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補足説明
ジェミニが病んでてビッチで誘い受け。スネークを我が物にしていると思い込んでるけど実際依存してるだけ。
スネークは根暗で無自覚ドS(猟奇)。ジェミニに良いように扱われてると思い込んでる。
ジェミニは少し機嫌よさそうな表情で休息所へやってきた。
両手には白と青の薔薇の花束。
「あれージェミニどうしたのそれ」
マグネットがジェミニに声をかける。
「スターマンに貰ったんだ。花があれば美しさが際立つと。…綺麗?」
上目遣いでマグネットに問いかけるジェミニ。
「ジェミニちゃん超綺麗だよぉぉぉぉぉ!!!!」
「小道具も使ってみるものだな…ふふふ」
満足そうに微笑むジェミニ。
「マグネット、適当に処理しといてくれ」
言いながら花束をマグネットに投げる。
「部屋に置かないの?せっかく貰ったのに」
花束をキャッチしながらマグネットは首をかしげる。
「俺は花を観賞する趣味はない。24時間花を持ってやる義理もない。つまり要らない」
「ジェミニちゃん飽き性…」
「じゃあくれ」
会話に入ってきたのはスネークだった。
さっきまで黙って雑誌を読んでいたが、そこから顔を上げて花束を見ている。
「そうだね、スネークならお花を大切にしてくれそう」
マグネットはほわほわオーラを出しつつスネークに花束を手渡した。
「花瓶持ってる?」
「バケツがある」
「スネークはスネークで変なところがいい加減だよね…」
もう少し情緒っていうものを…なんてマグネットが呟いている間に、ジェミニはソファに座ってE缶を飲み始めていた。
「別にいらねーよ花瓶とか。花ってしばらくしたら枯れるし。」
「本当、生物って醜い」
「はいはい、ジェミニは美しいから黙っててくれよ」
スネークは言いながらソファから立ち上がる。
「どこに行くんだスネーク」
「部屋に戻る」
ジェミニに答える。
「あとで俺の部屋に来いよスネーク」
「気が向いたらな」
言ってスネークは部屋へ戻ってしまう。
「ジェミニ、横座ってもいい?」
「ん」
マグネットはジェミニの横に座る。
「最近スネークと仲良しだね」
「妬いてるのか」
「うん、少し…スネークと仲良くなる前は俺と仲良しだったのに」
「…お前よりスネークの方が都合がいい、あいつは俺に惚れない」
「惚れるなっていう方が無理だと思う」
マグネットはマスクを外す。
「まだジェミニのこと好きなんだ。ジェミニを一目見たときから好きだよ」
「あぁ、知っている。」
呟いて、ジェミニはマグネットにキスをする。
「…」
キスが終るとマグネットはマスクを戻し、立ち上がった。
「満足したのか」
「うん、ジェミニが触れてくれるだけで俺は幸せ」
「よくわからない男だ。」
ジェミニはE缶の残りを飲み始めた。
◆◆◆◆
深夜の時間帯だった。
「スネーク、どうして来てくれないんだ」
ジェミニとホログラムが、部屋の前で立っていた。
その碧の瞳はひどく虚ろ。
「…気が向いたらっていっただろ」
「俺のことが嫌いなのか?」
『酷いよスネーク、お前は私のこと好きなんだろ?』
「なぁスネーク、俺はお前のことを―――」
「うるさい!」
ジェミニを突き飛ばすスネーク。
「す、スネーク…!?」
床に倒れながらも顔を上げて、泣きそうな顔でジェミニはスネークを見上げてくる。
「俺はお前のこと好きともなんとも思ってない!
お前がしつこいから相手をしてやっただけなんだよ、もう付きまとうな!!」
ドアを閉じ、ロックする。
ドアの向こうからジェミニがスネークを呼ぶ声が聞こえてくる。
夜のジェミニが怖い。
スネークは聴覚センサーを手で塞ぎながら蹲った。
いつからだったか、あぁそうだ―――突然だった。
ジェミニが部屋にやってきて―――
それからはもう言われるがまま、命じられるがまま、人形遊びに付き合わされる。
『開けてくれないのか、じゃあシャドーでも壊してしまおうかな』
「!?」
恐ろしいことを言ってくる。
『お前の友達のシャドーぶっこわしてやろう、思い出せよスネーク。
お前、俺のジェミニレーザー喰らって酷い顔したよなぁ!痛かったろ?
