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「生まれ変わったら何になりたいでござるか?」
シャドーが突然そんなことを口走る。
普通なら電子頭脳がとうとうカビてしまったかと嘆くところだが、先ほど見ていたテレビの影響だろう。
流し見していたので内容はまったくメモリーに記憶されていなかったが、そんな感じの話だったような気がする。
横に座っているジェミニも何も言わないので自分と同じことを考えているな、とスネークは思った。
「お前はなんになりたいんだよ。」
スネークは興味なさげに質問をシャドーに返す。
「拙者でござるかー」
シャドーはうーんうーんと悩む仕草をする。
そして閃いた顔をしてスネークに向きなおした。
「拙者は人間になりたいでござる!」
「人間?キモい」
ジェミニが顔を歪める。
「だって拙者は今ロボットでござる。今度は人間を体験してみたいでござるよ、場所は地球で良い」
「軽いノリだな。じゃあ俺は蛇に生まれ変わりたい」
「リアルな方の?」
「うんリアルな方の」
「きめぇ!!!やめろきめぇこというな!!!」
ジェミニは自分を抱きしめながらスネークから離れて叫ぶ。
「俺は蛇をモチーフにされてるだけだからホンモノになってみたいってのがあるんだよね。
で、カエルに生まれ変わったトードくんを丸呑みしてみたい」
「最終的にファラオ殿に愛されればいいでござる」
「イヤァ!!そんな食物連鎖いやぁぁぁぁ!!!」
「ジェミニどのはー?」
スネークを無視してシャドーはジェミニに話を振った。
「え?俺は俺に生まれ変わるんだ」
「うん…さすがに答えはわかっていたでござるがキッパリいわれるとリアクションにこまるでござる」
「じゃあ俺、蛇やめてジェミニになるわ」
「はぁ!?俺は俺だ、やらんぞ!」
スネークを睨むジェミニ。
「あー違う違う、お前の兄弟になるんだよ。この場合ホロのポジションか?
そこが実物になりゃ、名前どおり双子じゃん?」
「でも兄弟の前世が蛇だったとか知ったら俺はショックで死ぬ」
「死ぬのかよ」
「あぁ、死ぬ。ショックが大きすぎる」
「メンタルが強いのか弱いのかわからないでござるなジェミニ殿は」
「てかさあ」
ジェミニは目を細めて呟く。
「現実見ろよ。生まれ変わりとか夢見てないでやることやれば?」
「ホログラムでキャッキャウフフしてるくせにどうしてそう現実主義的なところがあるんだお前は。不思議で仕方がないわ」
「ジェミニ殿は絶対つまらない男とか言われて振られるタイプでござる」
「俺と『私』の世界が全てだからいいんだよ!なんだよお前ら俺のこと知った風な口ぶり腹立つ!!」
「ジェミニきれいだよーうつくしいよー」
「ジェミニどのがきれいなのは世界共通の知識でござるなー」
「教科書に載る」
「お前らレーザーでぶっ壊してやろうか。」
END
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