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吸血鬼リングは思い悩んでいた。
献血バイトにドリルを雇っていたわけで、それまでは魔界で美女の血を吸っていた。
味に対して何も思うところはなかったのだがドリルの血を吸っていて気づいたのだ、美味しいと。
なんか好き。そんなふわふわな感想。
人間界の住人だからか?と別の人間の血を試してみたが解ってしまった、ドリルの血が自分に合っているのだと。
住所不定日雇い労働で適当に生きている男の血が、このエリートの口に合う…と。
「んぅぅぅぐぅぅぅぅ…」
プライドが刺激される。リングは頭を抱えて唸って身悶える。
そうだひらめいた、このおうちで囲って専業にしてしまえば住所不定無職じゃなくなるよ…
「んなわけあるかっ!血迷うな、言葉通り血に迷うな本当に!俺は!上から数える方が早い上位存在の吸血鬼だぞ!?」
ストロングを一気に飲み干してクシャリと缶を握りつぶす。
「でも…飼うのはアリなのかな…わかんない…みんなどうしてんの…?」
あまりにも他人に無関心だった弊害がここにきて出てきている。
一人で何でもできると思っていたのに、とんだところで躓いてしまった。
おうちで囲うにしてもドリルが拒否すればそれまでで、強制力はリングにない。法に引っかかるので。
「ドリルの代わり、見つけれるかな…」
「なんで!?オレのことクビにするん!!?」
「おわっ!?なんで居るんだ!!!」
何やら突然現れるドリルに飛びのくリング。
「いや、寝るとこなかったから借りようと思って今きたらデカい独り言いうてるし
なんで代わり探そうと…?オレの血そんなまずい?健康診断は引っかかってないんやけど」
「いや、その、お、お…お…」
「お?」
「おぃし、すぎ…て…?」
しどろもどろ答えるリング。
「え?なんでそれで代わり探す話に…?」
「お前の血が美味しいのを、認めたくなくて…」
「なんでやねん」
ドリルはリングに呆れた顔を向ける。
「俺はエリートだぞ!なんで、お前みたいな男の血が美味しく感じるんだ!ふさわしくない!
絶対にふさわしくない!」
「で、代わりおらんかなって話になるんか…ええやん俺で」
「やだ!なんか貧乏くさいんだよ!」
「お前が養ってくれればええやん」
「え、いいの!?」
「ん?」
ドリルは首を傾げ、リングはちょっと嬉しそうな顔になるがグッと眉間を寄せて嬉しい感情を押さえ込む。
「永遠に俺のために血を提供するという契約を交わすということでいいのか?」
「報酬さえあればええよ。サインすればええの?」
「うむ、衣食住を提供する」
「お小遣いも頂戴」
「…解った」
リングは魔力で契約書を生み出しそれにサインをさせる。
「お前、即サインしたけど今までこれでなんか騙されてたりしないか?」
「借金肩代わりとかしてたわ、あはは」
お金がないのってこういう警戒心の無さが原因なのかもしれない。
「これからは俺の許可を取れよ」
「そうするわ。で、さっそく血ィ吸うか?」
「ん、まぁ…せっかくだし…」
リングはドリルの首筋に牙を立てて血を吸う。
ゆっくり飲み込んでいく振動がくすぐったい。
「はぁ…」
ちょっと潤んだ目で息をつきながらリングは身を離すと口の中の残った血を味わってるのか無言になる。
(かわいい顔してんのよなー)
ドリルは見下ろしながらリングの整った顔を眺め、そして赤い唇に引き寄せられて彼の顎を掬って唇を重ねる。
意外と柔らかい唇に感心しながらドリルはキスしちゃったから最後までしてやるかと空いている片手でリングの頭を掴む。
「んっ!?」
抵抗する前にドリルの舌が潜り込んできて、その舌がリングの牙に擦れて浅く切れてしまう。
口内いっぱいに濃厚になる血の香りにリングの目が蕩けて舌にしゃぶりつき始めた。
「ぅ、ちゅ…んっ…ぅ…」
もしかして今まで貧血を気にして控えめな量を吸血していたのかもしれない。
お腹いっぱいに吸われたら死にそうではあるが、こんな夢中にしゃぶりついてしまうほどに我慢はしていたのだろう。
契約をしたばかりであるし、雇い主を満足させねば…ドリルはそう思った。
リングのマントを外し、ズボンも引き下ろす。
「んぁ…?ドリル…?え、なに―――」
「腹すいとるんやろ?精液も色のついてない血と同じってネットで見たんやわ」
「精子と赤血球を同等にするな!!!?!?」
