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ブラストくん浮気回
 アシッドが仕事でなかなか時間が取れない、ということでブラストは人妻をディナーに誘ったりして夜を過ごしていた。

 セックスはしない。3人揃ってやりたいなぁという思いがそれぞれあったからだ。

 奥さんを一人にして寂しい思いはさせたくないと考えたブラストは食事に誘うようになったのだ。

 人妻は大変喜んだ。一緒にいられることが嬉しいらしい。

「奥さん、またね」

 タクシーを用意したブラストはロックにいう。

「うん、今度はアシッドさんと一緒に行きたいね」

「もうそろそろ落ち着くって聞いてるから、一緒にいこうな。おやすみ」

 ロックの頬にキスをする。

 人妻は照れながら「おやすみ!」と返しながらタクシーに乗り込んだ。

 手を振って見送り、さて自分も帰ろうかと歩きだす。

 これからどうしようか、家に帰ってもすることがない。

 いや執筆しなくてはいけない原稿はあるのだが、モチベーションが上がらないのだ。

 ブラストはスイッチが入らないと動き出さないタイプの人種であった。仕事方面では。

 夜のお店に繰り出そうとしたとき、声をかけられた。

「ブラストか?」

「え?」

 聞いたことのある声にブラストは振り返る。

 男の胸元が視界いっぱいになるので、上を向くと見知った顔。

 というか、高校以来会っていなかった人物。

「トーチ先輩?わ~老けた?」

「お前と一つしか違わないだろ。相変わらずだな」

 トーチは苦笑しながらブラストの頭に手を置く。

「仕事の帰りか?」

「いやー、まぁ…。トーチ先輩この辺に住んでたの?」

「最近引っ越してきてな。」

「へぇー!あ、先輩!今から飲みに行きません!?暇なんだよー!」

「ああ、別にかまわないぞ」

「やったぜ!」

 ブラストはニコニコ笑いながらナチュラルに腕を絡ませて引っ張っていく。

 トーチも特に反応せず自然にブラストに合せていた。高校のときもそうだったので。



    ◆◆◆◆



 楽しく過去の話や最近の出来事を語りながら二人は美味しくお酒を飲んだ。

 トーチとブラストの出会いは学校の裏山である。

 転勤族であったブラストの居場所はあるにはあった、都会っこということで結構モテたのである。

 しかし女子から逃げるためにブラストは山に隠れていた。

 肉食系女子をあしらう術をまだまだ子供のブラストは習得していなかったのである。

 そこである日、妙な声が聞こえるなと声の方に向かうとトーチがいたのである。

 ハイヤァ!という掛け声と共に蹴りを木に打ち込んでいた。

「わ、うわぁ…」

 ブラストは引いた。よくある中二病だと思って。

 この後、ブラストのコミュ力の高さから会話をするようになり、次第に仲良くなったのである。

 そう、仲良く。

 若気の至りである。えっちなことに興味があったのでムラムラしていたのだ、お盛んな時期であるし。

 タイミングが重なって実行に移ってしまったのは、お互いの行動力の高さのせいである。普通なら接触事故は起こらないのだ。

 そして今日再会したトーチ先輩は昔と変わらなかった。本当に変わっていなかった。

 あの後、格闘家にでもなるのかと思っていたが現在の職業はアウトドア講師という。

 しかし修行と称して休みに山でキャンプしていたことを考えると、天職なのかもしれない。

 ブラストは何杯目かのアルコールを摂取しつつ、トーチの顔を見上げる。

 もう会話はない。お互い結構酔いも回ってきていた。

「ブラスト…」

 トーチの手がブラストの腰に回る。

 見つめていたのを何かしらの意図と感じたのか。

 ブラストはまんざらでもなさそうな顔でトーチに顔を寄せる。

「…ヤる?」




 近かったのでトーチの部屋にブラストは連れ込まれていた。

(これ、浮気かなっ…!?でも、久しぶりだしっ…えっちなこともここんところヤってなかったし…!!

 奥さんごめんっ…!アシッドさんも…!!!)

