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擬人化現代パラレル
コピロクとジェミニが義理の親子
ここではコピロクの親はロック♀とスネークという設定。

 決して広いとはいえないアパートの一室。
 キッチンのテーブルの上に並べられた二人分の朝食。
 しかし朝食は片方は食べかけ、もう片方はまだ手をつけていない。
「あっ…んぁっ…ッんぅ…」
 そのテーブルの上に押さえつけられ、犯され口元を手で覆って声を抑える少年と
 息を荒くしながら犯している男がいた。
「じぇ、みにっ…じぇみに……!!」
 少年――コピロクは誘うような目つきで赤い瞳を向けてくる。
「ッ……」
「あっぁぁぁ……!!!」
 ボタボタと床に少年のものなのか男のものなのかわからぬ体液が垂れる。
「はっ…はぁ…もう、ジェミニ…朝から無理矢理なんだから…遅刻しちゃうじゃない…」
「……」
 ジェミニは暗い表情のまま何も言わない。
「…パパ、ほらちゃんとして。」
 コピロクはジェミニの身なりを整えさせて椅子に座らせ掃除を始める。
「学校行かなくちゃ。パパ、ちゃんとご飯食べてよ?
 あぁ、今日は体育があるのに…パパのせーえき出てきちゃったらどうしよ」
 クスクス笑いながらコピロクはランドセルを背負って出て行く。
 コピロクとの関係を持ってしまったのは最近のことだった。
 それまでは耐えていた。
 愛していた者と親友の子だと自分に言い聞かせて。
 しかし、成長していくにつれてあの子はあの愛しい人に似ていく。
 そして中身はあの妖艶な親友に似ていく。
 耐え切れなかった。
 犯してしまったあとのコピロクの態度は子供らしからぬ態度で、やはりあいつの子なのだと思った。
 回数を重ねるごとにもっと欲しくなってしまう。
 今だって、姿を見ただけで欲情してしまった。
「うぅ……」
 ジェミニは呻きながら自分を抱きしめるように身体を縮める。
「お前、俺の子に手ェつけて後悔してんの?」
「!!?」
 テーブルを挟んだ目の前にスネークがいた。
「いつの間に!?」
「鍵開いてたし。可愛いコピロクが作ったメシ食べないのかよ?」
「…いらない」
 首を左右に振るジェミニ。
「勿体ねぇな」
 スネークは言いながら勝手に食べ始める。
「許してくれスネーク」
「あん?」
「俺はコピロクをロックの代わりに―――」
「許さねぇー」
「………」
 スネークは立ち上がってジェミニに歩み寄る。
「許して欲しかったら俺を抱けよ」
「スネーク……」


