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 スネークがフラッシュのお手伝いでサード区にいない頃、シャドーとジェミニは珍しく二人揃っていた。

 スネークがいないとこの二人は会話もしないのだが別に仲が悪いわけでも良いわけでもない、会話するネタがないだけなのだ。

 だた今日は違った、スネークという話題があったのだ。



 シャドーの部屋でジェミニはどら焼きを食べながらシャドーの話を聞いていた。

「―――そしてこれがジャパニーズ拘束」

 えろい雑誌のとあるページを指差し言うシャドー。

 なぜシャパニーズだけ英語なんだ、という突っ込みはジェミニはあえてしなかった。面倒だった。

「亀甲縛りという。スネーク殿に似合うと思うのでござる」

「なるほど、確かにな…」

「汗で縄が食い込んじゃう、という演出がロボットでは出来ないのが残念でござるが。」

「その辺は仕方がないな。スネークが帰ってきたら決行だ。用意はお前に任せた」

「承知」

「ところでシャドー、買出しに行かね?シュークリーム買いに」

「また甘いものでござるか!この甘党!!

 スネーク殿はスナック菓子とインスタントばっかりだし二人とも偏りすぎているでござるな!」

「ばっ…甘党じゃねーよ!!ちょっと頭の回転効率あげるのに甘いもの食べてエネルギー補う方がいいんだよっ」

 顔を赤くして言い訳をするジェミニ。

「男の子でも甘党っていいじゃないでござるか。何を恥じる。さぁ認めるが良い、甘党だと!」

「うぐぅ…」

「シュークリーム買った後、ちょっと今人気のカフェに立ち寄りケーキかパフェを食べたりとかしたかろうが!」

「うぐぁぁぁぁやめろぉぉぉ俺の心を揺さぶるなぁぁぁぁぁ!!!!」

「ハハハハッ!この女子中学生め!」

 スネークがいないせいか、二人のテンションのバランスがおかしかった。



   ◆◆◆◆



 スネークの部屋にて。

「スネーク殿~キツいでござるかー?」

「き、キツぃ…はっぁぁ…」

 スネークは帰ってくるなりアーマーを脱がされボディスーツのみの姿にされた所を、シャドーが例の亀甲縛りで縛り上げたのである。

 縛る前に下半身の部分をジェミニが破り、バイブを突っ込まれたが。

 息の合ったコンビネーションアタックであった。

 身動きを取ろうものなら縄がバイブをぐいぐい押し込むので中で不規則に動いてしまう。

「お、俺なんかしたぁ?」

「いや全然」

「ちょっと縛りたかっただけでござる」

「あ、フラッシュマンといちゃついてたのが許せない」

「そうでござるな、しかし取ってつけたかのような理由が痛い」

「お前らなぁぁぁ…!!」

 涙目で叫ぶスネーク。

「まぁいいじゃねーか、お前ドMだもん」

「だからっていきなりむぐっ!?」

 ガムテープでスネークの口を塞いでしまうジェミニ。

「なんかガムテープってえろいよなってシャドーと話してな…うんイケんじゃね。こう、犯罪くささが出て」

「似合ってるでござるよスネーク殿」

 褒められているようだが全然嬉しくない。

「…おいシャドー…スネークの目が4つあるんだがどう隠せばいいと思う?」

「………」

「んうううううっ…!!」

 スネークは二人を睨む。

 4つ…顔の部分と、恐らく残りは蛇メットのことだろう。

 たしかにこの蛇メットから外部の映像を見ることは可能だ。飾りでこんな頭をしているわけではない。

「メットはガムテープでいけるよな…」

 言いながらペタペタと目の部分を隠す。

「なんでお前の頭はそんな造形なんだよ!ふざけんな!」

(ワイリー博士とライトに言えよ!!!お前がふざけんな!!)

