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「スネーク殿!E缶でもどうでござろうか!」
シャドーは雑誌を読んでいたスネークに声をかけてくる。
手にはE缶一つ。
「お、サンキュー」
「……」
シャドーは真顔で懐からハートストローを取り出してくる。
二人で飲めるあのやつだ。
「真顔でそんなもん出すな、俺の腹筋が崩壊するだろ!!」
ゲラゲラ笑いながら叫ぶスネーク。
「一緒に飲みたいでござるよー!」
スネークの笑いを取れて満足したのか、真顔から打って変わって子供っぽい表情になるシャドー。
「仕方ねーな。」
資金的な関係でE缶回しのみなど慣れているのでストローがハートになったぐらいでは動じない。
むしろノリが良すぎてシャドーとスネークは女子中学生の擬似百合に見える。
そんな光景をジェミニは眺め、そして自分の親指をガツガツ噛んでいた。
その目は嫉妬の色に染まっている。
「ジェミニも欲しいの?」
ニヤニヤ笑いながら声をかけるスネーク。
「別に!」
明らかに怒っている。
原因はスネークがシャドーといちゃついているせいという、ただそれだけで。
「ジェミニ殿は面白いでござるなー」
「かわいいよなー」
ひそひそ小声で話すシャドーとスネーク。
「おいシャドー」
「なんでござるか?」
「そのストローは余っていないのか。余っているなら寄越せ」
「余ってるでござるけど…末っ子から恐喝するのはよくないでござるよー?」
いいながらシャドーはジェミニにストローを手渡す。
自分の分であるE缶を取り出し、ジェミニはホログラムを発動させた。
「うふふ、『私』と一緒に飲むとか興奮するな…」
『やだな、興奮しなくてもいいじゃないか…私の美しさに興奮してしまうなんて罪すぎる。
でも『俺』に私も興奮してしまいそうだ』
「俺たちは、罪すぎる―――」
ジェミニとホログラムは腕を回しあう。
「う、うわぁ…」
シャドーとスネークはドン引きでその光景を眺めていた。
◆◆◆◆
ジェミニの自室にて、ジェミニはホログラムとベッドの上で横になっていた。
「スネークめ、俺がいながら目の前でシャドーとベタベタして…」
『まったく、あいつは本当に私の美しさが理解できているのか…。
こんな美しいのに…眺めもしないなんて…』
ホログラムはジェミニの頬に手を添えながら呟く。
「あぁ、美しいよ。君はなんて美しい…」
『君もだよ、あぁ―――』
ジェミニはホログラムに覆いかぶさってキスをする。
ホログラムに体温もなければ、口内オイルもない。
しかしジェミニ自身の口内オイルがホログラムの口内へ流れて、水音をさせている。
『君が欲しい…』
「喜んで…」
お互い絡み合い、愛撫をし合う。
互いに気分が高まってきた、そのときだった。
「ジガニー禁止っていってんだろ」(※「ジガニー」自画自賛オナニーの略)
スネークが入ってきた。
「邪魔するな、というかその呼称を止めろ。
なんだお前はシャドーといちゃいちゃしやがったくせに俺とホログラムは許せないのか」
『醜い蛇め、心も醜いようだな』
「うるせー腹話術じゃないと本音もいえねー野郎が」
『……』
ホログラムの姿が消える。
「これでいいんだろ?本音を俺の口から言えば泣く癖に。このドMが」
「ナルシスド変態に言われたかねーよ」
スネークはジェミニの横へ座った。
「俺、お前のこと好きなんだぜ?お前も俺のこと好きになってくれよ」
「はぁ?好きだぞ?」
スネークに答えるジェミニ。
「ホログラムへの愛より愛がない!」
「そんなの本人しか解らないだろう?おかしなことをいうやつだ、お前だってシャドーと変なことするな。」
「あれはじゃれてるだけだ!お前は絶対俺よりホログラムのほうに愛を注いでるね!!」
(面倒くさい男だな…)
ジェミニは小さくため息を吐く。
スネークは賢い、サードの中で多分一番頭の回転は良い。
しかし良すぎてなのか、勘繰りすぎてこうなることが多々ある。
それをあしらうのはジェミニは苦手だった。
自分の思ったことを素直に伝える、というのが苦手だったのだ。
ホログラムにいつも代弁させていたからというのもある。
「ジェミニは俺を見てくれてたらいいんだよ」
「…あ、そう。じゃあ見ててやるよ」
「!」
スネークを押し倒すジェミニ。
「サーチスネークを一匹だせ」
「あ、ああ…」
スネークは信号を送ると、放し飼いにしているサーチスネークが一匹天井裏からぼとりと落ちてきた。
ジェミニは青い顔をしてそのサーチスネークに極力視線を向けないようにしながら、再びホログラムを呼び出した。
