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全体的にみんなちょっとおかしい。
セカンドナンバーズたちの居住区にある休息場所。
クイックマンがソファに座っていた。落ち込んだ表情で。
「ちーっす。どーしたんっすか浮かない表情っすね先輩」
スネークが入ってきて声をかけてきた。
サードナンバーズである彼がこっちに来るのは大抵フラッシュマンの仕事の手伝いとかそういった関係だ。
たまに遊びにくるけれど。
あと一応上下関係を気にしているのか先に製造されているからという理由で中途半端な敬語を使ってくる。
「ヘビか…お前ちょっと俺に殴られてみないか?」
「後輩をサンドバックにするとかちょっと……またフラッシュ先輩と喧嘩っすか、仲良いですねへへへ」
「……」
当たっていたらしい。
クイックからものすごい負のオーラが出てくる。
「今度は一体何を…またハゲとかいったんでしょう?」
「あ、あぁ…それもあるけど、だってなぁ、あいつも悪いんだ。俺のこと早漏とか…!
最速最強の早漏とか言ってきたんだぞ!俺にもプライドあるわ!!!」
「でも早漏なんでしょ?」
「………よし俺の高速ブーメラン捌きを味あわせてやろう」
「遠慮します!!!」
じゃきり、とブーメランを構えてくるのであわててパタパタ手を振るスネーク。
「…しかし、うーむ。」
「?」
クイックは立ち上がるとまっすぐスネークに歩み寄ってガシっとスネークの顔を捕まえる。
その行動は一瞬の出来事だったのでスネークはポカンとした顔になる。
「フラッシュは俺よりお前のほうがかわいいといっていたが、かわいい要素がわからん。
猫被っていることか?被ってるのはヘビだけど」
「べつに頭パーツこれ被ってるわけじゃ…ってそんなこといってたんすか」
「後輩的なかわいさというものがあるのか…?わからん、あのハゲの考えることはわからん」
ほっぺをぐにぐにしはじめるクイック。
「お前の頬は弾力があるな。」
「ひっぱっちゃらめぇぇぇぇぇぇぇ高速ぷにぷにらめぇぇぇぇほっぺ伸びちゃうううううう」
「何をしているんだお前たち」
メタルマンがやってくる。
「後輩とのスキンシップだな」
スネークを開放するクイック。
「あーひどい目にあった。いてぇ」
「めったん思うんだけど年下(のほっぺ)を拡張しようとするのはいけないぞ」
「怪しい言い方は止めろ。」
「しかし楽しそうだったな。わたしもあやかりたい」
両手をわきわきしてくるメタル。
「いやいや、勘弁してくださいよ」
「孫のほっぺは柔らかそうじゃないか」
「孫!?俺のこと孫みたいな目で見てたの!?」
「うむ?あぁ、我々セカンドは兄弟だな。そして博士は我々の父、なので我々は息子。
そこまでいい、けれどサード以降になるとなんか距離感があってな。
まるで孫のようだ。そう、わたしと博士の孫」
「おい」
「おい」
クイックとスネークが同時に声を上げる。
「めったんは博士のためにがんばってるもん。弟以外にも家族ほしいんだもん」
「これでいいのか戦闘用ロボ」
「まさかブラコンを通り越していたとはなぁ」
「そうだな、こういうのどうだ?ファミリーコンプレックス、略してファミコン」
「いきなりゲーム機になってるぞメタル。」
「それより略すのって流行ってるの?」
メタルもだいぶ丸くなったほうらしい。
兄弟機が増えるごとになぜか家庭的になっていった。
「まぁそんなことよりもクイック、喧嘩はよくないぞ喧嘩は」
「なんだ、説教をしに来たのか」
「フラッシュはただ素直なお前が見たかっただけなんだ。だから可愛い後輩であるスネークの名前が出てきただけ。
まったく愚弟め早とちりして『俺よりスネークが好きだったのかこのエロハゲ!』とか言っちゃうから…」
「なんで知ってるんだよ!!」
「あんな大声で叫んでたら聞こえるわ!だから愚弟だと言っているんだ!!」
「ぐぬぬ!」
「うわーらぶらぶじゃないっすか…えーなんでなんで?どうやってそこまでもっていけたんです?」
「なんかヘビが目を輝かせて食いついてきたぞ!?」
「そういう年頃なのだろう、わたしにはそんな年頃は無かったが」