 ブラストは抱かれながら今更ながら心の中で謝罪していた。

 そもそもブラストとアシッドは人妻とえっちしている間男的立場なのではあるが、三人は複雑な関係なのだ。

「んっ…ぅ、あっ…あがっ」

 ごつごつした指で解されていたが引き抜かれ、ぐっと太い物が押し込まれてくる。

 俯せに四つん這いになり腰をしっかりつかまれて――ブラストは懐かしい苦しさに悶えた。

「せん、ぱいのぉ…おっきぃよぉ…」

 語尾にハートがいっぱい飛んでいそうな甘い声色でブラストは笑みを浮かべる。

「ブラスト…久しぶりだから、満足するまでやるからな」

 トーチは鬼畜なことを言いながら腰を打ち付けはじめた。



     ◆◆◆◆



 やっと帰れる。

 アシッドは虚ろな目で退社していた。

 同僚もみんな目が死んでいた。検証実験やらなんやらの一仕事を終えたときまではハイテンションであったが、

 それも脳内麻薬が切れればこのようなものである。

 会社の出入口はある意味ゾンビの行軍であった。

 アシッドは電車を選んだ。タクシーで帰ればよかったのに、もう正常な判断ができていない。

 終電の車内で意識が飛んでいるアシッドの肩を揺する者がいた。

「…?」

「アシッド!久しぶりだねぇ!」

 脳に響く明るい声に意識が戻るアシッド。

 目の前に美人がいた。

「え…と?」

「あれ?忘れた?僕だよ、ツンドラ。隣に住んでた!」

「あ、あー…」

 該当する記憶があり、アシッドはぼんやりとした顔で頷く。眠いのだ。

「懐かしいよね!こんなところで出会うだなんて!僕はさっきこの国についたばかりでさ!今から恋人の家に行くんだけど

 アシッドは仕事帰り?」

「あぁ、そうだ…な」

 目を見開くアシッド。

「降り損ねた…」

「…オゥ」

 憐れむツンドラ。でもそんなポンコツなところが可愛いのだ。ツンドラもそう思っている。

 ツンドラにとってアシッドは初恋の人であった。

 同じ大学に通っていたが研究科が違うので接触はなかったが、ボストンで住んでいたときのアパートの隣人だ。

 その当時からポンコツだったのでよく面倒を見ていた。

 そのころのアシッドは生命維持を疎かにするポンコツであった。

 今も変わらないかもしれないが。

「恋人の部屋で一泊しなよ。僕から頼めば大丈夫だからさ」

「あぁ、すまない…なんで俺は電車に乗ってるんだろう」

 ポンコツすぎる。







「恋人、寝てるんじゃないのか?」

「合鍵貰ってるから大丈夫だよ」

 ニコニコしながらツンドラはアシッドの腕に自分の腕を絡ませて引っ張っている。

「んふふ、色々語り合おうね!懐かしいから!」

「特に語る話もないが…」

「んもー!僕が聞きたいから語るように!さて、ここが部屋のハズ」

 ツンドラは足を止めてガチャリと手早く鍵を開けてドアを開いた。

「…」

 ツンドラの目が細まった。

「…アシッド、静かに行動して」

「…???」

 よくわからないが頷くアシッド。

 ツンドラは音もなく侵入、ブーツを素早く脱いで上がる。アシッドもそれに続く。

 何やら声がする。寝室の方からだろう。

(…これって)

 喘ぎ声ではなかろうか…とアシッドは神妙な顔つきになる。

 ツンドラは真顔だ。感情が一切読み取れない。まるで暗殺者(アサシン)のようだ。

 ツンドラが寝室のドアを開く。

 はっきり聞こえてくる甘い喘ぎ声とベッドの軋む音。

「せんぱっ…イくぅっ…イっちまぅぅ…もう、…!」

「…え?ブラスト?」

 思わずアシッドは呟いてしまう。

「!!!?」

 ブラストがアシッドたちの方へ顔を向けて目を見開く。

「アシッドさん!!!?な、なん、でっあ、待っ…せんぱいっ待って、待ってぇ…!!!」

 最後は嬌声交じりになりながらブラストは身体を大きく仰け反らせてビリビリと電流が走っているのかと思うほど痙攣を起こす。

 繋がっている部分から凶悪な量の白濁がごぽごぽと音を立てて溢れてシーツを汚していく。

「ふーっ…ふーっ…」

 ブラストは目を開いたまま枕を噛みしめ興奮しているようである。アシッドに見られて興奮している、人妻の調教のせいかもしれない。

「ブラスト、見られながらヤる方が興奮するのか…今度外で―――」

「それは僕とやろうねトーチ」

「…ツンドラァ!!!?」

 絶対零度の微笑みがそこにあった。

「そのちんこを抜きな。切り落とされたくなかったらね」

「はい…」



     ◆◆◆◆



 トーチもブラストも、似た者同士だったのだ。

 自分がやりたいと思ったことには一直線。コミュ力も高く、そして酒癖も悪かった。

 本当に似た者同士である。

「大変反省しております…」

「アシッドさん、奥さんには言わないで!嫌われたくないよぉ!!」

 項垂れてるトーチと泣いてるブラスト。

 泣くなら何故セックスするのか…と思うが、ブラストに寂しい思いをさせてしまったせいもあるのだろう、とアシッドは思う。

 ということは似た者のトーチも寂しかったのだろうか?ケモノかな?