『よし、可愛い子だなー』
サーチスネークを掴み上げるホログラム。
『一度スネークにこういうプレイしたかったんだよ』
「何をする気だ…?」
眉間をしかめながら呟くスネーク。
「ふふ、スネーク…慣らしてやろう」
「うわ、あ!?」
ボディスーツを力任せに破られ、下半身が露出する。
ジェミニは何故かこういうレイプ紛いの行為を普通にする。
あまり美しくないのに、ジェミニ的にはこれが好きなのだという。
スネークの脚を広げさせ、ジェミニは自身の指を口に含んで十分オイルで濡らした後、その指をスネークのそこへ潜り込ませる、
「はっ、あ…」
「指で感じるのか?この変態め。」
「う、うるさい…」
『これなら突っ込んでも問題なさそうだな。スネークの身体がエロくてよかった』
「え、なっ!?」
ホログラムがぐいっとサーチスネークを頭から押し込み始めた。
「やだ、おい!?待って…!!」
咄嗟に焦ってしまったため、スネークの信号をキャッチしたサーチスネークはその場から逃れようと判断したらしい暴れるようにジタバタし始める。
しかしホログラムは楽しそうに笑いながらサーチスネークを逃さず思いっきり尻尾まで潜り込ませた。
スネークの中でサーチスネークが暴れる。
「ひぎっあぁぁぁぁぁぁ!!?」
「はははは、お前自分でサーチスネーク暴れさせて声上げてるとか本当ドM!」
『はははは、本当変態!』
楽しそうに笑う双子。
「でも気持ちよさそうだな?えぇ?スネーク」
「はっあ、ぁぁ…とってぇ…これ、取って……」
口からオイルと舌を垂らしながらジェミニに言うスネーク。
腰がガクガクと震えていて誘っているかのようだ。
サーチスネークは動きを止めている。
「お前が操ればいいだけだろ」
「動かしたら、感じるからぁ…」
涙目で訴えるスネークの顔に、ゾクゾクするジェミニ。
もっと苛めたくなる―――
ホログラムはサーチスネークの尻尾を掴むと思いっきり引き抜く。
「ッーーー!!!」
声になっていない悲鳴を上げるスネーク。
「引き抜かれる感覚が気持ちよかったか?スネーク?」
ジェミニは笑みを浮かべながらスネークを見下ろす。
「たっぷり愛してやるよ。お前が満足するまで中にたっぷりと注ぎ込んでやる」
「うん、じぇみにの欲しい、いっぱいほしい…」
蕩けた表情でジェミニを見上げながらいうスネーク。
「かっ…可愛い顔すんじゃねークソ蛇がぁー!!」
ジェミニは赤面しながら照れ隠しの顔面パンチをスネークに食らわせる。
(こ、こいつのこういうところだけは嫌だ)
スネークは痛む頬を押さえながら思った。
シャドーの部屋は他のメンバーと内装が少し違っていた。
ニンジャだから和風で!ということで和風なのである。金属の床ではなく畳だし、ベッドでもなくお布団である。
あとは日常生活において必要なものとニンジャの参考資料の類があるだけで、こざっぱりしている。
あまり自室にいないせいもあるのだが、寝るだけのための部屋といったほうがいいのかもしれない。
『シャドー、起きてるか…?』
ドアの向こうからスネークの声。
「珍しいでござるなスネーク殿がこんな時間に…」
シャドーはドアのロックを解除して開く。
スネークが立っていた…のだが、少し様子がおかしい。
内股でもじもじしてるし、その顔は赤いし、よく見れば目が涙目だ。
ふと、スネークから少しはなれたところにサーチスネークが一匹こちらを伺うように床を這っていた。
ピコピコ目が光っているのでどこかに映像を送信中なのだろう、しかしスネーク自身の左目は赤く光っていないのでこのサーチスネークは
別の場所にデータ送信中ということなのだろう。
シャドーはサーチスネークに気づかない素振りのまま、スネークの顔を見つめる。
「どうしたでござるか?スネーク殿」
「あ、あの…あっ…」
スネークはぎゅっと目を閉じ、意を決したかのようにその場でベルトを外し、ズボンを降ろす。
どろり、と濁ったオイルがスネークの秘所から太ももの内に垂れ流れてくる。
「じぇ、ジェミニにっ…いっぱい愛されましたっ!!」
そう叫んで、スネークは恥ずかしさのあまりかぼろぼろ涙を溢し始める。
「ジェミニ殿悪趣味すぎるでござるよ」
泣くスネークを抱き寄せよしよしと撫でながら、サーチスネークの方へ視線を向ける。
『ハハハハハッ!!!恥ずかしがるスネークまじウケる!!!!』
サーチスネークのほうからジェミニの声が聞こえる。
「変態ドSめが」
『なんだよ、誰かに見られるかもしれない廊下で痴態を晒させるのって興奮するだろ?お前もやるだろ?