    ◆◆◆◆


「ジェミニ、いるんだろう?寝ているのか?」
 チャイムを何度か鳴らしながらトルネードは呼びかけていた。
 ガチャリ、と鍵が解かれる音。
 ゆっくりとドアが開いて生気の無い表情のジェミニが―――
「!!」
 トルネードは顔を赤くしてジェミニを押して強引に中に入った。
「おい、何故全裸なんだ!?服はどうした!?」
 何も纏わぬ姿に思わずトルネードは叫んだ。
「…? セックスをしていたのだから服など着ていない」
「俺以外の来訪者だったらどうする気だ!」
「お前だと解っていたから開けたんだ。それより黙って入ってくれば良かっただろう?」
「鍵、掛かってただろ。入れるわけが無い」
「鍵?スネークは掛かっていなかったって―――」
「いや、今お前自分で鍵開けたぞ?」
「…そうだったか?」
 ジェミニは首をかしげながらふらふらと奥へ行く。
 トルネードは不安げな表情で後を追うように歩んだ。
 ちらりとテーブルを見る。
 コピロクが用意してくれたのだろう朝食に『まったく』手が付けられていなかった。
「あぁ、勿体無い。冷め切っているじゃないか…今日は何も食べていないのか」
「スネークが『全部』食べてくれた」
「残っている」
 トルネードは指を指して言う。
「…本当だ、スネークが食べていたはずなんだが」
「……スネーク、来ているのか?どこに?」
「奥で寝てる」
 にこりと微笑むジェミニの笑顔が、遠い。
 部屋を覗く。
 ベッドの中に何かがいる。
 ジェミニは歩み寄ってベッドに腰掛てソレを揺する。
「スネーク、トルネードが来た」
 ジェミニはソレを抱き上げる。
 ―――ソレはただの人形だった。
『よぅトルネード、また来たのかよ』
 誰かの声がする。
 あぁジェミニが出しているのだ。
 コピロク曰く『スネークの声そっくりらしいよ』。
 ジェミニの奇妙な特技だ。
 こうやって自分で腹話術をしてスネークがいるのだと自分で錯覚している。
 異常行動を取り始めたのはコピロクをレイプしてからだという。
 コピロクは気にしていないようだが、自分は心配で仕方がない。
 しかし病院へ連れて行こうとこうやって尋ねてみるものの、なかなか連れて行けない。
 ジェミニの美しい『舞台』が現実世界からトルネードを切り離そうとしてくる。
「トルネードに抱いてもらおうか、ふふ、見ててくれスネーク」
 ジェミニは人形を椅子に座らせる。
「おいでトルネード」
「嫌、ジェミニ…俺の話を聞いてくれ」
 抱きついてくるジェミニの肩を掴んでトルネードはジェミニを見返す。
「スネークもロックも、いないんだ。死んでいるんだ。解っているだろう?
 もう止めてくれ。見ていて、辛い…」
「言っている、意味が…わからない。スネークはそこに―――」
 ジェミニは人形に目を向けて、目を見開く。
「スネークは、どこに…今までいただろう!?トルネードと話をして―――」
「していない。俺はスネークと話はしていない、お前とだ」
「そんなはずは…」
 ぎゅうっとジェミニはトルネードにしがみ付く。
「病院へいこう、ジェミニ。きっと良くなるから」
「俺は…嫌だ、コピロクと離れるのは嫌だ!俺たちは愛し合っているんだ!愛して…あぁ、俺は…どっちを愛して…」
「ジェミニ…大丈夫だから」
「うるさい!…ふふ、トルネード…俺はお前も好きだよ」
「!?」
 急に態度を変えるのでトルネードは思わず怯んだ。
 ジェミニに顔を掴まれキスをされる。
「ふふ…」
「うわ!?」
 押し倒される。
「抱いてよトルネード」
 その声は、ジェミニのものだったのか、それともスネークの声色だったのか―――


 気づくと馬乗りになったジェミニが妖艶に喘ぎながら腰をくねらせている。


「トルネード、お前は美しい俺を抱きたいだけなんだ!」
「ちが、うっ…ちがう…!!」
「口ばかり!気持ちよさそうにしているくせに!
 愛してるんだろう、この俺を!」
「ちがう…!!!」


   ◆◆◆◆


「お疲れ様トルネード、今日もダメだったみたいだね」
「…」
 部屋から出てきたトルネードに帰宅していたコピロクが声をかけてきた。
「すまない…俺は、どうしてもジェミニに抗うことができない」
 頭を抱えて蹲る。
「別にいいのに。バランスとれていいよ。僕まだ子供だからジェミニの相手してたら疲れちゃうしがばがばになっちゃうよ
 トルネードが適度に抜いてくれればそれで大分楽かな、うふふ」
「ジェミニを治したいんだ俺は」
「僕の両親が死んでから、ジェミニはおかしくなってたと思うんだぁ僕。
 本当のジェミニはどこにいるんだろうね」
 微笑みながらそんなことをいう。
「本当のジェミニ?」
「君のいうまともなジェミニが仮面被ってるほうかもしれないよ?
 ま、ジェミニ本人しかわからないことだけどね。僕、この生活に満足。ジェミニはカタチはどうあれ愛してくれてる」
「………」
 コピロクはトルネードに歩み寄って頭を撫でる。

「ありがと。ジェミニの心配してくれて」

「あぁ…」

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