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 キングの野望も打ち砕かれ再び平和になったかと思えば今度はライト製のロボットが暴れているという。
 それを聞いてキングはとてもとてもにこやかな笑顔を浮べていやがるのでバーナーは心底「こいつ本当に性格がワリぃ…」と思った。
 キングが何を考え何を思っているのか、などといった興味は微塵もない。
 ただただ己はこのふてぶてしい態度を取るキングに振り回されるばかりなのだ。
「あんた、人間に対して謝罪の旅をしてるんでしょう?暴れてるやつ止めないんですかぁ?」
 なんてやる気のない声で一応、聞いてみる。
 もしかすると気分が変わって動くかもしれない。そう、この男はそのときの気分で動くようなのだ。
 一応改心はしているようなのだが所詮はワイリーロボなのか、善悪の分類が曖昧で口ばかりよく動く。
「ははは、人間に否があるのにどうして止められる?まぁぶっちゃけ今回の経緯はわたしたちには関係のないことだ。
 だから当事者が暴れないと筋が通らないじゃないか。バーナーくんは本当に頭が悪いね」
「腹立つ!!誰が好き好んでアンタとこうやって一緒にいるか!居場所がないからここにいるんだ!」
「生まれを呪う?わたしも大分呪ったけどねぇ」
「俺はもうアンタと喋らねぇ!ずっと平行線のままだからな!アンタもうちょっとこっち側に歩んできてもいいんじゃねーの!?」
「……」
 キングは視線をバーナーに向ける。
 すごく真面目な表情で。
 ―――あぁ、そんな空虚な目で見ないで欲しい。
「いやだね。王は誰にも理解されてはならないものだ」
 吐き出された言葉にバーナーは顔を歪める。
「アンタもう王じゃないだろ」
 ―――だから俺らと一緒なんだから、もっとこっちに歩み寄ってくればいい
 ―――もう独りじゃないのだから
「…そうだねぇ、ただの捻くれ者かな?」
 ニッコリ微笑む。
「おいでバーナー」
 キングがバーナーを呼びながら歩き始める。
 命令ではないのに身体は勝手にキングの後ろをついていく。
END        
        
  
 
 
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