

「わかってますって」

 バーナーはニヤニヤしながら部屋を出て行く。

 何故バーナーは大丈夫なのだ。

 バカだからか?

 もしかするとネットワーク感染なのかもしれない。

 バーナーは外部接続なんぞしないだろう、全ての情報はテレビによる視聴覚からの情報で補っている。

 人間はロボエンザなどと名前をつけているが


 これは、この感覚は―――


 親の顔が浮かんできてキングはグっと唸りながら目を閉じる。

 願わくば、黒い兄も感染してればいいのにと思いながら。


END

*本家10ネタ
*クロバトの脳内ではキングとフォルテは腹違いの兄弟みたいなイメージです。

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