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 キングは好きな人はいるのか、という問いにキングは緩やかに首をかしげて考える仕草をする。
「君たちに好意は持っているよ?」
「いや、その特別なカンジョー、みたいなの」
 バーナーはキングに言う。
「いないんだったらそれはそれでいいんです」
「そうだね、いないし…今後作ることもないだろう」
「え!?」
「だって私は王だからね。」
 そういって小さく笑うキング。
「あ、あぅ…」
 バーナーは口をパクパクさせて何か言い出したい様子なのだが言葉にならないらしい。

「そういえば、マジックも君と同じ質問をしてきたね。
 私はそういうことに対して興味は無いんだ、諦めたまえ」


 スパっと切られた。

 バーナーはどこをどう通って帰ってきたのか、気づけば自室に戻っていた。
「う、うぅ…俺もうダメだ、うう…俺はキングのこと好きなのになんでだよ…!!」
 しかしキングに好きな人がいないだけが救いか。
 いたら多分嫉妬の炎で炭にしているだろう。
「キング寂しくないのかよー…」
 バーナーは立ち直るまでしばらくじたばたしていた。



    *****



「モテモテじゃねーか。食っちまえばいいのに」
「そういう趣味はないのだよ」
 キングはパイレーツからワインを受け取りながら答える。
「……そうか、抱かれる側か」
「……」
 無言の笑顔を向けるキング。
「冗談だよ。こぇぇーよ何か喋れよ」
「君は下品だな。別に構わないんだけど。
 私はただ本当に興味が無いだけなんだ。」
「一回俺に抱かれればいいんじゃね?」
「結構。そうだなぁ、パイレーツなら抱いてあげても構わないけど?」
「何されるかわかんねぇからお断りだぜ。」
「心外だな」


実は相手をするほど心に余裕がないキング。

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