なぁスネーク、シャドーもお揃いの痛みを与えてあげようか。友達だもんな、その権利はあるよなぁ!』
「っ…シャドーは関係ないだろ!やめろ!」
ドアを開くスネーク。
「あぁ、スネーク…素直に俺のいうことを聞いていればよかったんだ。
ごめんな酷いこといって……」
スネークに抱きつくジェミニとホログラム。
「……」
スネークは二人を振り払って部屋の奥へ戻る。
ジェミニはニコニコと笑顔を浮かべながらスネークの後ろへついてきた。
「ジェミニ、俺仕事を仕上げなくちゃいけないんだ」
「ふぅん?じゃあ待つ。」
言って勝手にベッドに横になった。
スネークは極力ジェミニを意識しないようにしながら、椅子に座ってコンピュータのパネルを操作する。
後ろでジェミニとホログラムがいちゃいちゃしているようで、小声で何か話しながら笑っている。
―――独り言を言ってなにが楽しいんだろう
ジェミニのホログラムは自律型ではなくジェミニ自身が操作するタイプ。
ジェミニが独りで『ごっこ遊び』をしているだけだ。
今度人形でも与えてみようか、と思ったがヤツは自分以外に興味がない、無意味だ。
―――花でさえ俺と同じ小道具扱いだったな
ちらっと昼間に貰った花を見るスネーク。
植物は嫌いではないので貰ったが、一番の理由はなんだか自分と同じ扱いを受けているように見えたからだ。
先に枯れて朽ちる分、花のほうが幸せかもしれない。
「スネーク、まだ?」
スっと、後ろからジェミニが抱き付いてくる。
「まだだ」
『私より花なんか見てるくせに、まだなんだ』
ホログラムが聴覚センサーの近くで低く囁く。
ゾクゾクしてしまう。
ジェミニの手がスネークの首元を這う。
ホログラムの手がスネークの腹部を這う。
「もう少しだから、触るなっ…!!」
「撫でてるだけだよ?」
『怒るなよスネーク…』
くすくすくす…と左右から笑い声。
ジェミニの声を聞いているとダメだ。
思考が混濁する。
ゾクゾクとしたおかしな感覚に身体が震え、手が止まる。
この感覚はなんなのだ、この感情は―――
俺は、ジェミニが怖い
「っ…」
「うわぁぁぁぁ!!!?」
『ひぃ!?』
ぼとりと天井から落ちてきたサーチスネークに悲鳴を上げてスネークから手を離して逃げるジェミニとホログラム。
スネークは自分が咄嗟にサーチスネークを呼んでしまったのだと気づいた。
しかしジェミニに動揺している姿を見られたくなかった。
これ以上つけ込まれるのは嫌だった。
スネークはもっとサーチスネークを呼ぶ。
「す、スネーク!?」
ホログラムと抱き合いながら泣きそうな顔をするジェミニ。
「まだ時間かかるから。こいつらと遊んでろ。俺と同じ蛇だぜ?」
「同じじゃないっ…!」
「普段俺のこと蛇っていってるくせに。いいじゃん楽しめよ」
「ひぃっ!!」
サーチスネークを襲わせて、スネークは椅子に座りなおした。
ジェミニの悲鳴が聞こえる。
極力意識しないよう、スネークは作業を続けた。
悲鳴を上げていたジェミニは随分と大人しくなっていた。
散々サーチスネークに弄られたせいか、拒絶の意を示しつつも顔を紅潮させ
蛇を見たくないのか、ホログラムと抱き合ったままキスをしたりしている。
「気持ちよさそうだなジェミニ」
ジェミニに歩み寄って見下ろしながら声をかける。
「すねー、く…やめて、これ、もうやめてくれ…!」
スネークはサーチスネークに撤退の信号を送る。
にゅるにゅると素早くサーチスネークたちはジェミニから離れた。
「はぁ、スネーク…お前がいいんだ…俺はお前が…」
「……」
