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ジェミニが部屋を訪れると、ソファの上で座るスネークとトルネードが居た。
「ようジェミニ!」
スネークがジェミニに気づいて顔を向ける。
トルネードは顔を伏せたまま動こうとしない。
「楽しいことがあると聞いたんだが、どうしたトルネード?」
ジェミニはわざとらしく言いながらトルネードに歩み寄って顔を掴んで上げさせる。
「うっ……」
トルネードは猿轡をかまされていた。
その目は涙で潤んで、両手は後ろ手に拘束されている。
「先に気持ちイイことしてたんだよなぁ?トルネード」
スネークは長い舌でトルネードの頬を舐めながら手に持っているスイッチを弄る。
「っう!? んぅぅぅっ……!!!!」
トルネードが目を見開いてガクガクと震え始める。
倒れかけるのでスネークがトルネードを抱きしめて支える。
「随分と気持ちよさそうじゃないかトルネード」
ジェミニは微笑みながらスネークの反対側…トルネードの横へ座る。
脚の内側を撫でてやるとトルネードは切なげな目でジェミニを見返してくる。
脚の関節を弄られているらしい、僅かな振るえしか起さない。
「中にローターつっこんだ」
「ふぅん?随分と感じてるじゃないか」
「遊んだからな、お前が来る前にたっぷりと」
「へぇ…」
スネークとジェミニはそんな会話を交わしながらクスクス笑ってトルネードの身体を撫でる。
「っう、んぅっ…うっ……」
ヒクヒクと身体を痙攣させながらトルネードは呻き猿轡の間から口内オイルを溢れ流す。
それをジェミニとスネークは舌で舐め取ってやる。
「ふふふ…さて、ジェミニに面白いものみせてやるよ」
言いながらスネークはトルネードから離れてテーブルに置いてあったリモコンを手に取りスイッチを入れる。
モニターに映るのは縛られているトルネードの姿だ。
「ひっ……!」
その映像が何なのかわかったのか、喉の奥から悲鳴のような声を上げるトルネード。
カメラのアングルからしてこれはスネーク自身の視界だろうとジェミニは考えた。
趣味の悪いことにスネークはこういう撮影が大好きだ。
『トルネード、いれるぞー?』
スネークの声が流れる。
『やめ、スネーク、もうやだっやめて、もうっ…!!』
泣きながらトルネードが訴えている。
しかし止めるわけもなく、性器に模した玩具をねじ込んでいく。
『ひっ…あ、あっ……』
『何だお前、俺のサーチスネークちゃんたちよりこっちがいいのか?』
『ちがっ…う、あぁっうごか、すなっあっあ、あぁぁ!!!!』
『ほら、いつも言ってるように言えよ!じゃないとこの前みたいに電流流すぜ?』
『いやっあ、あぁぁ…』
泣きながら必死に首を横に振るトルネード。
『言えよ?』
『じぇみに、じぇみにぃっ…!!』
『もっと大きな声でいってみ?』
『ジェミニっ…!!イ、くスネーク、そこはぁっ…イクからやめって…!!』
『スネークじゃなくてジェミニだろ?』
『じぇみに、やめてっ…イク、じぇみにぃぃぃぃぃ…!!!』
スネークに良い様に犯されるトルネードの姿。
「ひっ…ぅ、ぅぅ……」
横に座るトルネードは恥ずかしいのか、自分の痴態に興奮しているのか、顔を真っ赤にして震えている。
「まぁこんな感じでさっきまでイカし続けてたんだけど。」
「お前いつもあんなことしてるのか?」
「あぁ、お前が喜ぶと思って」
目を細めて笑うスネーク。
この男の愛情表現というものは、酷いものだ。
しかし死で愛を表現されるよりはまだマシだ。もう死んで欲しくはない。
「かわいそうに。ふふふ…」
猿轡を外すジェミニ。
「トルネード…」
トルネードの顔を掴んでキスをする。
「お前は可愛いなぁ?ふふ、ふふふふ……俺のこと好き?愛してる?」
「っ……」
トルネードは表情を歪ませながら首を横に振る。
「すまないジェミニ…すまない……」
「ふぅん?俺の魅力に気づいてるくせに…ならいい。そのままでいろ。
俺はスネークとヤる」
「そこで見てろよボーヤ」
「なっ…ジェミニッんぐ」
スネークにまた猿轡を噛まされて、声を塞がれる。
◆◆◆◆
「あらぁ…けっこうイった?もしかしてイキ続けちゃった?」
スネークはトルネードのズボンを脱がしながらそれをみて呟く。