「俺もねーよ!!…あーなんかフラッシュにイライラしてるの馬鹿らしくなってきたぜ」
頭を抱えるクイック。
「参考程度にお話が聞きたいっす!だってクイック先輩ってフラッシュ先輩のタイムストッパーが弱点じゃないっすか」
「うぐ、あぁ……そうだな…」
「どうして恋仲になったのか!詳しく!詳しく!!!」
「……どうしようメタル」
「お兄ちゃん的には後輩の悩みにアドバイスするべきだと思うな」
「別に、参考にもなんねーよ…自然とそうなったっていうか…」
「喧嘩してるうちにヤって仲良くなっちゃったということだな」
「最悪な言い方だな!!」
メタルに叫ぶクイック。
しかしスネークは目をキラキラさせて、なにやら興奮し始めている。
「そうか!嫌い同士でもやっぱヤっちゃえばいいんだよな!!手っ取り早いし!!
俺的にはジェミニに突っ込んでも突っ込まれてもどっちでもいいし!!」
「大丈夫かこのコ。」
「おにいちゃんレイプは関心せんなー。逆レイプは可」
「お前の基準がわかんねぇ…。ん?サード以降はアレついてないだろアレ。予算的な都合で」
「……」
スネークは顔を曇らせる。
「いいんです先輩…俺のヘビちゃんたちがいますから…」
「悲しいこというなよ…相手がトラウマになっちまうだろそのプレイ。博士に相談してみようぜ?」
「泣くぞ。博士泣くぞ。めったん関心せんなぁ。しかしその気持ちは大切にしてあげたい。
ならば博士にこっそり内緒でつけちゃえばいいと思った!さすがお兄ちゃん頭のキレが冴え渡っている!」
「イカレてる方面でキレてんのは認める。まぁ擬似的なもんをパーツとしてつけりゃあ…って何で俺は…
ヘビの恋愛相談してるんだ…?」
「いいじゃないか可愛い後輩のためだ。クイックはフラッシュを呼んで来い、今から家族会議だ」
「めんどうくせぇー…」
「超わくわくしてきた!」
「だろう!」
きゃいきゃいするメタルとスネーク。
(あいつらちょっと病んでるな…まぁいいや俺かんけーねぇし)
クイックは早速フラッシュの部屋へ向かった。
「フラッシュ!今からヘビにチ○コつけるぞ!手伝え!!」
「ぶふっ」
思いっきりE缶の中身をぶちまけるフラッシュ。
「な、なに?さっきお前怒って出て行ったくせに戻ってきたと思えば…」
クイックはフラッシュに近づくとグワシッと顔をつかむ。
「?」
「デレてほしかったら口で言えばいいだろ、言わないとわからん」
言いながらキスをする。
「ハゲって言って悪かった。とりあえず今は集合しよう、メタルがうるさいからな」
「お、おう…」
キスで顔を赤くしているフラッシュをクイックはひっぱっていった。
◇ ◇ ◇ ◇
一方そのころジェミニはスターマンの部屋にいた。
バカ二人に部屋を壊されたので部屋にいても落ち着かなくなったジェミニは彼の部屋へ厄介になっていたのだ。
スター自体はアルバイトで出て行くことが多いので快く受け入れてくれた。
なんだかフィフスナンバーズは皆優しい。接客業をしているせいだろうか、人当たりがよすぎて泣けてくる。
「…なぜかさっきから悪寒がする」
「大丈夫?疲れているようだし休んだほうがいいと思うよ。
遠慮なく部屋を使って!ミーはバイトでほとんどいないからね!」
優しい言葉をかけてくれるスター。
「ありがとうスターマン…俺、なんだか人に優しくされるの初めてだ…」
「そ、そうなんだ…そっちって殺伐としてるんだね…」
◇ ◇ ◇ ◇
「いいかスネークくん、おにーちゃんはレイプ絶対許さないから」
「わかってるわかってる、同意にすりゃーいいんっすよね?準備は万全ですって!」
へらへら笑っているスネーク。
「ならばよし!」
うんうんうなずくメタル。
なんだかんだでおにいちゃんたちの手で念願のアレを手に入れたスネークだった。
「もうこんな時間か。お夕飯の支度しないと」
言って台所へ行ってしまうメタル。
「手伝っといてなんだがスネークよぉ」
「はい?」
フラッシュを見るスネーク。
「相手はジェミニなんだろ?どうやって落とすんだよ…」
「ふふふ、その辺はちゃんと策を考えていましたから!俺の得意分野で落としますよ!