まぁスネークは俺のものだからやらせないけど』
「確かに興奮するでござるが、される側だとなんとも…スネーク殿、中に入るでござる」
「おう…」
ミッションコンプリートしたためか、スネークはまだ涙目であるもののズボンを履きなおして素直にシャドーの部屋へ入る。
「シャドー、風呂貸して。すげぇ気持ち悪いんだよ、洗浄しないままここまで来たし。」
「キレイにするのを手伝ってやるでござるよー?」
シャドーは言いながらスネークを押し倒す。
「や、でもジェミニの残ってるんだぞ!?」
「スネーク殿が全部出してくれればいいだけのこと!さぁさぁ」
スネークのズボンをずり降ろし、脚を掴んで広げる。
「拙者が掻き出してやってもいいのだが、そうするとジェミニ殿が嫉妬するかもしれんなぁ。
何されるでござろうなー」
シャドーの肩の上にサーチスネークがちょこんと飛び乗る。
どうやらジェミニは止める気などないようだ。
「うっうっ…」
スネークは再び涙をぽろぽろ溢しながら自分の指を秘所に挿入し、中のモノを掻きだしはじめる。
「いっぱい出てくるでござるなぁ。スネーク殿少し感じておられるのか?」
「う、うるさい…うっ…ふ、ぁぁ…」
指の刺激に内部が収縮したのか、ごぽ、ごぽ…と小さな音を立てて溢れ出てくる。
「うっ…ん、んん……」
力んで全部排出しようとしたが、なかなか全部出すことができない。
「…もう、出ない、奥の出てこない……」
「自力で無理でござるか」
コクン、とシャドーに頷くスネーク。
「手伝って差し上げよう…スネーク殿」
「ふあ、あぁっ!!!」
シャドーのナニがねじ込まれる。
ジェミニとやったあとだったのですんなりと受け入れてしまうスネークの身体。
厭らしい粘膜質な水音が漏れてくる。
「ひっあ、あぁぁ……」
スネークは顔を赤くしながらシャドーにしがみ付く。
「む、これではジェミニ殿に見せ付けられないな…」
シャドーはスネークを引き離し、体位を変える。
スネークを後ろから抱いて犯す形になった。
サーチスネークはいつの間にか床を這って移動し、スネークを正面から捕らえていた。
「や、めっ…見えてる、ジェミニに見えてる…!!!」
「見せねば意味がないではないか?」
クスクス笑いながら言うシャドー。
「ぁっ…あぁ、んぅっ……」
腰をくねらせながら、スネークとシャドーはキスをしあう。
『お前、俺のこと好きなのになんでそうシャドーとヤれるわけ?』
「ひぅっ!?」
ジェミニの声に意識が現実に戻されたのか、スネークの身体が震える。
シャドーのナニをぎゅうぎゅう締め付けてくる。
「あ、ちが、違うっ…これは、あぁっ…」
『ただお前は身体が満たされてればいいだけなんだろ?解ってるよ、美しい俺のことを愛してるわけない。
そうなんだろう?強欲な蛇め』
「ちが、う…!ジェミニ好きだからぁ、俺はジェミニのこと愛してる、本当にっ…!!」
「もっと言ってあげないと解って貰えぬだろうよスネーク殿!」
「んぁっ…!!じぇみ、にっ…!好きィ…好きだからぁぁ!!」
泣きながらジャミニが好きだ好きだと口走るスネーク。
(なかなか、背徳的だな…)
シャドーは喉の奥で笑いながら、スネークの耳元で囁く―――
「そろそろ、出すでござるよ?」
「っ!!!」
スネークの身体が大きく震え、やはり締め付けが強くなる。
「っあああああああ…!!!」