 心の中で反論するスネーク。

「あ、こうすればいいんでござるよ」

「あ、なるほどなーお前たまに頭いいなぁ」

 シャドーがタオルを持ってきてスネークの目に押し当て、その上からガムテープを張って固定する。

 タオルが顔とメットの隙間を埋めて目隠し完了である。

「おいスネーク、ここ開けろここ。引っかいて外すぞ」

 ジェミニはスネークの蛇メットの尻尾の付け根部分を指でコツコツ叩く。

「っ…」

 スネークは素直に従い、カシャっと小さな音と共に付け根の部分の一部が開く。

 そこにチップを挿入した。

「っ!?ふ、ぅ…んぅぅ……!!!」

 スネークがぶるぶる震え始めて床の上で身悶え始めた。

 えっちなパルスが流れるチップを入れたのだ。

 全身に快楽の信号が送られ、スネークは今とんでもない状態になっていることだろう。

「3時間ぐらいで信号止まるらしいからがんばれよ。イってなかったらご褒美をくれてやる」

「ジェミニ殿鬼畜!」

「お前もだろ鬼畜忍者。じゃあスネークこのまま放置でどっかで時間でも潰すか」

「うむ」

「!!?」

 スネークがなにかもごもご言っているがジェミニとシャドーはニヤニヤと笑みを浮かべながら部屋を出た。

「ふ、ふふふふ…スネークが惨めな姿になっていると思うと興奮して笑いが止まらない」

「歪んだ愛でござるな…」

 歩きながら会話をする二人。

 とりあえず休息区にでもいこう、と足はそちらに向かっている。

「ふふふ、スネークも俺に愛されて嬉しいはずだ。なぜなら俺は美しいから」

「そこは否定しないでござる。美しい云々は置いといて」

「あ、シャドー先輩そちらにいらしたんですかー」

「!!」

 シャドーはシャドーブレードを取り出し構えながら声の主を睨んだ。

 目の前、少し距離を置いてシェードが立っていた。

「帰れ帰れ!拙者はお前に用事なんぞない!!」

「私があるんですけど…」

「ようシェード、紅茶淹れてやろうか?」

「あ、よばれます。ジェミニさんの紅茶美味しいから嬉しいなー」

「ジェミニ殿ぉー!!!」

「お前の分も淹れてやるって」

 言いながらジェミニはシャドーの頭をぐりぐり撫で回す。

「なぁシェード、こいつ嫁に貰ってやってくれね?」

「はぁぁぁー!!?」

「わぁ、ありがたく」

「俺がありがたくねぇー!!!ジェミニ殿!本人が認めぬ縁談を進めるのはけしからんでござるよ!?

