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注意
「面影を追う、負う」とは繋がってないIF世界(ジェミニ完全生存ルート)
ジェミニがしばらくラボから出られないから暇で仕方が無い―――
といったのはスネークで。
とある山奥。
ここまで来るのには道なき道を進むしかないのだが、空が飛べる者たち…トルネードやテングには関係の無いことであるし、
スネークに至ってはもともと地形探査用なので道がないところを進めるのが当然だった。
初めはトルネードがこっそりテングと密会していたのだがスネークがどこからともなく嗅ぎつけたのである。
「ッン、ぅ…んっ……」
トルネードは苦しそうな声を漏らしながらテングの脚の間に顔を埋め奉仕をしていた。
テングは普段どおりの無表情(もともと表情はわかりづらい造形であるが)で逃がさぬようにトルネードの頭を掴んでおり、
喉の奥までそれが届いて余計に苦しい。
そして捻じ込まれたサーチスネークが蠢いてトルネードは腰をガクガクと揺らしてしまう。
「テングより先にイったらもっとエッチなことしちゃうからなぁー?」
スネークは楽しそうにニヤニヤ笑いながらトルネードに声をかけてくる。
「ぅっ…んぐ、ぅ……」
トルネードは涙を零しながら己の手で自身をぎゅっと握った。
「わぁーイカないようにしたんだな?偉いなー?」
「ひぅっ―――…!!!」
ごぽり、とトルネードの口端から廃油が流れる。
「零すなよトルネード?」
「っ…ゥ…」
スネークの言葉にトルネードは必死になってごくりごくりと飲み込み始める。
そうしてテングから開放され、引き離されたトルネードをスネークは抱きしめた。
「ちゃんと飲んだ?ハイ、お口開けてみようねぇー?」
「んあ……」
スネークにいわれるがまま、トルネードは熱に犯された表情で口を開く。
トルネード自身の口内オイルが糸を引く。
「えらーい、ちゃんと飲んでるなぁ?」
「っ……」
スネークが被さって、トルネードの口内や喉の奥まで舌が這いずり回る。
ガクガクと震えるトルネードは抵抗らしい抵抗もできず、スネークにキスをされながら手で扱かれて果ててしまう。
「お前本当、淫乱だよな。仕事でストレス溜まってんじゃねーの?あ、そうかジェミニが相手しないからテング引っ掛けてたんだよな?」
「ちが、う…そうじゃ…」
トルネードは顔を紅くしながら首を横に振る。
「じゃあテングが好きなんだろ?ジェミニより気持ちイイもんな?ほら入れて欲しいんだろ?」
「……」
トルネードはおずおずとテングの前で脚を開く。
「テン、グ…すまない…」
上目遣いに、泣きそうな表情で、トルネードは目の前のテングの名を呼ぶ。
「ほらトルネード、邪魔なモン自分でとらねーとテングはなーんもしてくれねぇぞ?
あ、サチスネつっこんだままテングのアレを入れて欲しいっていうんなら話は別だけど?」
「ッ…」
トルネードは潜り込んでいるサーチスネークの尻尾を掴んでゆっくりと、腰を震わせ声を押し殺しながら引き出し始める。
しかしサーチスネークが嫌がるように身を捩り始めるのでトルネードは目を見開いて声を上げてしまう。
「かわいい声だなぁー」
「うあ、あっあぁ……」
「お前可愛いからたっぷり可愛がってもらえるなぁー?」
クスクス笑いながら、スネークはテングを見た。
◆◆◆◆
「で、結局のところお前らって何?」
スネークはテングに問いかける。
トルネードは散々犯されオーバーヒートで今は眠り込んでいる。
「…答えてやる義理もない。失せろ」
「ケチ野郎。お前がコイツを惚れさせないと、コイツどんどん壊れるんじゃないか。ジェミニみたいにさ!
壊れたっていいけどな、俺らの仲間入りだ」
ニヤリと笑う。
俺らという意味はテングには理解できなかった。
酷く興味のないことだからだ。
トルネードも、目の前にいるスネークも、自分にとって重要なモノではないのだ。
向こうからやってくるから相手をしてやっているに過ぎない。
「…さて、研究所に帰ろうかね。あれ、テングもどっかいくのかよ」
「拙者の勝手だ」
「トルネード放置?」
「目が覚めれば勝手に来る男だ」
「そういうの、こなくなったとき辛くなるぜぇー。そういうの趣味ならいいけどさぁ」
「その張り付かせた笑顔を止めろ。虫唾が走る。拙者は貴様らの感情を吐き出されようが相手などしない」
「そりゃーそうだ」
頷くスネーク。
「悪かったな。話し相手がいねぇんだよ俺もこいつも。お前が丁度イイんだよね。
何も気にせず話せる」
「下らぬ。」
「ごもっともごもっとも。じゃあ帰るかね。あんまトルネードを虐めてやるなよ」
スネークはしなやかな足取りで草木の中へ消えていく。
「…」
テングはその後姿を見届けた後、しばし倒れているトルネードへ視線を移していたが視線を外して背を向けた。
じゃれてやる義理などないのだ。
◆◆◆◆
目の前でジェミニは眠っている。
様々なコードに接続されて。
スネークはそんな彼を見つめながら数日前の会話を思い出していた。
「俺はこのまま死んでもいいんだ」
とジェミニは唐突に言った。
「お前の愛を抱いたまま俺は永遠に眠る。美しいじゃないか」
「そうか…」
スネークはジェミニの頬を撫でる。
「俺が、生きて欲しいと言ったら生きてくれるか?」
「延命処置をしても、俺は俺である可能性は極めて低いんだぞ、それでもいいのか、俺じゃないんだぞ…」
「でもさジェミニ、今の俺だってシャドーの持ってた俺のデータと、あとはシャドーの記憶でしかないんだ。
お前の知っているスネークじゃない」
「言うな!!お前はスネークだ、何も言うな!聞きたくないんだ!!!」
「だったら、コアを作りなおしたジェミニだってジェミニそのものでいいじゃねーか」
「………」
「お前が死んでも俺は後を追わない。けれど、やっぱり俺は…お前が死を選ぶのが辛い」
我侭だ。
我侭を言った。
いつも自分は我侭だ、ジェミニのために、だとか…ジェミニが喜ぶだろう、だとか…勝手に思って行動する。
好きだから。
目の前のジェミニはデータを徐々に書き写している。
新しくコアを作った。
コアをそっくりそのまま同じものを作ったとしても、環境やメモリー、経験などで微妙な差異が生じてくるらしい。
スネークも同じようなことをしたそうなのだが、本人にはもともとの自分との差異がわからない。
スネークの場合はこのような時間はかけなかったらしいが、ジェミニの場合はスネークと同じ方法だとコアがまた負荷により壊れてくる可能性があった。
だから時間をかけてゆっくりとデータを移す。
一部のメモリーを消すことは拒まれたため、一時的にその負荷になる原因であろうと思われる部分は制限をかけて。
時間をかけてその制限を外していこう、と博士は言った。
それまではロックの言う『昔の彼』でいるのだろう、ジェミニは。
全部思い出せば俺のジェミニ
早く目が覚めてしまえ。
すべて思い出してしまえ。
そして嫌いな蛇を抱きしめて、好きって言えばいい。
俺以外のことを忘れてしまえばいいんだ。
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