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双子と蛇さんはえっちしてるけど告白してない設定。
サードナンバーズの休息所には数人集まって、皆自分のやりたいことをしていた。
マグネットは健康関係の雑誌を眺め、ジェミニは鏡をながめうっとりし、
スネークとシャドーは何が楽しいのか何かの雑誌を指差しくだらない意見を述べ合って笑っている。
「あ、そうだシャドー!お前今晩暇か?」
「予定は特にないでござるな」
「だったら一緒に寝ようぜ」
「…寝る?」
ジェミニが食いついてくる。
「なにキモチ悪いこと言ってんだよ蛇。」
「何いきなり食いついて来るんだよ、お前もしかして俺と寝たいのか?」
「ははは、ジェミニ殿はやらしーでござるなー」
「ほんとでゴザルなー」
シャドーと、シャドーの口真似をするスネークはげらげら笑う。
「こ、このっ…」
「まぁまぁ、落ち着けジェミニ」
マグネットが間に入ってくる。
「スネーク、シャドー。少しお前たちに注意したかったんだが、この場を借りていうぞ。
セカンズと違って我々サードはKENZENな思考回路を持つものが多い!
だからお前たちの下ネタ満載の会話は少し目に余っていた。というわけでそういうの禁止!兄貴命令!!!」
「なぁにが兄貴だよ、赤いからってだけでメタルマンと同じレベルにゃならねーぞ」
「マグ兄殿は少々カリスマ性がないでござるしな。しかも次男でござる」
「あと性格が大雑把すぎんだよ…」
「大雑把じゃない、オレは大らかなんだ!そして小さなことは気にしないんだ!」
堂々と答えるマグネット。
「まぁ、小さなことを気にしないオレでもお前たちのだらしなさが気になるんだ。
メタル兄さんがお前ら見て言ってたぞ、『ホモ百合美味しいです』って」
「……」
「……」
正座しておとなしくなるスネークとシャドー。
「メタル兄さんから見て、お前たちは女子中学生に見ているらしい。
パンツ履かされてスカート装備にされたくなかったらもう少し自重することだぞ?」
「了解しましたオニイサマ」
「承知したでござる兄上」
「あ、アホだこいつら……」
ジェミニは呆れた顔で兄弟機を眺めていた…。
◆◆◆◆
スネークの部屋。
「部屋でくつろぐしかねーな。マグはうるさいし、ジェミニは仲間に入りたそうにこっちを見てるし」
「入れてあげればいいのでは?」
「ばっか、あえて入れてやらないのがいいんだよ!」
笑みを浮かべながらごろりとベットに転がるスネーク。
(相変わらずのドSでござるなー)
暢気にそんなことを思いつつ、シャドーは適当に座った。
スネークとシャドーが一緒にいるのはなんだか気が合う、というだけである。
別に恋人というわけでもないし、好きだという感情もない。
親しい友人といった感じだろうか。
スネークはその能力に見合わない荒い性格と下品さでサードのメンバーよりセカンドのメンバーと仲良くなってしまう傾向があり、
自然とサードの中では下ネタが平気なシャドーとばかりいるようになってしまった。
シャドーが寛容なのは暢気というか、あまり物事を深く考えないせいもあるかもしれない。
「あ、そういやE缶の新作買ってたんだった」
「ほう?」
「あっちらへんにあったと思うんだよー」
指を指すスネーク。
「やれやれ拙者が取りに行かねばならぬでござるか…」
動こうとしないスネークに呆れながらシャドーは部屋の隅に置いてあるE缶を見つける。
「どういう新作でござるか?」
「固形!」
「固形でござるか…」
E缶の主流は液体。液体の方が吸収されやすいし何より飲めない状態にあるロボットに無理やり流し込めるし。
固形というのはもう趣味の範囲だなぁ、とシャドーは思った。
「俺丸呑みとか体験してみたかったんだよ!」
「さすが蛇でござる…開けてあげるでござるから大人しくしているでござる」
「へへへー」
ワクワクしているスネークが可愛く見える。
缶の蓋を開けるとたしかに液体ではなく一口サイズの固形物が詰まっていた。
それを一つ摘む。
「スネーク殿、あーんでござる」
「あーん」
素直に口を開くのでぽいっと投げる。
ごりごりごり…
(こやつ呑み込んでいやがらないでござる)
「ん、あんま固くねぇな…」
「固すぎると喉が詰まるでござるよ。もっとほしいでござろう?」
シャドーはスネークの横に座り、再び固形物を摘んで見せる。
「ん、くれ」
「あーんでござる」
今度は投げ込まず、摘んだまま寸止めにする。
「ちょ、シャドー…」
「欲しいでござるかー?」
「いじわるすんなって…」
スネークは催促すように長い舌で摘んでいる固形物を舐めはじめる。
「オイルで溶ける仕様のようでござるな、拙者の指が汚れてきたでござる。」
「ん、んんっ…」
スネークはシャドーの指まで口に含むと口内で舌を使い、しゃぶりはじめた。
