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 深い山の中にテングマンはいた。

 2度もロックマンに負けて以来、DWNのもとへ戻らず独りでいる。

 しかし最近になって訪問者が訪れるようになった。



 ごぉぅっ… と風が揺れ始める。



 テングマンは空を見る。

 あの男は飛び方が荒々しい。

 木々を揺らし、落ち葉を撒き散らしながら地へ降り立つトルネード。

「よう、今日も瞑想か?ほら手土産持ってきたんだが…」

「失せろ」

「前は勝手にしろっていったじゃないか」

 トルネードは言いながら転がっている岩の上にコトりとE缶を置く。

「邪魔だ」

「だから邪魔しないって言ってるじゃないか。

 個人的に俺がお前に興味を持ってるだけだしな。お前は俺のことどうでもいいだろうけど。

 まだロックマンに執着してるのかな、とか興味あるんだ。

 どうしてあいつに皆、惹かれてるんだろう」

 トルネードは目を細めて、空を見上げる。

「貴様は好かん。べらべらと聞きたくも無い話を勝手に喋る。

 拙者は今でもロックマンを討ちたいと思っているがそれがお前と何の関係がある。」

「いや、まぁ…もし討ちに行くんだったら俺を倒して行け? とか?」

 トルネードは歯切れ悪く言いながら、笑みを浮かべる。

「すまない、俺はお前とあいつを重ねているらしい。」

「あいつ?」

「もういないんだ、済んだことだ。

 DWNに帰らないお前に興味があるだけなんだ。ただそれだけで他意はない。」

「付きまとうだけ無駄だ」

「ん……悪かった」

 トルネードは顔を伏せる。

「あいつとは誰だ?」

「DWNだけど、お前知らないかも。いいんだ、もう…引きずっている俺が悪い」

「この拙者とそいつを重ねるのは不愉快だな。」

 そういうとトルネードはクスクスと笑う。

「そういうところも似てる」

「……」

 テングはトルネードに歩み寄る。

「?」

「また手合わせしたいようだな?」

「あ…そういうつもりでも、なくて……」

 トルネードはじりじりと後ろへ下がるが足場の悪いこの場所で、盛大に転ぶ。

「テング……」

 トルネードは顔を紅くしながら、テングを見上げていた。



    ◆◆◆◆



 トルネードとの出会いは最近のこと。

 生み出した台風をトルネードが相殺しに来たのが出会いで、そのとき二人は盛大に戦闘を繰り広げた。

 結果は、気流を乱され下半身の竜巻が狂って海へ落ちたトルネードの負けだ。

 しかしその後何故か懐かれたのである。

 あまりに疎ましかった。

 そしてその懐き加減に欲情を抱いてしまったのはトルネードがそう望んでいたからなのかもしれない。

 抱いた後でもこの緑の男はやってくる。

 DWNは戦闘で発散をするが、こいつは発散の仕方がわからないのかもしれないと納得した。

「っあ、テング…痛ッ…うぅ…」

 腰を突き出し四つん這いのポーズでトルネードは犯される。

 腕や顔は土に擦り付けられ泥で汚れてしまっている。

 優しくしてやる義理などないし、この行為に愛はない。

 テングがイクのを動きで感じ取ったかトルネードはより一層艶かしい声を上げながら締め上げてくる。

「ッア…じぇみ、にぃ……」

 震えながら搾り出される声、呼ぶその名は知らぬ名で。

 気に食わない。

 テングのプライドを傷つけてくる。

「っはぁ…あぁ…」

 引き抜かれ、ぐったりするトルネードだが弱々しく起き上がり、振り返ってくる。

「テ、ング…」

 しがみ付いてきて顔にキスし自慢の鼻に舌を這わせてくる。

「もっと欲しいのか?」

 引き離しながら言う。

「すまない、俺の、体…おかしくて…」

 涙目になりながら言う。

 しかし、笑顔を歪ませて。

 何故笑うのか、理解できない。

「お前にひどいことしているのは、わかってるんだ…解ってる……」

「理解しているのならそれなりに覚悟しろ」

「うぐっ!」

 テングはトルネードの首を掴んで地へ叩きつけるように押し倒す。

「容赦しないからな」

「あ、あぁ……」

 やはり笑顔を向けてくる。

 こいつの笑顔をみるのは腹立たしい。

 これから起こること全てを受け入れようとしているのが腹が立つ。

 なによりも、その笑顔がロックマンを思い出させて―――
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