「お前軽いなぁー。口でしてもらいたいけど牙が怖いからまた今度にしてヤるか」
「まって、まって、おれは、淫魔じゃあないーーーーっ!!!」
「不思議やわ…お前映らんの」
「ひぁっあ、ぁっ…!」
ドリルは鏡の前でリングを後ろから抱き上げ開脚させた状態で突きあげて揺さぶっている。
リングは完全に表情が蕩けきっており、喘ぐ口端から唾液を垂らしナニも勃起状態で突きあげられるたびに揺れている。
しかし鏡にはドリルしか映っていないのでちょっとマヌケではあるが目の前にはリングがいるので脳がバグりそうである。
リングにちゃんと穴があったし勃起もするし、生命の神秘である。
「どり、るぅ…!も、イく…ぅぅ…!!」
「まだやで。ほら、我慢我慢」
「んぅぅぅ!!!」
ドリルはリングの髪に顔を埋めて宥めながらリングのナニを握りしめてイキかけるのを止める。
リングの両手は縛られているわけではないので抵抗すればできてしまうがドリルの腕を握り潰してしまうのが怖いのか先ほどから床を引っ掻いたり口元に持っていき噛んだりしている。
今も手を噛んで耐えている。
「一緒にイキたいもんなぁ~?ほら、もっとケツ上げて?」
ドリルは体位を変え、リングを俯せに床へ倒し腰を上げさせながら自身の腰を落とす。
深く入り込むナニがリングの良い所を強く擦りつけたのかリングは腰を痙攣させながら嬌声をあげた。
「ここがええの?ここ、ほら、ぐりぐりしてやるなー?まだイったらダメやからなー?」
「んぁっあ、ぁ…あぁぁぁぁぁ…」
痙攣が全身に広がりリングの声色が変わる。
「お!ケツでイケたねーえらいねー」
ドリルはリングの頭を撫でる。
「ケツだったら何回イってもええよー」
「や、だぁ…へん、になるぅ…もぉや…わけ、わかんなぃぃ…」
「それでええんやでー。もっとケツでイこなー?」
「やぁ…前で、イキたい…ドリル、おねがい、1回だけでいいからぁ…」
「しゃーないな、1回だけやで?」
にっこり微笑むドリルは慈愛に満ちていた。
握りしめてくる手の動きが優しく扱く動きに変わる。
開放感に満たされたリングはすぐに絶頂を迎え頭の中が真っ白になった。
故に初めて中に出された感覚のことはあまり覚えていなかった。
「鬼畜野郎…!この俺を凌辱してぇ!」
「雇われからの誠意やのに…」
「悪意しか感じないわ!」
リングはドリルに抱きしめられながらぷりぷり怒っている。
まだ繋がっているままである。
たっぷり中に注がれたが、これって吸収されるのだろうか?すぐ出していいのだろうか?というドリルの疑問にリングは答えられずとりあえず栓もないし…とドリルが抜かず離さずで開放してくれないのだ。
「オレの舌にしゃぶりついてきたどすけべ吸血鬼が悪いんやでアレでスイッチ入ったもん」
「そ、それは…うぐぐ…」
顔を真っ赤にさせるリング。先にドリルがチューしてきたことは頭から抜け落ちている模様。
「空腹感はどう?」
「満腹感はないが、なんか気分はいい…から、何かしら補充はされているのか…?」
「しかし穴もちんちんもあるとは思わんかったしちゃんと機能してんねんな」
「あぁ、それは俺のこだわりというか…人間の模写を本格的にしたかったというか…。
たぶん他の吸血鬼はそこまで作ってないんじゃないか?作ってても外側だけで内臓が動いてなかったりするし」
「はぇ~ハリボテ~」
ドリルはリングの首筋にキスを落とし始める。
「え?ちょ、なに?」
「いやせっかく定住決まったから満足するまでヤれるなーって思ったんや。こういうこと全然、ご無沙汰やったもん」
「俺はハジメテだったんだが!?!?!?」
「あ、そうや次は直接胃に流し込んだらどうなんかやってみるんやったわ。
道具揃えやな」
「ど、どうぐ…?」
「轡や。おまえの牙で穴開けられたくないもん。ちゃんと喉の奥まで突っ込んで流し込んだるさかいな~」
にこにこしながら頭をなでなでするドリル。
リングは想像したのか耳まで赤くしてもにょもにょなにか言っている。
こういう反応が可愛いと、ドリルは思うわけだ。
基本的にこいつスケベだぞ、と解ったので。
吸血鬼じゃなくて淫魔の素質があったのではなかろうか…ドリルは気の毒に…とリングを慰めるためもっと頭をよしよしした。
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