ジェミニとホログラムはスネークの脚にしがみ付く。
「お前も俺が好きだろう?」
『なぁ、スネーク…だって、そうじゃないと…』
スネークのズボンに手をかけ、ナニを取り出す。
それは一本ではなく二本あった。
「局部パーツ変えないよなぁ、好きでもないやつのために」
「それはお前がそうしろっていうから…」
「そうだったか?覚えていないな」
ジェミニはうっとりとした表情でナニへしゃぶりつく。
「っ…」
ジェミニとホログラムが一本ずつ同時に舐めるので快感の度合いが違う。
「じぇみに、でるっ…」
「っう…!!」
口内で熱を受け止める。
「はっ…横になれよスネーク」
笑みを浮かべながらいうジェミニ。
スネークは素直に従い、ジェミニは上へ跨る。
「スネーク、大好きだよ。お前は俺の言うことを素直に聞いてくれるから」
「っ…」
スネークは唇を噛み締めて声を殺す。
ジェミニの中に飲み込まれていくその感覚に耐え切れず腰が動く。
(あっ―――だめ、だ…―――っ……)
息を吐き、指を噛んで意識を違う方へ向かわせようとするスネーク。
身体がジェミニを求めてしまう、しかし求めてはいけない。ジェミニが喜ぶだけだ。
「そんなに俺がスキか、嬉しいよスネーク。お前は俺が好きで好きで堪らないんだ」
まるで呪詛のように囁くジェミニ。
「そうやって拒んでいてもな、お前は俺が好きなんだよ…ふふ、ふふふふ」
『ふふふ…』
ホログラムは残ったもう一本に手を伸ばして刺激し始める。
「うぐっ…う、ぅぅ……」
スネークは手を噛み続けて声を抑えながら、ジェミニから顔を背けつつもう片方の腕で顔を覆う。
ジェミニの腰の動きとホログラムの手の動きはタイミングが良く、スネークの理性が吹き飛びそうになる。
「キスしようかスネーク?」
ジェミニはスネークに被さり、彼の両腕を掴み上げる。
「ひっ…嫌ッ…嫌だぁ…!!」
「泣くなよ、そそるだろ…」
スネークにキスをするジェミニ。
「ねぇスネーク、俺とホログラムを同時に抱いてくれ。スキだろ?」
震えるスネークに囁く。
スネークは、ジェミニに目を合わせることはなかったが、小さくコクンと頷いた。
向かい合わせに抱き合うジェミニとホログラムをスネークは犯していた。
「あ、あっ…好きだ『私』、愛してる、あぁ…」
『醜い蛇に、犯されてる『俺』、すてきだよ、愛してる…あっ…』
囁きあいながらキスをする。
そこにスネークが入る隙はない。
この二人の世界を作るためだけに利用されているのだ。
そう思うと心の奥底でよくわからない感情が沸き起こってくる。
さっきの恐怖心とは違う、もっと黒いものだ。
―――壊してしまいたい
こいつを、こいつの世界を、全部壊してしまいたい―――
「痛っ…スネーク!?」
ジェミニの腕を掴んでいるスネークの手に力が篭る。
「やっあっ…!?」
動きを強め、中へ廃油を排出する。
「あっあぁぁぁ……」
排出される感覚に感じているのか、ガクガクと震えるジェミニを抱きしめホログラムから引き離した。
「すねー、く…?」
「煩い…」
『ひっ!?』
ホログラムにサーチスネークが群がる。
『いやぁぁぁぁ!!?』
「ひぃっ―――」
スネークはジェミニの口を手で塞いで再び犯し始めた。
「んぐっ―――うっ…!!!」
「ホログラムが大嫌いな蛇に犯されてるけど、お前はその姿を見て興奮してるんだろ?
そうじゃなかったらホログラム消してるよなぁ?」
「っ……」
ぶるぶると震えるジェミニ。
「イキそうなの?なぁ、お前はこういうの好きなんだ?被虐的な自分を見るのが好きなんだろ?