(……)
(……)
お互いなんともいえない気分になってくる。
「シャドー…」
スネークも固形物を摘むと、シャドーの顔の前へもって行く。
「…」
シャドーは黙ってソレを口に含むとスネークと同じく指を含め、しゃぶり始める。
「えろーい!普段は誰のを舐めて咥えてるんだよ」
「なんと、スネーク殿は拙者のことを受け側だと思っておられるのでござるか。どっちでも構わぬが」
「俺も別にどっちでも。気持ちよかったらいいよなー」
「そうでござるなー。スネーク殿は今どっちの気分でござるか?」
言ってシャドーはスネークを押し倒して頬を撫で始める。
スネークはとくに抵抗もすることなく真っ直ぐシャドーを見つめている。
「突っ込みたいかな」
「奇遇でござるな、拙者もでござるよ」
「げぇー、じゃあ今日はいいや」
「連れないでござるな」
「でもシャドーならすぐに気が変わって突っ込ませてくれると信じてるぜ!」
「残念、今日はそんな気分じゃござらん。むしろその台詞はそっくりそのままお返ししよう」
笑顔でいうシャドー。
そしてスネークの上から退こうとする気配もない。
「…スネーク殿のこの紅い目が好きだ。獲物を探すときの瞳が好きだ。とても興奮致す。
だが、熱で濡れる瞳も好きだ」
「あーもうわかったわかった、今日は入れていい。」
折れるスネーク。
きっと了承するまでずっと好きだ好きだと連呼するに決まっている。
いつもマウントを取られるとこんな流れになってしまう。
「スネーク殿大好きでござる!」
「うん知ってる。」
キスをしながら、シャドーの手がスネークのベルトを外しズボンを脱がしにかかった。
そのときだった
「スネーク!きっさまぁぁ!!また俺の部屋にサーチスネークを………」
突然ドアが開いてジェミニが怒鳴り込んでくる。
「……」 「……」 「……」
「おいシャドー、ロックしとけよ…」
「それをスネーク殿がいうでござるか、ここスネーク殿の部屋でござる」
「……なに、やってるの…」
頭が混乱しているのか、ジェミニは間抜けな質問をする。
「…ジェミニも入る?」
「死ね!!どエロ蛇忍者!!錆びて死ね!!」
走り去っていくジェミニ。
「えらい暴言を吐いていったでござる。続きをするでござるか?」
「ちょっと萎えた」
「そうでござるか。仕方がないでござるな」
身を引くシャドー。
スネークもズボンを履きなおす。
「なぁシャドー、ジェミニが泣いてないか見に行こうぜ!?」
身なりを整えた途端に明るい笑顔で誘うスネーク。
「人生楽しそうで何よりでござる」
◆◆◆◆
「うっ…うぅ…」
ジェミニは崩れて泣いていた。
『…『俺』、そんなに泣かないで。君の涙は美しいけど私はこれ以上流す姿は見たくない』
ホログラムが優しくジェミニを抱き寄せて声をかける。
「…『私』…俺はスネークに弄ばれてるのが悔しくて悔しくて…あいつ誰でもいいんだ。
俺が美しいから誘ってきたんじゃなかったんだ…う、うぅぅ…俺は美しいのにぃぃぃ!!!」
『あぁ、『俺』は美しいさ。だから泣くことはない、君の美しさを一番理解しているのは私。
あんなクソヘビじゃない。永遠にこの私たった一人だけなんだからな』
「…そうだな」
ピタっと涙が止まるジェミニ。
「君がいるから俺は別に泣くことないじゃないか。
ふふふ、君がいれば俺は永遠に幸せだ」
『あぁ、そのとおりだよ『俺』。私はどこにもいかないし君のことをずっと見ている。美しい『俺』』
「俺も君をずっと見ている、美しい『私』」
ぎゅうっと抱きあう。
「あーなんかすっきりした。お前がいて俺は幸せ者だなぁ」
『私も幸せだよ、さぁ部屋に戻って一緒にお喋りしよう』
「あぁ、そうしよう」
ジェミニは手を握り、さっさと部屋へ戻ってしまった。
そんな光景を物陰からスネークとシャドーは眺めていた。
「ズぶてぇ…ズ太いよなアイツ」
「いや…その、病気っぽくみえるのは拙者の気のせいでござるか。あれ腹話術みたいなモンでござろう?」
「正常なんだぜ?あれが。無意識だろうがもう一人の自分を作る事によって一定状態の精神…冷静さを保とうとする。
まぁ性格と思考回路が歪んでるからおかしくなってるが」
「…スネーク殿がなんか頭よさそうなこといってるでござる」
「俺頭良いよ!?性格と素行が悪いだけだよ!?」
「はははこやつめ。ジェミニマニアめ」
「いっとくけどお前の方がバカだからな!?てかなんだよそのマニア、うれしかねーよ!!」
「もう好きだと告白してしまえばよかろう」
やれやれと頭を振るシャドー。
「いや告白したら頭パーツ外せ言われるだろ。なんで告白した直後に頭剥がれなくちゃいけねーの」
「愛があればなんでも出来るでござるよー」
「できるか!」
END
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