当の本人は完全に堕ちてしまったようで、焦点の合わぬ目でぐったりしていた。
「ジェミニにヤられてる俺の姿を自分に重ねてくれたかねー?」
「趣味の悪いやつめ。」
スネークは動かなくなったローターを引き抜く。
「うっ…」
びくり、とトルネードが震える。
「素直に俺が欲しいと言えばいいのに。」
トルネードの鼻筋にキスをするジェミニ。
「じぇみ、に……あぁ…ジェミニ」
ジェミニを抱きしめてくるので、ジェミニもトルネードを抱きしめる。
「少し意地悪しすぎたかな?」
微笑みながら呟くスネーク。
「俺が知るか。もういいかトルネード?そのまま抱きついてるんだったら犯すぞ」
ジェミニとスネークは保護、という名目でライト博士の研究所に住んでいる。
合いの子ゆえの特権なのかもしれない。もし純正のDWNだったら置いておくのは難しかっただろう。
「ジェミニ」
声がかかったのでジェミニは振り返る。
トルネードだった。
ここにくるのは珍しいことだ。
「なんだ、この前のことを怒っているのか?」
「正直あぁいうのはもう嫌だ。それを言いに来たんじゃない。スネークは?」
「ロールちゃんのところにいっているが。俺はこれからメンテナンスだ」
「そうか、じゃあ一緒に行こう」
「?」
歩き出すのでジェミニも一緒に歩き出す。
「なぁ、今度空を見に行こう」
「空?」
「あぁ、地上から見る空じゃなくて雲の上からの空だ。綺麗なんだ…」
「ふぅん。そこまでいうなら見にいってやってもいい」
「約束だぞ?」
「? あぁ、解った」
メンテナンス室に辿りつく。
扉が開くとロックとライト博士が準備をしていた。
「ライト博士、来ましたよ。」
「おおジェミニマン。おや、トルネードマンも一緒か」
微笑むライト博士。
トルネードは軽い会釈を交わしてメンテナンスを眺める。
コアのことを言うべきか、いわざるべきか。
ジェミニは平然としている。
好きにしろということなのかもしれない。
そのままジェミニはスリープモードへ入っていった。
「…どうしたのトルネードマン。怖い顔して」
「…いや。なんでもない。」
「そう?」
ロックは心配そうにトルネードの顔を覗きに来る。
青い。
空のような 青い 瞳 ―――――
「ッ仕事があるんだった。じゃあなロックマン。失礼しますライト博士」
トルネードはメンテナンス室から逃げるように出た。
「!」
スネークが、廊下に立っている。
「言っちゃっても、良かったんだぜ?なぁーんで言えなかったんだ?」
「…解らない」
「空も見れるかどうかわからないのに。あんな約束しなきゃよかったって後悔する。絶対に。」
「俺はただ、ジェミニを……」
頭を抱えるトルネード。
「繋ぎとめたかっただけなんだ、この世界に。だから俺は後悔なんかしない。
俺はあいつを生かせたいんだよ…。」
「…新型って俺らより感情が優秀なんだなぁ」
「えっ…」
「人間っぽい。ふふ、俺ら他人のエゴに振り回されるのに慣れてるよ。
直接あいつに生きろっていってやってもいいんです。でも俺からはいえない。俺もあいつもこっち側じゃない。
あんたがそっち側に立ったままジェミニを引っ張ってくれるんだったらジェミニは着いて行くだろうよ」
「違う!俺は、俺の意思ではなくジェミニ自身の意思で生かせたいんだ!」
「……」
スネークはゆっくり首を振って、何も言わないままトルネードを見つめる。
「何故だ、何故お前たちはそうなんだよ!もっと自由に生きればいいじゃないか!
合いの子だからなお更お前たちに縛りなんてないぞ!」
「…そうじゃない、そうじゃなかった。ジェミニも俺らも…お前たちと違ったから帰れなかったんだ。
俺らは破壊することに対して快感を覚えてしまっている。お前たちと違うんだよ。
なぁトルネード、お互い理解なんてできやしねーんだ。ならどっちかが強引に動くしかないだろう?」
「スネーク……」
「もうしばらくの間だけさ、仲良しごっこしとこうぜ。俺今の生活気に入ってる。ジェミニも。
あ、お前にえろいことするのも気に入ってる」
「それは余計なことだが、俺は納得ができない。…頭では納得ができていないんだ」
「……じゃあ一生悩めばいい。俺もずっと悩んでる」
「スネーク……」
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