何だかんだ俺に言ってさぁ!結局は自分のことしか考えてねぇじゃねぇーかぁ!!!」
スネークはジェミニを床へ押さえ込んで激しく犯し始める。
「ひっあ、すねーく、すねーくっ…!!やめ、いたい、いたいから…!!!」
「知るか!嫌がってるくせになんで感じてんだ?オニイサマ!」
「あっあぁぁ………!!!!」
ジェミニは声を上げながらイってしまう。
そのジェミニの表情が堪らない。興奮する。
「ジェミニ、まだ終ってないからな…終るわけないよな、お前がそんな顔するから…!」
「す、ね……」
スネークを見るジェミニ。
しかしスネークはジェミニと目を合わせようとはしなかった。
◆◆◆◆
「ねぇスネーク、お前は俺のことが好きなんだ」
『だから好きだと言ってくれればいいだけなのに』
「どうして拒むんだスネーク?」
『ねぇスネーク』
「煩い…やめてくれ…」
聴覚センサーを手で塞ぎながら、スネークは青ざめた表情で呟く。
しかしジェミニはクスクス笑いながらホログラムとスネークを囲むようにして座り、囁き続ける。
終ったあと、スネークは酷く狼狽した。
どうして自分があんな攻撃的になったのかわからない。
ジェミニは意識を取り戻すといつもどおりの態度でこうやって囁いてくる。
怖い、ジェミニが怖い。
「お前の声、聞きたくないんだ…」
「どうしてだ、スネーク」
「気が、おかしくなりそう……」
虚ろな目で、スネークはジェミニを見た。
「クク、気がおかしくなる?ロボットが?」
『ふふ、あははっ!おかしなスネーク!』
「やめてくれ、嗚呼…!!!」
スネークはジェミニから逃れるかのように蹲る。
「お前のこと好きじゃないんだ、好きだったら…スキだったら…お前のこと、壊したいと思わない…
俺は、お前が嫌いなんだ…お前をぐちゃぐちゃにバラしたいんだ……」
「すればいいのにスネーク。」
ジェミニが後ろからスネークを抱きしめる。
「それも愛だよ。そういう愛もあるさスネーク?」
「………っ」
スネークの瞳は酷く揺れ動いていた。
「しろよスネーク。遠慮なく……」
「む、り…こわい、こわい……」
「ふふ、臆病なスネーク……」
「ジェミニが怖いんだ…」
「おかしなスネーク。俺は、怖くないよ?ほらスネーク、俺を見て?」
ジェミニはスネークを振り向かせる。
「怖くないさ…」
キスをする。
スネークは、抵抗せずそれを受け入れた。
◆◆◆◆
定期メンテナンス以外に数ヶ月に一度オーバーホールがある。
DWNは金欠状態なので本当にあるかないかであるし、優先順位というものもある。
今回はジェミニだった。
メンテナンス台の上で、四肢をばらされ胴体の一部もむき出し状態で無数のコードにつながれたジェミニが横たわっている。
今この場にはスネークしかいない。
スネークがメンテナンスを請け負ったからだ。
メンテナンスとは違いオーバーホールなので普通はありえないことだが、スネークの手先の器用さと頭のよさが幸いした。
「……」
スネークは端末を操作する。
笑みがこぼれる。
あぁ、ジェミニと二人っきりになれるのだ―――そう思うと笑いがこぼれる。
「うっ…」
ジェミニがうっすらと目を開く。
「…?」
「おはようジェミニ。まだメンテナンス終ってないんだけど起した」
「っ!?」
目を見開き、何か喋っているようで口をパクパク動かしている。
「あぁ、発声回路切ってある。大声出されても困るし。腕もバラしてるからホログラムだせねーよ。
二人っきりだねジェミニ」
にっこり微笑むスネーク。
「今のお前は怖くない」
「……」
スネークはジェミニの頬に手を当てる。
「お前は何も出来ないから怖くない。ふふ、人形みたいだなお前。
そういうのスキだよ俺。犯してやるからな、たっぷり―――」
「―――」
ジェミニの唇が動く。
―――『スネーク』…そういう動きをした。
*****
スネークを挟むように双子が座って、スネークに何か囁いている。
スネークは苦悶の表情を浮かべたまま、耐えるように俯いている。
「スネーク、好きって言って」
「………」
「俺はスネークが好きだよ?」
『大好きだスネーク』
「………」
スネークの瞳が揺れ動く。
―――知っているくせに、わかっているくせに。
―――この男はなぜ離れてくれない。
あぁ、この男をバラバラにして犯したくなる衝動に耐えるのが辛い―――
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