「ブラスト、奥さんならお仕置きで許してくれると思うが?」

「お、おしおき…」

 震えるブラスト。

 下半身が反応しているのは人妻の調教のせいかもしれない。

「トーチは僕で満足できないんだね?」

「そ、そんなことないぞツンドラ!お前じゃないと満足できないんだ!あと3時間ぐらいは続けるつもりだったが―――」

「は!?先輩昔より体力有り余ってる!!!?オレそんなん死ぬだろ!!!溺死する!!!」

 溺死とは。

「トーチの全てを受け止められるのはこの僕しかいないんだから、素人に手は出さないって誓って」

「誓います」

 玄人ならいいのかと思うアシッドだが、玄人がツンドラになるのだろう。たぶん。

「ブラスト、奥さんに話して一緒にお仕置きしてあげるから泣くな」

「アシッドさん…」

 アシッドに抱きしめられなでなでされるブラスト。

「奥さんって、その子の奥さん?」

「いや、人妻と我々は肉体関係を持っているだけだ。」

「…アシッドも、なかなか爛れたことになってるんだね?あとで聞かせてね」



     ◆◆◆◆



 なんやかんやでブラストは人妻とアシッドにお仕置きされる夜が来た。

 なぜかツンドラとトーチも呼ばれている。

 実はロックとツンドラが知り合いだったのだ。ツンドラが幼いとき彼女が面倒を見ていたらしい。

 そういった理由なのかは解らないが二人もこの場に呼ばれたのである。

「皆で仲良くなれば浮気じゃないからね!」

 奥さんの平和的理論が言い放たれた。

 ブラストは俯せに腰を高く上げらせられたポーズで縛られている。

 お尻がみんなに丸見えだ。

「いくよー?」

 ロックは気持ちよくなるローションEXを垂らしながら指でアナルをほじくりはじめる。

「っ…う、…ひぅ…ひっ…」

 ブラストは枕に顔を埋めながら腰を揺らす。

「あ、それ僕もヤっていい?」

「どうぞどうぞ!」

 ツンドラに譲る人妻。

 ツンドラの指が潜り込む。

「あ、あっあぁぁぁぁ!!!!」

 ブラストは泣きじゃくりながら身悶えるが縛られているのでツンドラの指から逃げられない。

「そうなるよなー」

 トーチはうんうんうなずいている。どうやら彼はツンドラによってお尻を開発され済みのようだ。

「すごいすごい!ツンドラは上手なんだね!」

「うん、おねーちゃんも丁寧で上手だよ?ふふふ、ねぇ二人でいじめない?ここをこう…」

 下半身を二人にいじくりまわされはじめるブラスト。

 泣きじゃくっているがこれはお仕置き、奥さんが満足されるまで終わらないのだ。

 ひっくり返され、ブラストはアシッドに抱きしめられる。

「ブラスト…」

 愛おしそうな表情で、アシッドの指がブラストの肌の上を這う。

 撫でられるのが気持ちいい。

 泣きじゃくっていたブラストはもう蕩けた顔でされるがままであった。お仕置きとはなんなのか。

 アシッドの指がブラストの口に中に潜り込み、舌を撫でまわしはじめる。

 それも心地が良くて、ブラストは涎を垂らしながら受け入れていた。

「ブラストくん赤ちゃんだねー?僕たちに身を委ねてね?赤ちゃんだもんね!」

 人妻の思考を奪う甘い囁き。もう既にブラストの思考は停止していたが。

「ブラスト、してほしいことがあったらママに頼むんだぞ?」

 目を細めていうアシッド。

「…マ、マ…キス、してぇ…」

「いいよぉ!」

 ロックは嬉しそうに返事をしながらキスをする。

「はっ…ぅ…ママぁ…えっち、して…おしり、せつないよぉ…」

「うん、いっぱい甘やかしてあげるからねー?」

 人妻はブラストの頭を抱きしめ撫でまくる。

 まだまだお仕置きは始まったばかりである。

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