ただセックスの方法をどうしようか悩んでただけっす!」
「あっそ」
「じゃあ早速試してきます!!お世話になりましたぁー!!!」
うれしそうに去っていくスネーク。
「おいフラッシュ」
「んあ?」
「…ヘビの得意分野ってなんだ」
「…ハッキング」
「…」
「…」
「聞かなかったことにする」
「あぁ、俺も気づかなかったことにする」
「…ハッここは!?」
ジェミニは目覚めると見知らぬ場所にいて戸惑った。
自分はスターマンの部屋でスリープモードになっていたはず。
「お目覚めか。ここ俺の部屋」
スネークの顔が覗き込んで来た。
「ぎゃああああ!?」
「叫ぶことないだろ」
「あ、あれ!?身体が!?」
手足を拘束されているのに気づいた。
「いやあああヘビに犯されるぅぅぅ!!」
「まぁ目的はそれだけどそこまで嫌がるなよ。俺はジェミニのこと好きなんだぜ?」
「死ね」
「さぁ俺の愛を受けろー」
「嫌だバカしね!何する気だ!!」
スネークは自分の首筋からコネクタを取り出してきた。
よくマッピングのために施設内のシステムをハッキングするときに使うものだ。
―――ハッキング…
スネークが今から何をしようとしているのか察して背筋が凍る。
「やめろ!本当にやめろ!!」
「ちょっとデータを送信するだけだっての」
嫌がるジェミニの頭を掴んで、うなじ部分にある接続部分にコネクタを差し込んだ。
もちろんこのままデータを送信しても弾かれるのでハッキングして防御プログラムを無効化させるのだが。
同じサードナンバーなので同じプログラムだ、無効化させるのは容易い。
「さぁ、俺の愛が今から送られるぞー?」
「やめろ!!ひぎっ!?」
送られてくるデータに身体が強張るジェミニ。
明らかにウィルスだ、プログラムを書き換えてくる。
過負荷で身体が熱くなってくる、本能的に冷却しようとして目から涙のように水があふれてくる、口内のオイル量も増えていく。
「スネ、ク…やめっ…」
「やめるわけないだろ?」
ニヤニヤしながらスネークは長い舌でジェミニの頬を舐める。
「きもち、わるいっ…」
顔を背けるが舌はからかう様に顔を這う。
「よーし、書き換え完了。テストだ」
言ってスネークはコネクタを通じてパルス信号を送る。
「ぎあっあぁぁ…!!?」
身体を仰け反らせて悲鳴を上げるジェミニ。
「どうだ?痛くないだろ?俺優しいから痛みを気持ちよく感じちゃうようにしてやったからな。
で、ちょっと感度もよくしてみたんだが気に入ってくれるよな!」
ガクガク震えているジェミニに爽やかな笑顔を向けて言うスネーク。
「おま、最悪……」
「なっ!?お前のためにヘビプレイを避けてやったんだぞ!?喜ぶところだここは!