 しかも嫁ってなに!?どういうこと!?」

「お前、愛がよくわかんねーんだろ?愛されればもう少しマトモになるんじゃないか?」

 ジェミニはシャドーを見ながら言う。

「あ、それだと私はダメですねぇ」

 シェードが口を挟んでくる。

「私の愛って薄いですから。」

「そうなの?お前らどんだけ不器用なんだよ。俺みたいに愛に生きてないんだな。」

「まぁジェミニ殿のように人生を自己愛に注ぎ込んではないでござる…」

「自分が完璧すぎて怖い」

 ほぅ、とため息を吐きながらうっとり顔でいうジェミニ。

「ジェミニさんって面白いなー」

「あぁ、くそ…シェードがマトモに見えてくる」

「私マトモですけど」

「どこがっ…!!」

 こんな感じでシャドーは始終シェードに突っかかっていた。



   ◆◆◆◆



 スネークの部屋に入るジェミニ。

 スネークは床の上でガクガク震えつつ、快楽に耐えているようだった。

 下半身は潤滑用のオイルでどろどろだがイってはいないようだ。

 足音に気づいたのか、ピクリと身体を震わすスネーク。

 しかしジェミニは声をかけずに黙ったまま、スネークの口を塞いでいたガムテープを剥がした。

「んぁ…だ、れ…誰だ…?」

 涎を垂らしながら、声を上げるスネーク。

「ジェミニ?なぁ、返事しろよ、誰なんだよ……」

「…」

 ジェミニは笑いを堪えながら、スネークの身体に触れる。

「ひぅ!?やめ、さわ、んなっ!触るなぁぁっ…!!」

 撫で回されてイキそうになっているようだ。

 スネークのナニがビクビク震え初めて辛そうに思える。

「やめ、じぇみに、じぇみに、にっ…おこられるからぁ…やめてぇ…」

 哀願し始めるスネーク。

 ジェミニは無言のまま、スネークの舌を掴んでひっぱった。

「ひぃっ!!!」

 痛み、強い刺激がスネークの耐えていたモノをかき消してしまう。

「あっあぁぁぁ……」

 勢いはないが、廃油が溢れ出てきた。

「舌引っこ抜かれると思ってイった?お前本当マゾだな」

「!?」

 聴覚センサー付近で囁いてやるとスネークがビクンっと震えた。

「じぇ、ジェミニ!?」

 目隠しを外してやる。が、ずっと隠されていたせいか目のピントが合っていない。

「よく我慢したなスネーク、ご褒美欲しいだろ?」

「ほしぃ、欲しい…!ジェミニが欲しい…!!」

「可愛いやつだな、ふふふ…」



   ◆◆◆◆



「うう、今頃ジェミニ殿はスネーク殿と…」

「一緒に行けばよかったのに」

 ソファの上で体育座りになって泣いてるシャドーに言うシェード。

「お前を置いていったら勝手についてくるだろーが!スネーク殿の痴態は拙者とジェミニ殿だけのもの!」

「安心してください、私はシャドーさんしか見てませんから」

「それなら安心…じぇねぇぇぇぇ!!!」

「面白いなぁ」

「あー、くそ。もうやだこいつ」

 シャドーはシェードから視線を逸らし、ジェミニが淹れてくれた紅茶の残りを飲む。

「そんなに私のこと気に入りません?」

「…うるせぇ」

「えー?聞こえないなー」

 シェードはニコニコと紳士な笑顔でシャドーの横へ座りなおすと詰め寄ってくる。

「拙者の好みはスネーク殿のようなスマァトでえろい人でござる。お前は好みじゃねぇ」

「酷いなぁ。まぁ私もシャドーさんは好みじゃないんですけど」

「なんだと!?」

「ふふ、シャドーさん面白いから、そこから興味が好意にかわっても問題じゃないですよねぇ」

「外見が好みとかそういうんじゃないのか!?」

「私、貴方の中身に惹かれてるんですけど。というか外見それ偽ってるんだしそういうの興味ないです」

「ぐっ…」

 ギリっと歯を噛み締めるシャドー。

「お前の、そういうところが嫌だ…!」

「褒めていただいてどうも。シャドーさんっててっきりスネークさんのことが好きなんだと思ってたんですけど…
 そのへんどうなんですか?」

「スネーク殿は好きだよ」

 すんなり認めるシャドー。

「しかし拙者は愛がよくわからぬゆえ、スネーク殿とは友達でござる。それでいい」

 目を細めて笑みを浮かべる。

 なんとも満足そうだ、その笑みに儚さというものがまったくない。

 逆にそれがシャドーの人格を希薄にさせているような気がする。

「貴方って変なところで純粋なんですね、面白いです」

「勝手に面白がるな!そういうところが嫌いだ!」

「んーじゃあ、言い方変えます。好きです。」

「うぐぐぐぐっ……」

 固まるシャドー。

「わー、面白い」

「お前やっぱり好きだとか以前に面白がってるだけだろ!!!」

「いえいえそんなことは」

「嘘だぁっ!!!」

「ホントなのに…じゃあ私とお付き合いでも始めてみます?」

「い、いや…だ…」

「我侭な人だなー」

 言いながらクスクス笑う。

「そろそろ戻りますね、シャドーさんとお喋りしたかっただけなんで」

 立ち上がるシェード。

「もう来なくてもいい」

「冷たいなぁ、ふふ…」

 シェードはシャドーに一礼すると音もなく消えるように去っていく。

「あぁ、冷めた紅茶はあまり美味しくないでござる。シェードのせいだシェードの。まじ許さん」

 シャドーは呟きながら、紅茶を飲み干した。

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