シャドーがイクのと同時に、スネークも声を上げながら果てた。
◆◆◆◆
「シャドー、お前もうちょっと洋菓子増やしてくれない?俺パサパサしてんの嫌いなんだよ」
ジェミニはモナカを食べながら文句を言う。
シャドーの部屋で転がりながら、もぐもぐと食べる姿は完全に美しくないのだが、本人は気にもしていない。
「おや?羊羹もあった気がしたが…」
シャワー室へ繋がるドアから顔を覗かせるシャドー。
「それ昨日食べた」
「ジェミニ殿は少し食べすぎでござる。小食のスネーク殿はこんなモデル体型なのに!」
「ロボットだから体型かんけーねぇ」
「お前らうっせぇー。あー畜生。腰痛めたな」
洗浄の終えたシャドーと、腰を擦っているスネークが出てくる。
「お前ら突っ込みすぎんだよ!」
「だってお前放してくれないんだもん」
「奥に出して欲しいという催促でござろう?」
「~~~~~ッ!!!」
顔を赤くして歯をギリギリさせるスネーク、しかし「はぁー…」と深いため息を吐いてストンと座布団の上に座った。
「…俺らほんとなんでこんなことになったんだろうな」
「だいたいお前らのせいだろ。俺は被害者」
スネークに答えるジェミニ。
「俺が俺と『私』に愛情を注ぎまくってるのに嫉妬したスネークのせいか、なんだったっけ、えーと」
「あのナルシスト野郎を俺の虜にしてやる!とか言い出したんでござるよ、拙者楽しそうだったので手を貸したのが始まりで…」
「やーもう、やーめーてー」
聴覚センサーのあたりを手で塞ぎながら言うスネーク。
「逆にジェミニ殿に惚れてしまったのがもう笑い話でござるなー」
「いうなー!」
「いいじゃねーか。俺もお前のこと好きになったんだし?まぁその頭さえ剥ぎ取ればもっと愛せるんだけどよ」
「鬼畜!お前がそんな性格歪んだヤツだとは思わなかった!歪んでても少しだけだと思ってたのに!」
「あー?」
ジェミニはスネークをジト目で睨みながら立ち上がり、食べかけのモナカを全部口へ放り込みつつスネークに歩み寄った。
「お前も歪んでるだろーが。性的な意味で。俺のどこに惚れたんですかねー?」
言いながらスネークを蹴り、倒れるその胸へ脚を降ろす。
「うっうう…お、俺を甚振ってくれる所です…」
「この変態ドMが!普通ここは俺の美しさに惚れるところだろ!!なんでそうなるんだよこのクソ蛇!!」
「く、悔しい…でも感じちゃう…。って俺は自覚なかったんだよー!!」
「ベストカップルでござるなー」
「俺的にはお前が一番ムカツクんだけどな」
ジェミニはシャドーを睨む。
「お前だけ美味しい目しやがって。シェードとくっつけてやる」
「いやじゃああああああああ何でそうなるんじゃあああああ!!!!」
全力で嫌がるシャドー。
「何で紳士を嫌うのかが解らない」
「あいつとはお似合いだと思うぜ、似てるし」
「性格似てるよな、絶対気が合うって…あぁ、同属嫌悪か」
「似てない!俺とあいつは絶対似てねぇ!!」
テーブルをばしばし叩きながら否定するシャドー。
「あらやだほほえましいウフフ」
「俺らがキューピットになってやるからなー。」
「弟思いのお兄ちゃんズです」
「余計なところで結束するなぁぁぁぁぁ!!!」
微妙な関係の三人は、しばらくこのままの関係だったという。
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