なんだよエロい身体にされてるんだから素直に喘げ」
足の拘束をはずし、スネークはジェミニの太ももの内側を撫で回す。
「いや、あぁぁ…!!」
「うわーえろい、お前えろいわ。欲しくなってこないか?なぁ今日は俺が入れてあげるからさぁ」
言ってジェミニのスーツ部分を破り下半身を露出させる。
下部には廃油排出用で使うレセプタがあるのだ。
スリープモードになっているメンテナンスの時だけ使うものである。
次世代型のロボが増えていき、拠点地もころころ変わるため規格が合わなくて困らない用出入り口あたりは柔らかい素材になっている。
「ジェミニのために先輩方にアレをつけてもらったぜ」
「ひぃぃ!!」
スネークの下半身を見て悲鳴を上げるジェミニ。
「いや喜べよ。人間でいうところのペニスバンド?みたいな要領らしいけど神経接続してるから俺も気持ちよくなれるんだってさ。
一緒に気持ちよくなろーぜー」
「絶対いやだ…まじ最悪だ、そんなものを美しい私につっこむというのか…」
「はいはいわろすわろす」
「笑える要素がない! うぐ、あっ…」
再び身体が強張るジェミニ。
スネークのナニが入っていく感覚がわかる、おかしい。神経回路が過敏になっているせいで感じてくる。
痛みを感じるはずが、快楽が襲ってくる。
「うご、くなスネークっ…!だめ、動くと…!!」
「動くと感じすぎる?俺の愛だと思って感じまくれよ」
「あっあ、あぁぁぁ!!」
スネークはジェミニの腕の拘束をはずすと、ジェミニはスネークにしがみついてきた。
(か、かわいい…!!)
テンションがあがってきたスネークは動きを強める。
「お前のこと綺麗とかそんなこと一切思わなかったけど、今のお前めっちゃ可愛いぞ!」
「な、にっ…」
「むちゃくちゃにしたくなるってことだよ言わせんな恥ずかしい」
「やめ、うあ、あぁぁっ…!!」
意識が断続的に飛ぶ。
犯されて快感の処理が追いつかずにイっているのだ。
「イってるジェミニの顔可愛い!もっと見たい、もっと…!」
「やぁぁっ…すねー、く…スネークゥゥ…!!!」
◇◇◇◇
事後、ジェミニは放心していた。
犯されたことに対してではない。
スネークから聞かされた衝撃的な言葉に放心してしまったのである。
「いや、うん…大丈夫か?あのウィルス本当に最初だけであとは元に戻るんだけど。
身体どこかおかしい?」
「ずっと…感じてたのは…つまり…」
「お前自分で感じてたってことだろ?いやらしい顔してヒィヒィ言っちゃってかーわいー」
「ぶっ殺すぞ!!!!」
「まぁまぁ落ち着けって。ほら、喜べよお前のイってる顔をちゃんとサーチスネークちゃんで録画しといたし」
言いながらヘビを取り出し(ジェミニは小さく悲鳴をあげたが)、映像を写す。
「誰が自分の犯されてる映像見て喜ぶか!喜ぶ…か……… 犯されてる俺も美しいんじゃないか?」
映像を凝視しながらつぶやくジェミニ。
「お前ほんとズ太いよな」
「どんな顔でも美しすぎるだろ俺…」
「気に入ったんならこのスネークちゃん上げるよ」
「それはいらねぇ!でも映像は欲しい…!うぐああああああ!!!」
頭を抱えて叫ぶジェミニ。
「じゃあ今度鏡見ながらバックで犯してやるよ……」
「まぁそれなら…うん?なんでまたお前とヤらなくちゃいけないんだよ!!」
「いいじゃねーか。気持ちよかったし」
「お前本当死んでくれ…」
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