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「おいスネーク!今気づいたんだが!!」
        
         ジェミニは顔を上げながらスネークに叫ぶ。
        
        「口の周りクリームだらけにして何なの?誘ってるの?」
        
         雑誌から視線だけをジェミニに向けてスネークは呟く。
        
         ジェミニはマグネットにパフェを作らせもくもくと食べていたのだが、不意に何かに気づいたらしい。
        
         甘いものを摂取中はジェミニはとにかく無防備だ。
        
         マグネットはそれが可愛くて仕方がなくてついつい甘いものを与えてしまう。
        
         まぁこの場にマグネットはいないのだが(運悪くメタルに呼び出されどこかへ行ってしまった)。
        
        「シャドーとコウモリとうとうヤっちまったけどよく考えたらコウモリまだ童貞じゃないか!?
        
         なんか違うような気がするんだよ俺。もっとこう、シャドーが泣けばいい方向に行きたかった気がするんだが」
        
        「わぁドS。ま、確かに…仕方がないな。俺がやっぱり人肌脱ぐか」
        
        「童貞卒業して素人童貞にジョブチェンジか。胸が熱くなるな」
        
        「させるかぁぁぁぁあ!!!」
        
         天井から降ってくるシャドー。
        
        「ドーモ、シャドー=サン。スネークです」
        
        「ドーモ、スネーク=サン。シャドーです、イヤーッ!」
        
         オジギ終了から僅か0.3秒!
        
         シャドーの腕が素早く動き2発のスリケン(シャドーブレード)を投擲していた!タツジン!
        
         しかしスネークはスリケンを軽い身のこなしで避ける!スゴイ!
        
        「俺に解らんネタ挟むの止めろ」
        
         なにやらイヤーッ!とかWasshoi!とか叫んでふざけあっていたシャドーとスネークは大人しくなる。
        
        「ジェミニ殿は口の周りを早く拭いた方がいいと思われる」
        
        「スネーク拭け」
        
        「どんだけお姫様でござるか」
        
        「全部食ってからにしろよ、お前最近食い方汚くない?大丈夫?電子頭脳バグってんじゃない?」
        
        「なんかお前といるとどうでも良くなったきて……がっついてもスネークが舐めてくれるし、とか思ったらどうでもいい…」
        
        「あぁ、バグってるでござるな、お花畑の方面へ」
        
        「お前どんだけ俺のこと好きになっちゃってるんだよ…」
        
         生暖かい目を向けるスネークとシャドー。
        
        「まぁいいや、シェードのところ行ってくる。レッツ☆筆おろし!」
        
        「させるかぁぁぁぁ!!!」
        
         スネークにタックルするシャドー。
        
        「スネーク殿は拙者のモノでござるぅー!!!」
        
        「俺のだよ」
        
         もぐもぐシュークリームを食いながら呟くジェミニ。
        
        「まぁまぁシャドー、お兄ちゃんたちの粋な計らいだよ?」
        
         スネークは宥めるようにシャドーに言う。
        
        「シャドーの反応が面白すぎるから紳士を弄くってるわけじゃないよ?ウフフ」
        
        「おもいっきり本音はそこにあるでござろぉぉぉぉぉ!!!」
        
        「えぇー、シャドーってば心配性なんじゃなーい?
        
         別に紳士が俺に惚れちゃっても3Pとかすればいいし」
        
        「どんだけ自分の身体を粗末にしやがるでござるか!安売りダメ絶対!!」
        
        「別に安売りしてねぇよ。ジェミニっていう恋人がいるのに浮気しちゃうこのなんかよくわからん感覚が快感だ。
        
         あとでお仕置きされるんじゃね?っていう期待感もある」
        
        「スネーク殿もだいぶ電子頭脳がバグっているでござるなー…」
        
         一般的な恋人像からえらく二人はかけ離れている。
        
         しかし仕方がないかもしれない、この二人は性格は悪いし人格も歪んでるし元々仲が悪かったし。
        
        「仕方がないでござる…拙者、スネーク殿からシェードの貞操を守でござるよ」
        
        「お、やっとデレてきたか!」
        
        「デレてないでござる!!これはシェードにスネーク殿をやるのが勿体無いからでござるぅー!!!」
        
        
        
            ◆◆◆◆
「というわけでまったくあの二人は困ったものでござるよ」
        
        「ほんとに玩具にされてますね私」
        
        「他人事みたいにいうなー!!」
        
         きゃんきゃん吠えるシャドー。
        
         ここはシェードの部屋で、シャドーはソファに座ってトマトジュースを飲んでいた。
        
         シェードの部屋はシャドーと反対に洋風。
        
         そして不思議なことにベッドがないので聞いてみたら天井にぶら下がって寝るらしい。
        
         確かに彼の翼を考えるとそっちのがいいのだろうが「コウモリだな」と感想を呟くと全力で否定してきた。
        
        「吸血鬼というものは棺おけで眠るのではないか?漫画でみたぞ」
        
        「え、棺おけとか狭いところ怖いです。密閉じゃないですか、うわぁ……」
        
        「お前ってたまにすごく地味なところでカッコ悪いでござる」
        
        「あ、普段はカッコイイと思ってくれてるんですね。嬉しいな~」
        
        「思ってるかぁ!!ちょーしに乗るなよ!!?またトマトジュースプレイしてやろうか!!?」
        
        「え、えんりょします…」
        
         シャドーから距離を置くシェード。
        
        「お前がそんな態度だから弄ばれるんだ。こっちにこいシェード」
        
        「えー、じゃあ失礼します」
        
         シャドーの横に座る。
        
        「……」
        
         じっと、紅い瞳でシェードを見つめるシャドー。
        
        「あの、シャドー…さん?」
        
        「キスしてみ?」
        
        「いきなりだなー毎回…なんでしないといけないんですか」
        
        「この草食系男子め!拙者に惚れているくせに素直になれぇー!!!」
        
        「惹かれてるんです!まだそこまで行ってませんから!」
        
        「一緒じゃああああああ!!!!」
        
        「い、いやぁぁぁ!!!!!」
        
         結局シェードはシャドーにトマトジュースプレイをされたのだった。        
        
  
 
 
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