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今日はロックマンと勝負をしよう、と思い立ったフォルテはロックがいるライト博士の自宅に来た。
玄関から堂々と入る。
以前、窓から入っていたのだがロックから「君のデータ登録しておくから玄関から入ってくれる?」と注意されたのだ。
「今の時間だと台所か…」
勝手知ったるなんとやらでフォルテは迷いなくキッチンへ。
しかしそこにはロックはおらず、隣のリビングになにやら何者かが集まっているのでフォルテはそこへ目を向ける。
見ればDRNではなく居候しているジェミニとスネーク、そしてアースがいた。
どういう組み合わせだろう…というかこいつら会話とかするのか?
紅茶派と緑茶派ができてんじゃねーか、なのに茶請けは煎餅だけかよ
ツッコミ慣れしているフォルテは淡々と脳内でツッコめるところをツッコんでいく。
ジェミニが紅茶を好んでのむのは「お洒落っぽいから」だし、洋菓子はロールちゃんに作ってもらわないとテーブルに並ぶことはない。
なぜならロックはどら焼きと煎餅が好きだからだ。この前じじいみてーだなと素直な感想を述べると殴られた。
対してアースはロックと少し趣向が似ているので、年期の入ったロボットは皆そうなるのだろうかと恐ろしくも思う。
「いらっしゃーいどら息子」
フォルテに気づいたスネークが声をかけてくる。
「ロックマンは?」
「買い物デース」
「お前ら買いにいってやれよ」
「外がこわい」
「…」
何やら色々あるのだろう、だいたいコピーロックマンに追いかけられるからかもしれない。
戻れとまではいわないが、自分のように通えばいいのに、とは思う。
他のサードたちはジェミニの帰りを待っていてくれているのだから。
「まぁまぁその辺は置いといて一緒にお茶しよー?」
「帰る」
「今日の晩御飯はなんとカレーです!」
「…食べる」
フォルテはソファーに座る。
「カレー好きなのか?」
「うるせー好きだよ文句あんのか」
アースの質問に答えるフォルテ。
「他人の好みに興味はないがエンカーが貰ってこいとかいうからそんなに良いものなのかと」
「お前はお使いでここにいるのか…?」
「お使いとかいうな…あいつらも色々とあるんだろう?興味ないけど」
ぱりぱり煎餅を食べ始める。
「フォルテくんは紅茶と緑茶どっちがいい?」
「紅茶」
「はいはい」
スネークはよく気がつくようでテキパキと動く。尻尾もよく動く。
自分の周りはこういう世話を焼いてくれるやつが多いなと思うフォルテ。
それに素直に甘えてしまうのはセブンスの面々が色々とやってくれるせいだろうか、慣れてしまっているのだ。そういう環境に。
そんな環境で自分は強くなれるのだろうか…と、このところ思う悩みである。
「…なんか奇妙な絵面になっている気がする」
「あまりこうやって向かい合うことなかったなそういえば…」
「改まるなよ、接点がロックマンのご飯食べたいぐらいしかねーんだから」
「ロックのご飯おいしいからね、仕方ないね」
四人は口々にそういって、特に会話も浮かばないので沈黙する。
暫くしてアースが急に頭を抱えだす。
「ああ!平和すぎて鬱になりそう!!」
「それ戦闘用ロボがよくなる病気」
スネークが呟く。
「なにか生き甲斐を見つけるんですよーそれしかないですよー」
「サターンとセックスしとけ」
「お前らみたいにズブズブになりたくない。お前らと違って私には部下がいるんだ。上の者はそれなりの態度でいなくてはならないんだ」
あ、シェードがなんか近いことを言っていたぞと思うフォルテ。
「あれ?いらっしゃい来てたの?」
ロールがやって来る。
「デートお疲れ様ですー」
「デート?!」
アースの目が見開かれる。
「貴様、まさかデューオとか?!くそぅ、知っていればデューオに嫌がらせできたのに!」
「あなた来るから黙ってました。あとデートじゃないもん、ちょっとケーキ食べるのについてきてもらっただけだもん」
「デートじゃないか!」
「ロックは?」
「買い出し」
「まぁ、貴方たち少しはロックの手伝いとか考えないの?」
「フォルテと同じこと言う…」
「普通そうなるでしょ。ねーフォルテ?」
「おい、振るな」
不意に忙しなさそうな足音が近づいてくる。
「ただいまー!お待たせ!」
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